
ノンオイスター手巻きデイトナの裏蓋に稀に見かけられる「6242」の印し・・・
ミドルケースRef.6242の手巻きデイトナが近年において実物が公にならないこと以前の事項ですが、陽の目をみないレアな品番も載っている過去〜数年毎の各パーツブックなど他の純正資料類にも一切存在が確認されないことなどもあり、
『公にはRef.6242デイトナ自体は存在しない』と思われます・・・
面白いのは、このNo.6242の裏蓋が使われたモデルが、殆どの場合、
ステンレスベゼルのラウンド・ポンプ・プッシャーのRef.6239,6262(例外的に6265)だったと言う事です・・・
純正として存在したと思われるBackcase No.6242について、
1つの推測としては、
『ステンベゼル・ノンオイスター共有の保守用共有品番裏蓋として少量造られた』と考えられます・・・
もう1つの推測として
当時他モデルに保守専用品番がなかった事や6242裏蓋数の少なさから、プラベゼルで最初のスクリューダウンプッシャーRef.6240と同じ時期に、
『ロレックスがステンレスベゼルのスクリューダウンバージョン=Ref.6242も構想していたと仮定したとして、裏蓋にはNo.6242用を既に造っていた』ものを流用したとも考えられます・・・が、現時点ではあくまで憶測に過ぎません。
この時代の手巻きデイトナのもう1つ面白い事例は、
ミドルケースと裏蓋が共通品番ではないステンベゼル手巻きデイトナが意外に多いことで、販売当時からのオリジナルかどうか未確認ですが、Ref.6262にNo.6239の裏蓋、6265の初期当時に裏蓋No.6262が使われていたとも推測されるRef.6265も多数見られます。
一方で、デイトナを含めた他モデル品番を見てみますと、
4桁時代の当時のロレックスは、基本的にCase Ref.とBackcase No.は同じ専用品番で製品化して販売、ディスコン以降は同じ品番の保守パーツがなくなり次第、同じ形状の他品番パーツを共有化しています・・・
既に10年前以前からですが、各国営業所単位の在庫を除き、ノンオイスター&オイスター手巻きデイトナの裏蓋を単体交換すると、その裏蓋は全て最終共有部品のNo.6263になります・・・最後まで製造販売時期を引張ったサブマリーナ5513のように、ディスコン直前には既に在庫調整だったのか?サブマリーナ最終共有部品No.5512の裏蓋で売られた場合もあります・・・因みに5桁の16520の時代には、販売当初から(最近新たに裏蓋の共有部品番号が変わるまで)16520と16523コンビの裏蓋共有の独自No.16500を共有していました・・・
例えば12年前の時点で、手巻きデイトナに関しては、
オールニュー時のプッシャーなど最初から組み込まれた外装全セット用は6264,6263,6265, 裏蓋単体は6263, ミドルケース単体は6262,6263,用だけが保守ストックリストに載っています(=当時、交換時にケースはSerial刻印入換で対応、裏蓋は印スタンプなのでそのままで対応)。それはその時点でオールニューにするか裏蓋だけ交換するかの違いで裏蓋品番が変わることを意味します・・・20年程前のリストに遡ってみると、ステンベゼル品番の保守裏蓋はプラベゼル品番の保守裏蓋より早期にディスコンになっていることを窺わせます・・・。
道半ばですが、この時代の手巻きデイトナって色々と解明し甲斐があって面白いですね・・・

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