毎月、古川商工会議所発行の機関誌に、
小さなコラムを連載させていただいています。
『税のワンポイント講座』 という立派なタイトルですが、
実際は、私見満載の偏った内容です。
9月号は、マイナンバー制について書いてみました。
来月の発行ですが、きょう原稿を書いたので、
先行アップさせて頂きます。
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みなさんこんにちは。税理士の筒井です。
いよいよ10月からマイナンバー(12桁)が通知されます。
今月は、私見も織り交ぜて、この制度の概要についてみてみましょう。
(1)
まず、この制度の目的ですが、@社会保障、A税、B災害対策、となっていますが、Bは付け足しでしょう。明らかに徴税強化が主目的です。
また、導入当初は『任意』ですが、いずれ預金口座にも強制的にマイナンバーを付けることになるでしょう。
つまり目的のC番目として、『当局による国民の資産状況の把握』があげられます。
国に預金残高が知られてしまうのは嫌ですね。
将来は、医療・福祉情報などにつながると有益だと思います。
(2)
10月に『通知カード』が全国民に届きます。
これを元に役所で手続きをすれば、ICチップと顔写真が付いた『個人番号カード』が後日無料で貰えます。
銀行のキャッシュカードみたいな感じです。
身分証明書として使えます。
肝心の番号は裏面に記載されます。
(3)
税の面からみますと、平成28年分以降に作成する税務書類から番号の記載が必要になります。
申告書については、平成28年分の所得税(平成29年3月提出)または平成28年12月決算法人(平成29年2月提出)への記載が最初ですが、
平成28年1月以降に提出する青色事業専従者給与の変更届などには、さっそく記載が必要になります。
実務的には平成27年分の年末調整から番号を収集することになるでしょう。
従業員や扶養親族の番号を提出してもらうことになります。
なお、社会保険関係での利用は1年程度延期になるようです。
(4)
番号は秘密扱いとなり、むやみに他人に番号を教えてはいけません。
一度もらった番号は原則として一生変更されません。
マイナンバー法では、個人や会社が番号の管理を厳重にするように定めていますし、
税理士や社会保険労務士が管理する顧客の番号を漏えいさせた場合などは、税理士などが罰せられます。
これは、番号情報が漏れた場合に、第三者に悪用されるかもしれない事を恐れた政府が、責任を逃れるために定めた規定ではないかと疑いたくなりますが、
平均寿命約80年もの間、番号を秘密にし続けるのは難しいと思うし、そもそも番号を公開しても絶対悪用されないようなシステムを構築するのが政府の責任だと思うのですが。
(5)
番号は、全ての法人(会社)にも交付されます。こちらは秘密ではありません。
(6)
地震の被災者などで、住民票と別の場所に住んでいる人のような場合は、
事前に手続きをすることによって、現在住んでいる町の役場から受け取ったり、
親族が代わりに受け取ることも可能になるようです。
(7)
余計な話ですが、12桁の番号のうち一の桁は、チェックディジットといって番号の記載ミスなどを防ぐ役割があります。
従って、番号00000000001 という人は居ないのではないかと推測しています。