セッティングの進めD エンジンセッティングについて
I can stop!!
The lonelyness〜♪
ど〜おしてなーの?
かなしーみがーとーまーらなーいー♪
なんて懐メロが頭から離れない旅人@インドで一人です。
とりあえず飯がうますぎて危険な毎日を過ごしておりますが、
そろそろ更新したい不定期連載第5回目でございます。
で、頭で最初に謳っておきますが、
今回はほぼFI車しか関係ないです。
FIに乗っている、これから乗ろうという人が主な対象です。
また、最悪エンジンぶっ壊すことを覚悟して聞いてください。
当然のごとく、この文章読んでまねしてぶっ壊しても
保障はできない!!
そこんとこ、夜・露・死・苦!!
すべては・・・
自己責任!!
では例によって前回の復習から。
前回セッティングの順番の中で、エンジンセッティングの
重要さについて語らせてもらいました。
また、簡単指針を述べさせていただきました。
今度はそれらについて突っ込んでいきます。
各指針についてどのように実現すべきかを語っていきます。
そのもっとも重要となるのはメーカーが最初に用意したマップとなります。
また、ずっと語り続けてるセッティングの意味を忘れないように
してください。
セッティングとは、ライディングにバイクを
微調整するもの
だから、ノーマルのマップがどういうものかということを
明確に持っていないと意味のある行為ができるかどうかは激しく
不安です。なんか第一話と同じ事言ってますが、
そこのところ、よくよく自らのバイクと会話して
どうしたいかを明確にしてください。
長くなったので本編をはじめましょう。
1 EFIって何を調整できるの?
第二話で意識あわせした内容
ECU周り※キャブの場合
燃調変更(開・戻)※ジェット・ニードル変更
点火変更(開・戻)
第二インジェクタ作動タイミング
アイドリング変更
もっぱらこれだけです。
最新鋭機だとこれらの設定+トラクションコントロールなどが
ありますが、新しいやつは俺もまだ勉強していないので
かたりません。
(だからアグスタのブルターレ800かZX-10Rに乗りたいんじゃ!!)
つまり、ここで語るのは
ECU周り※キャブの場合
燃調変更(開・戻)※ジェット・ニードル変更
点火変更(開・戻)
第二インジェクタ作動タイミング
アイドリング変更
だけです。
特に、以下二点に話を絞ります。
燃調変更(開・戻)
点火変更(開・戻)
なぜって?
難しいからだよ!!
ただし、やりたいことなんてのは結局キャブと一緒です。
さらに、やるべきことは指針として提示してあります。
上記二点を修正することで指針を満たすことは十分可能です。
で、前回提示した指針です。
アクセルを〜
・開け初めにドン付きがないこと。
・開け始めのトルクは少なめが良い。
回転を開けて回れるようにする。
・閉めた際にドン付きがないこと。
・トルクを極力少なくし、回転を下げず、かつ、高回転で旋回を
可能とすること。
・30M〜50Mくらいでウィりーするくらいの馬力が良い。
・最大馬力は発生時、トルクはやや落ちるくらいが良い。
・トルクカーブは一定よりも台形カーブが良い
だから、これらに指針を得られるようにしましょう。
ただし、バイクごとに特性は違います。
なので、自分のバイクに必要となるものを取捨選択していただき、
必要なものだけ修正すべきです。
また、エンジンのタイプ(気筒数や並列・V型など)によって
やるべき手段も変わります。
結局このドキュメントでできることは
あくまでも指針を示すことしかできません。
そこのところ、誤解ないようにお願いします。
2 点火調整について
いきなり点火。間違ったらぶっ壊れる点火。
でも逆に言うと、それだけ影響があるということは
それだけ変更できるということです。
特に、トルク特性・エンブレ特性を大いに変える事ができます。
おおいにChange!!
失礼しました。
具体例を見てください。
MAP1
Map2
Map3
Map4
Map3で水青の色、Map4で緑色がついたところが変わっています。
ストリートトリプルのノーマルの点火マップですが、
このバイクはアクセル開け始めに演出があり、
わざとトルクの発生を強めています。
また、その後に谷がある。
それを消すための変更が丸の部分
ノーマルを見ると変更部分の3Dのラインがかなり急であると
思います。これを変更後のラインのようになだらかにすることで
トルクの発生をなだらかにすることができます。
指針でいうとここら辺に影響が出ます。
・開け初めにドン付きがないこと。
・開け始めのトルクは少なめが良い。
回転を開けて回れるようにする。
点火の速い所でなだらかにするか、
遅いところでなだらかにするかは難しいところではあります。
一般的には速い所で落ち着かせるほうがよいですが、
速くする=ぶっ壊れる可能性が高くなる

と覚えておきましょう。
なので、ほんの少し、なだらかにしてあげましょう。
それでも大きな変化が得られます。
ちなみにこの画像のように調整自体は
数字のマトリクスで実施します。
慣れてくると3Dマップが頭に浮かぶようになるので、
3Dマップは使いませんねぇ。
時々変なことになっていないかの確認だけ
これで実施します。
縦列がアクセル開度
横列が回転数
(Tuneboyの場合)
なので、アクセル開度にあわせてなだらかにし、
横列とあまり格差がないかに着目して均してあげると
荒々しい特性はかなり収まります。
ちなみに俺の個人的な感触ですが、
人間はエンジンのトルク特性と馬力特性のどちらを強く感じるか
というとトルク特性な気がします。
乗り込んで感じるグイグイ感といいますか、前に進む感は
あきらかにトルク特性によるものです。
空けはじめから中間加速に入るまでがジムカーナでは大いに
影響が出ますのでここはとことんこだわりましょう。
例2
次はアクセル開けの説明については終わったので
今度は閉め部分について語ります。
Map5
Map6
Map7
Map8
変更部分はMap6,8で比較してみてください。
緑色の部分を進角しています。
Streettripleは割かしエンブレが少なく、扱いやすい
バイクですが、ともかくトルクの変動が強すぎるんです。
アクセル戻して曲がろうとするとアンダーがでまくる。
曲がっていけないわけです。
なので、その領域のトルクならしたいので進角します。
また、進角することでエンジンの回転数が下がりにくく
なるため、回転数を維持したまま走りやすくなります。
ただし、やりすぎると以下略。
なのでやさしくしましょう。
蜂のように舞い、蝶のように刺すんです!!
指針でいうとここら辺に影響が出ますね。
・閉めた際にドン付きがないこと。
・トルクを極力少なくし、回転を下げず、かつ、高回転で旋回を
可能とすること。
ちなみに予断ですが、
ストリートトリプルさんは・・・、いや、様は!!
なんと4つも点火マップを持っています。
(俺二つしか使ってないけど)
アクセル開けるマップと閉じた時のマップが
まったく別のマップとなっています。
本多系は一枚しかありません。残念!!
俺はこんなところにもメーカーとしての姿勢を
感じずに入られません。
よりよいものを作ろうという姿勢がどちらかは

言うまでもない気もします。
でも、どうせ使いこなせないんだから
つけても意味ないだろう?
という穂丸だの言い分もわからなくもないけれど、
レースベースでさえそれってのはどうかと思いますね。
すみません。
余談です。
なので、ストリートトリプル様は用途ごとにマップを持っているので
とても扱いやすいことこの上なかったりします。
この辺はバイクごとに違っていると思いますので、
調べてみる必要があります。
また、フルコンを例にしているので言うまでもないのですが、
サブコンはそもそも点火がいじれない…、点火をいじるには
追加モジュールが必要(数万円)など、ユーザーをなめてる
ような感じなので、サブコンは薦めませんね。
もし薦めるとしても、一体でほとんどついているものを進めます。
別々のモジュールをケーブルでつなぐというのは
リスクを背負うだけです。お薦めできない。
なのでパワー丸々んだーは薦めない!!
話がそれまくっているので元に戻すと
ストリートトリプルの場合は、開けはじめのトルクが
強すぎ、かつ強烈過ぎるので点火を早めて均してあげて、
アクセル戻したトルクも強烈過ぎるので同様に鳴らす。
すると
・トルクカーブは一定よりも台形カーブが良い
が実現できます。
何をどうするといったところは完全にバイクによってしまうので、
メーカーが出しているパワーカーブ・トルクカーブに着目して
それらを乗り込んで体感し、その上でどうすべきか考えてください。
3 燃調について
ああ、長い!!
長すぎる。
というわけで、ここは短く行くぜ!!
燃調はな!!理想空燃費にこだわらず、
あくまでも乗り心地を優先しなさい!!
でも人間の感覚なんていい加減だから、
理想空燃費を一発取っておいて、そこを基準に考えるとよい。
で、濃くしたらトルクが上がり、ドン付きが増える。
薄くしたらトルクが下がり、ドン付きが減る。
と覚えましょう。
正確には点火に対してちょうどいいかどうかが重要ですが、
ボアアップして、カム換えて〜みたいなことでもしない限り
無視していいです。
で、そこまでの変更はジムの場合あまり有効ではありません。
(ミニや一部車種は除きます)
FI搭載したそれなりの排気量のバイクでは不要でしょう。
なので、点火を変更し、その変更された点火に対して
燃調を変更したほうが能率がいいです。
…サブコンしかなくって点火調整が出来ません(涙)。
って人はどうすればよいって?
そんなもん簡単だ。
買って…
…わかりました。
語らせてもらいましょう。
またマップを使って解説しますよ!!
すりゃええんだろ?
長くなるよ?
問題ないよな?
ないといってくれ!!
例3
Map9
Map10
Map11
Map12
すでに述べたように点火と燃調のバランスが
理想だった場合…その状態が最もトルクが出ます。
しかし、最もトルクが出る状態が果たして
ジムカーナ的に良いのでしょうか?
それはNOでしょう。
あえて薄くしたり濃くしたりすることで
トルク特性・パワー特性をコントロールすることが
EFIのセッティングの肝です。
で、ストリートトリプル様を例にまたしても解説していきます。
Map9、10を見ていただくとわかるように
開けはじめを薄くしています。
これは点火でも語っていますが、このバイクはトルクが
もりもり過ぎ、かつ谷があるため走りずらいです。
だからそこをトルクカーブをなだらかにし、かつ細めます。
なので、点火早めの燃調薄めとなります。
例4
Map13
Map14
Map15
Map16
また、アクセル戻した領域も同様で、
点火早めの燃調薄めとなります。
なお、ストリートトリプル様は燃調マップも
複数もっていらっしゃるので、
今回作った例はあくまで例。
そのまままねたって俺のバイクのようには走らないでしょう。
ちなみに、最大馬力を発生するポイントでは
やや薄めのほうが使いやすいです。
ジムの場合、そこに到達するのがほぼ一瞬なので、
すぐトルクをカットしないと曲がれないという症状が発生します。
上記もあって、アクセル戻したときは薄くしています。
また、薄くしたほうが若干延びます。
ただし、薄くしすぎるとぶっ壊れるのでお気をつけあそばせ。
4 総括
あくまでもこの文章の目的は「どうすべき」を作る、
そしてそこにどうすれば近づけるかをイメージさせる
お手伝いをすることです。
「どういうものか」のイメージと
「どうすべきか」という指針の橋渡しの手段を
提供するのが精一杯と考えてください。
だから、まず、自分のバイクのエンジンが「どういうものか」を
確認しましょう。自分が「どうしたい」のかイメージしましょう。
何度も言いますが、セッティングには他者が必要です。
セッティングにはとても大切なポイントとして
「比較対象を常に持つこと」です。
今の自分とバイク、現在の自分のスキルとバイクの変更点。
それらを具体的なイメージとして持つことが大前提となります。
C1まではそれらを実施するために畑を耕していると思ったほうが
良いです。
FIの場合はイメージが具体的であればあるほど、
ぶっちゃけなんでも出来て、かなりイメージに近づけられます。
反面なんでも出来てしまうため、何をどうすれば良いかが
わからなくなることが多いようです。
プロでもFIチューニングを否定する人も多いです。
しかし、きっちり変えたマップを持つバイクは
ノーマルの比ではないほど乗りやすいです。
あと、FI車の場合は数ある規制を防ぐため、
異常に薄いポイントを作ったり、
いろいろな味付けが可能となったため、
あえて乗りにくいポイントを作ったりしています。
そこら辺を見極めてください。
最後に、燃調を薄くすること・点火を早くすることは
最悪エンジンをぶっ壊します。
また、そこまで行かなくても冷却水の温度が上がる傾向になったり、
オイルが早めに経たったりもします。
変更を加えるということは、
同時に環境を変えることだと認識してください。
変更に対して適切な補正を加えないと
燃調としては問題なくても、バイクとしては問題かもしれません。
そこら辺よくよく考慮して実施してください。
ちなみに俺がはじめてシュラウドをつける発想にたどり着いたのは
CBRで水温がやたら上がるようになってしまったからです。
では皆様アディオス。
次回はサスペンションセッティングになります。
ああ、インドでこのシリーズ終わらせてやると思ってたけど、
絶対無理だわ・・・これ(T_T)

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