今日22日、「
改正市街地活性化法」が施行されました。
地方の中枢都市でよく見られる市街地の空洞化現象は、今後の街づくりにおいて非常に重要な課題の一つとなっています。
市街地の空洞化というのは、街の郊外に大型商業施設などができることによって、市街地域の商店街やデパートなどが閉店し、人の流れが減少してしまう現象のこと。
マイカーの普及がこれを促進する原因となっています。しかし、郊外型店舗は自動車がないと利用できないので、高齢者や障碍者、未成年者など公共交通を主な移動手段としている人には利用しにくいのが現状です。
これを解決するために「コンパクトシティ」の形成をめざす動きがあります。区切られたある地域に、住宅・病院・学校・商店街など最低限必要なものを全てそろえ、都市内移動の距離をなるべく短くする手段の一つです。
今回施行された法律は、空洞化が進む地方都市中心部に共同住宅や商業施設を集めるというもの。要はコンパクトシティをめざすための法律だといえます。
地元、埼玉県の熊谷を例に取ってみます。
市街地東側の熊谷駅前には複合商業施設「ティアラ21」と専門店街「ニットーモール」、西側には「サティ熊谷」と「八木橋百貨店」があります。市の北側のバイパス沿いに郊外型店舗が集まるものの、商業施設について言えば市街地に集中しているものといえます。
ところが病院についていうと、駅前にあった外科病院は市街からバスで約10分ほどのところへ移転、しかもバスは市が運行する循環バスが一日に数本という少なさで、診察に合わせてバスを利用するのは相当困難になっています。駅から1キロほどのところにあった生協病院は、市街から5キロ以上離れたところへ移転しまいました。バス便はやはり市の循環バスのみ。この循環バス、一周が約2時間というとんでもない長距離バス。市の合併で循環バス路線を延長してしまったためにとても使いにくくなりました。
熊谷で病院の撤退が招いたのは、病院利用の不便だけではありません。駅前・商店街にはカラオケ店・風俗店が頻繁に出店、治安が悪くなりました。これに対処するため市で駅付近に図書館を設置する予定で、この周辺の出店制限をかけるようです。
「改正市街地活性化法」では市街地への病院移転費用の補助、共同住宅の建設費補助など市街地の活性化に加え、市町村が策定する活性化基本計画のうち、国が成果が見込めると認定したものに対しては重点的に支援をするというのが特徴です。
今月30日には改正都市計画法も施行されます。
これは大型店舗の出店規制、市街地の拡散を防ぐ法律です。
国の補助という点では8月4日に、LRT(鉄道研究部のブログ
http://green.ap.teacup.com/tdutekken/15.htmlを参照)の建設を国が先導して行うというのが発表されました。
2016年までに約10都市でLRTを整備する方針だそうで、来年度予算に3億円の開発費が計上される予定だそうです。
今年開業した富山ライトレールに加えて環状線計画のある富山市、建設計画が具体化している宇都宮市や堺市辺りが有力のようですが、2008年度以降に具体的な都市が決まるようです。まだ日本では研究途中の施策ですので慎重だと見えます。
個人的に予想すると、LRT導入都市としては、札幌、宇都宮、豊島区、豊橋、富山、金沢、京都、堺、岡山、広島、長崎あたりが導入候補になるのではと思います。

0