ジムカーナ用にセットアップした上でのインプレになります。
ゆえにその筋の人以外は参考にならないかもしれません。
サーキットじゃどうなるか知りません。
でもたぶん変わんないけどね。
まずセットアップ状況を・・・
・アップハン化(ABMトップブリッジ・リゾマテーパーハンドル)
・セカンドバタフライ除去
・スプロケ交換 F16 R50
・シート加工
・US YOSHIMURAスリップオン
・RAPID BIKE Racing
・ショートホイールベース化(1390)
・Rタイヤサイズ変更(180/60)
・切れ角調整
後はノーマルです。
ちなみにサスペンションはセッティングのみで
完全ノーマル
つまり、ポジション・ショートホイールベース化・
タイヤサイズ変更・燃調・スプロケしかいじってません。
これって、ジム車の基本カスタムしかしていないと言っても
過言ではないレベルではないでしょうか?
俗に言う魔改造は一切していない!!
トリプルなんか10Rに比べれは魂を悪魔に売り渡している!!
つまり、それだけベースが良いです。
ただし、ECUのセッティングだけは
しっかりやらないと戦闘力は出ません。
OEMのECUセッティングだとセカンドバタフライがはずせませんし、
セカンドバタフライをはずさないと、
スラロームの連続でギクシャクします。
高速系の割と大味なコースなら良いですが、
ショートスラロームの連続には対処しきれません。
なので、しっかりECUセッティングをするべきですが、
点火を修正できる方が良いです。
というのも、セカンドバタフライをはずして、
燃調セットを出すと、トルクが出すぎるからです。
その結果、アンダーが出やすい傾向にあります。
点火をいじって、空けはじめをマイルドかつ
トルクを減らす必要があります。
が、それだけです。
それ以上の調整は不要です。
俺はエンブレコントロールがシビアな人間なんで、
エンブレを減らす調整も加えておりますが、
そこは好みで、必要不可欠ではありません。
大事なのは明けはじめのマイルドさと低トルク。
それだけいじれば102%〜103%のマシンの
出来上がりというわけです。
カスタム費用を想定に入れると
下手な600SSより安くなります。
アップハン化 10、スプロケ 3.5、サブコン 12
必須なところであればあわせて25.5となりますので、
車両を120〜130で引っ張ってこれれば
意外とリーズナブルです。
それだけバランスが良く、足回りがよいです。
ドライバビリティの向上のみが課題と思ってください。
で、本格的なインプレに入りますが、
上記調整を加えた上で、
利点・不利点を記載します。
利点
・フレームの剛性バランスが良く、コーナーでかなり無理を
しても車体が暴れたり、チャタリングが出たりすることが
ありません。
・Rがどっしりとしていて、ブレーキングでRが横向く等の症状は
少ないです。また、出てもコントロールしやすいです。
また、スリッパークラッチの設定が絶妙で、Rがホッピングしにくい
・バンク角もかなり深く、またフルバンク領域でかなり安定している。
ある程度の重量があるので、タイヤがしっかりと
つぶれるためでしょう。とはいえ重すぎはしない
(現状187KGです。)
・ある程度の重量があるため、回転で回り始めてしまえば
落とし続けるのは容易です。
”回転で落ちる”意味がわかればわかるかとは思います。
Fが転がり続けます。
・重量を感じさせないかるさ=”重心の低さ”がある。
そのため、切り替えしがすぱすぱ決まります。
これは180/60にしたリアタイヤが効いている。
・怒涛の加速力。多少のミスで車体を止めてしまっても、
ワンストレートで取り戻せます。
600SSやNSRと違いここがかなり優れています。
ミスに強いってことですね。
・点火をいじればまったりな性格のバイクにできます。
NSRのデロデロ感を出すことは容易です。
難点
・とはいえ重い。あと20KG軽ければなぁーとは思いますが、
カウルはこだわりなんではずしません!!FRP化は
いずれあるかもしれませんが。
・速度が乗るため、ブレーキングが厳しい。
ハードブレーキングが苦手な人にはお勧めできない。
てゆうか、SS全般・大型全般で言えることですが、
ブレーキング技術がない人にはそれらのバイクは
薦められません。
・ABS/トラコン/モードセレクターといった目玉装備は
ごみ
使えない上に設定できません。
これらの装備はあくまで公道走行する人向けです。
スポーツするなら邪魔以外何者でもない。
しかし、トラコンがいちいち電源ONにするたびにモード1に
勝手になるので邪魔です。
ABSは最初からつけてませんので、試乗で試しましたが
スポーツするには効きすぎです。
モードセレクター?漢は黙ってフルパワー使えよ。
てゆうか選択している暇ないし、
雨でもない限り使いません。
・脅威の加速力とハードブレーキングの連続となるので、
非常に体力が必要となります。
トリプルだとコーナーリングGがかかる旋回ですみますが、
10Rだとブレーキングで縦G、
その後コーナリングG、
さらに加速Gと休む暇がありません。
また、重さ自体はトリプルと変わりませんが、
エンジンの重さ・ジャイロの強さを思い知ることになります。
ともかく体力・筋力が必要です。
・上記ゆえにタイヤ・ブレーキの消費が半端ないです。
トリプルだとFブレーキパッド一年持ちますが、
10Rは3ヶ月の命です。
・水温の上昇が半端ない。
冬でも八の字やってりゃ余裕の100℃越え。
走っているときは80℃位までは下がりますが、
のらりくらりとタイヤあっためていられません。
なんか難点の方が多いですが、
今、SBか600SSかで悩んでいるとするならば、
極端な例ですが、ストリートトリプル・CBR600RRか
ZX10Rで悩んでいるならまちがいなくZX10Rを薦めます。
両方乗ってみてわかりますが、
はっきり言って、600SSの方がジムカーナは難しい。
SBの方が容易です。なぜなら、旋回能力や車重が
両者変わらないのに対し、600SSの方がエンジン特性上
難しいからです。
また、レギュレーション的にもSBクラスがあるため
表彰台に乗りやすいという点もあります。
また、最後にSBは挑戦するということの満足感・充実感が
半端ないです。
すでに書きましたが、ブレーキ・旋回・加速のすべてで
体力・筋力がひつようとなり、ミスが許されない緊張感・
加速においてかれない気構えなど肉体的・精神的な
ストレスが多いですが、それゆえに走りきったときの
満足感は言葉にできません。
逆にトップを目指すには心・技・体が求められるわけですが。
まさにマゾの道。
というわけで、ZX10Rはジムカーナで十分な戦闘力のある
バイクであり、SBでやるならお勧めできると思います。

7