同じ楽器のプレイヤーが二人以上集まると、ピアニスト以外の場合、大抵は楽器談議になります。ギタリストは結構やかましいけれど、サックス吹きもなかなかうるさいです。
ギターは、ピックアップ、弦、ピック、シールド、アンプ、チューニングメーターと小物も多いのでネタには事欠きません。
ブラスは構成部品が少ないのでもっぱら楽器本体とマウスピースでおしまい。そのかわり、本体を何本も持っている人が結構いますね。
サックス吹きは、友人の分析によれば、アルトはリード、テナーはマウスピースにこだわりを持つそうです。テナー吹きはやたらとマウスピースを買う、と。そういえば、手製のケースにマウスピースを商品見本のように何本も入れて持ち歩いているテナー吹きに会った事がありますが、別に売ってくれるわけじゃありません。何のために持ち歩いていたのでしょうか。
一時期、リードを固定するリガーチャーに凝った人も多かったです。あるプロのラッパ吹きが作った物なのですが、2万も3万もする錘付きの24金メッキなんて超高級品が流行りました。いったい何処の誰が使っているのかと思えば、身近な友人が使っていたりして。だったらこの前の呑み代払えよ、なんてね。
自分は横着者なので1本締めのリガーチャーを好んで使っていましたが、今はポピュラーなセルマー製を使用。すぐにラッカーが剥げ落ちてしまいます。
以下は、サックス吹き以外にはワケのワカラぬ話かもしれません。
私もテナー吹きのはしくれ。
これまでのマウスピース遍歴です。
1.ヤナギサワ・HR 6
2.ヤナギサワ・メタル 7
3.ヤナギサワ・メタル 8
4.オットーリンク・メタルNY 8
5.オットーリンク・メタルNY 9
6.オットーリンク・メタル 7☆
7.リバイユ・メタル 8
8.ジョディ・ジャズHR 8
9.オットーリンク・メタル 7☆
10.ヤナギサワ・HR 6
*HR=ハードラバー(エボナイト)
1と10は同一品。6と9も同一品。だから現物は8つです。
いわゆるビンテージ品という物はありませんが、合計すると18万円ほどの投資ですね。
2〜9という回り道をしたばかりに15万円ほど損をしました。
3は現在、妻が使用しているので、実際には12万の損で済んだというところですか。
ビンテージ品の中には1本15万円もするマウスピースがあるそうですよ。
誰が買うのでしょうか?こんなの↓
http://item.rakuten.co.jp/windbros/10002301/
http://item.rakuten.co.jp/windbros/10002354/
http://item.rakuten.co.jp/windbros/10001060/
あ、そういえば数ヶ月前、そういうの買う人に出会いました。
プロのアルト吹きなんですが、メイヤーのオールドしか買わないそうです。
【現在のセッティング】
本体 セルマー・マーク6 18万番台(1970〜1971製造)
サムフックをヤナギサワ製に交換
マウスピース ヤナギサワ・HR 6 特注
リガーチャー セルマー
リード リコ・ジャズセレクト 3MED

キャップはビンテージだな(笑)。
ひとつ前のセッティングは、
マウスピース オットーリンク・メタル 7☆
リガーチャー バンドレン・オプティマム
リード バンドレン・ZZ 3

写真のリガーチャーはリンクの付属品です。
ヤナギサワ・HRは、アルトからテナーに転向する時に妻から借りていた物です。今はほとんど剥がれ落ちてしまっていますが、金色の文字で”Yanagisawa”と書いてある特注品。ヤナギサワの6番は、リンクだと5番と同程度の開きなので、かなり狭いモデルです。その分、リードを硬くしました。また、アンブシャも以前は唇をほとんど巻き込まず、サブトーンの成分が多い奏法でしたが、現在は下唇は多少巻き込んでサブトーン成分を少なくするように心掛けています。
そもそもこのセッティングは、全音域をノーマルトーンできちんと吹こう、という事を目的に変更したものです。アルトの時から我流でただブリブリと吹いていたので、相当に悪い癖が身についてしまい、特にテナーに転向してからは、ウィリス・ジャクソンなぞに凝ってしまった時期があるので、サブトーンしか出ないという最悪の状態に陥っていたこともあるくらいです。このセッティングでまだ6ヶ月目なので矯正途中ではありますが、徐々に良い方向に向かいつつあります。あと1年くらいで当初の目標に到達するかも。
さて、今週木曜は、Q.いしかわ(ts)、遠藤征志(pf)のデュオです。
ちなみにQさんのセッティングはというと、本体はマーク6、マウスピースはセルマーのショートシャンク。楽器もマウスピースもビンテージですが、吹いている本人もビンテージです(笑)。リガーチャーはロブナーの柔らかいやつを使っています。リードはバンドレン青箱の1半。これは日本では売っていないので、特別に仕入れています。
ピアニストはビンテージとはまるで関係のない、超ご機嫌なバリバリの若手です。上手いし、なかなかの男前ですよ。是非、お越しください。

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