セッティングの進めA
前回までのあらすじ。
ということで、
セッティングどうの言う前にまずは腕磨け
というのが前回の内容でした。
どうすりゃシードになれるんだということを
置き去りにしての第一話だったわけです。
すると、このドキュメント…C1以上対象になってしまいますね。
それではあまりにも…
ひどいわ!!
というわけですね。
また、
そうは言っても、ノーセッティングでC1になれるんでしょうか?
という疑問があるのではないかと思います。
というわけで、今回はC1になるまでに必要なセッティングの話…
となります。
え?
いきなり、C1までセッティングいらないと言っておいて
C1までのセッティングの話?
矛盾してない?
と思った方。正解です(笑)。
前回セッティングは「カスタム」と「調整」を含むという話を
させていただきました。
その両方なしでC1まで上がった選手は何人もいるので
確かに必要ないと言い切ってしまっても問題はないのですが、
たとえるなら、スキーをうまくなるために、レンタルでやり続けろ!!
というかということです。言いませんよね?
自分の体格にあった板を手に入れ、
用途に合わせた形状を選びますよね。
つまり、ジムカーナでも準備として
ある程度まずやっておくべきセッティングはあり、
それを決めてしまったらC1までは悩まずやりなさいってことです。
(前回本当に言いたかったこと)
そこからスタートになります。
ジムカーナの場合
調整
・体格にあわせる作業
(レバー位置・ペダル位置・ハンドル形状・椅子の形状)
・切れ各調整
カスタム
・タイヤのグリップ力
(ハイグリップタイヤorスポーツタイヤでも上位のもの)
・加速力(スプロケット交換)
その他
・基本整備
などがスタートで行うべきセッティングとなります。
まあ、つまり、この時点では
減衰圧がどうの〜とか、プリロードがどうの〜とか、
突き出しがー、キャスター角がーなどとほざくことはありません。
あくまでもベースでドンと変えたり決めたりするだけです。
上記が一般的な”セッティング”と呼ばれておりますが、
そんなもんはこの時点では悩む必要はないのです。
第一話の内容はそれだったわけですね。
では話を戻して、C1までのセッティング…言い換えれば
はじめの準備について語りたいと思います。
その他
・基本整備
いきなり説教から始めさせてもらいます。
ここ、サボってるやつら多すぎ。
大体俺が面倒見るときって、まずここをチェックします。
往々にして
・チェーンが死んでる
・各部が固着ッキー
・ベアリングが役に立ってない
・ハブが死んでる
・足回り最後にOHしたのが1年以上前
ジムカーナは曲がりなりにもレースです。
たしかに、敷居の低い参加型のレースではありますが。
だから、スポーツとして参加しようが、
本気のレースで参加しようが
それはその人の自由ではあります。
しかし、いろんな人がさまざまな形で参加するわけで、
最低限の準備をするのは、あ・た・り・ま・えです。
でもそれができてない人が多いですねー。
安全に、かつ本来の姿で走ることがまず前提です。
ちなみに、基本整備をして良い状態のマシンを知ることは
セッティングという観点からもとても重要です。
なぜなら比較の対象の最初のひとつの姿がそれだからです。
セッティングにはとても大切なポイントとして
「比較対象を常に持つこと」というのがあり、
それは比較前後の自分のマシーンや走りがそれとなります。
つまり、一番最初のマシーンがすでに壊れてたり、
だめな状態では何やっても変わらなかったり、
変わってもそれが壊れていたからなのか、
セッティングの結果なのか切り分けられない可能性があります。
だから、まず、ちゃんと整備しようぜ!!
余談ですが、A級ライダーってここら辺できてます。
俺が言うことなんかほぼないです。
B級ライダーになると半数くらいは昇竜拳かましたくなります。
C1くらいだと真空竜巻旋風脚くらいはかましますね。
C2・ノービスだとたぶん終始”笑顔”だと思います。
もちろん殺気を含ませまくりの笑顔ですね。
きっとこんな顔 ↓
調整
・体格にあわせる作業
(レバー位置・ペダル位置・ハンドル形状・椅子の形状)
これまた誤解している人が多いので、
ここで語らせていただきます。
人間みんな体格違います(双子は除く?)。
ゆえに、ここの結果はすべての人で違うわけですが、
方針は同じになります。
方針
ジムカーナでタイムを出しやすいように調整する。
先述のように、結果は人によって違うのでなんともいえませんが、
ポイントだけ記載しております。
●レバー位置
ジムカーナでは回転でのタイム差が思いのほか響くので、
回転時のポジション=フルロック時の状態で
レバー位置を調整しましょう。
で、水平はやめましょう。フルロックした状態でアクセルを
コントロールしつつ、ブレーキに指を掛けておいて
手首がつらくならない位置を探してください。
意外にレバーは水平よりも下に下がるはずです。
また、手首はつらくないけれど、自分のわき腹に内側のひじが
エルボーのごとく突き刺さる場合も同じく
レバー位置が高いです。
車体の乗車姿勢は常にボールを抱いているように
猫背・手首⇒ひじ⇒円のラインが円となることを
意識してください。その姿勢を維持したまま回転することが
できるレバー位置を探しましょう。
どちらにしろ、通常の純正位置よりかなり下がるはずです。
●ペダル位置
これまたかなり下がるはずです。
回転時にイン側のペダルを強く踏む羽目になりますが、
ペダルが高すぎると回転入り口からかなり強く
踏んでしまいます。足首が相当柔らかくても
かなり下げたほうが楽です。
(下げすぎはだめですが。)
同じく、回転でコントロールできる高さまで下げると
良いでしょう。
●ハンドル形状
これは永遠のテーマです。
答えがない。すべての人で回答が違います。
ポイントとしては、以下です。
「回転時に外側の腕が力を入れやすいこと」
「車体姿勢を維持しやすいこと」
必要であれば切ったり、曲げたりもします。
俺は今のハンドルにたどり着くまで軽く50本くらいは
買ったと思います。バイク屋に行くとすかさず座りまくって、
ちょうどいいものを探したものです。
ZR-7,NSR時代はゼファー400のものを。
CBRの時代はCB400SFのものを。
トリプルになって、純正ファットバー(加工)となってます。
●椅子の形状
純正の椅子は往々にしてラグジュアリーである
by 某A級ライダー
だから乗りにくいんです。
正直椅子の形状変更はC1以上でも良いかなぁとおもいつつ、
これをきっちりやるか否かでタイムの如何は
大きく変わるし、なにより、下位シードや
ノービスの人ほどフォームの矯正が必要であることも
考慮し、ここに入れております。
乗車姿勢を保つために、ありえないくらいのニーグリップは
必要ないんです。はじめから乗車姿勢を保てる姿勢になる
椅子に座れば良いんです。
具体的には座るべきポイントを決めておいて、
そこに向かってタンク側からテール側へ
少しずずなだらかに下っていくイメージです。
また、ジムカーナの場合、足を出すことがあるため、
足を出しやすく両サイドは丸くしてあげると良いでしょう。
純正の革をはずし、上記をイメージして軽く
ワイヤーブラシでこすってあげるだけでOKです。
しかし、Z1000の椅子は例外で△木馬のように新たな世界を
切り開く可能性があります。Mな世界へ飛び込みたいと
いうならあえてそのままというのもありです。
・切れ各調整
こちらは取扱が特殊となりますが、多くの場合やって
おいたほうが良いので、入れてあります。
ジムカーナは切れ角が多いほど有利という
競技ではありません。しかし、フルロックを
多用する競技です。
ですので、フルロックの感覚を身につける必要があります。
そのためにも、純正よりやや減らしたほうが良いことが
多いです。(レプリカや切れ角が少ない場合は除く。)
モタードな土は大胆に減らしても問題ありません。
扱いきれる切れ角にしてあげることで、フルロックの感覚を
身に着けてください。
ちなみに回転時は絶対フルロックです。
フルロックを使わない回転とフルロックから落とし込む回転では
後者のほうがはるかに速いです。
切れ角の扱いはかなり難しく、技量のある人ほど切れ角が
多くても問題が起きません。切れ角が大きすぎると
回転時にマシンが立ってしまったり、
そもそもフルロックに入れられないと
いうことが増えてしまいます。最初はかなり減らして
バンクで曲がる感覚を見につけて、
徐々に増やしていくと良いでしょう。
その中で一番タイムが出せる切れ角を探してください。
カスタム
・タイヤのグリップ力
(ハイグリップタイヤorスポーツタイヤでも上位のもの)
正直これ必要か悩みましたが、
競技的にはグリップが必要となるため書きました。
ちなみにおれはB級までバイアスのスポーツタイヤで
走ってました(笑)。だって安いんだもの。
ハイグリップタイヤも良し悪しがあり、何より
あっためないとただのごみ。暖めている間に終わってしまう
こともあり、
そういう意味では温まりの速いシリカ系スポーツラジアルで
C1までは十分な気もします。
また、ハイグリップのグリップ力を本当の意味で
引き出してる人たちってA級と一部のB級くらいなので、
無駄にコストを掛けることをあまりお勧めしませんが、
グリップだけで選ぶならハイグリップが一番です。
ただし、グリップ力が純正から離れれば離れるほど
バランスが崩れます。SSだったら最初からハイグリップを
はくことを前提に作られていますが、最近の250みたいに
ちゃちなフレームにディアブロなんて履かせた日には
どんな恐ろしいことになるか想像できません。
ま、最悪フレームが折れるくらいだろうけどさ。
なので、最初に履いているグレードのタイヤ+一つ二つ上位の
グリップのタイヤを選択すれば十分だと思います。
・加速力(スプロケット交換)
ジムカーナでは加速力があったほうが有利といわれます。
実際その傾向は強く、ロードバイクは大体スプロケを
低速よりに変更します。ただし、ショートにすればするほど
乗りにくくもなるので、
大体2〜4丁くらいをショートにするくらいにしましょう。
そこから先の大幅な変更はまだ不要です。
これくらいまでやれば、
バイク持ってきて、自分なりにあわせて、
競技なりにほしいところをすこーしだけ強化した仕様となります。
アメリカンは無理でもその他のカテゴリーのバイクであれば、
これでほとんどC1まではあがれるでしょう。
できれば、その他⇒調整⇒カスタムの順で一つ一つ効果を
確認してから進めてください。セッティングの世界は
何をやったらどうなるのかを感じ続ける必要があります。
ロガーやタイムなどから客観的な結果を得ることはできますが、
最終的には自分の感覚が重要となります。
常にバイクからの情報を拾い集める感覚を見につけましょう。
今回はC1までに必要なセッティングをお届けしました。
いよいよ次回から、セッティングについて具体的に
考察した内容をお届けしたいと思います。
あくまで予定なので、長くなったら複数回に分けますが、
大まかな内容は以下になると思います。
内容は以下(予定)
3話 セッティングについて
4話 セッティングの順番
5話 エンジンセッティング
6話 サスペンションセッティング
7話 サス屋さんの進め
8話 軽量化
9話 タイヤ変更によるセッティングへの影響
10話 総括

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