日本のテレビ・日本の裁判  テレビ番組

フジテレビ系の生活情報番組「発掘 ! あるある大事典U」で報道した
「納豆で減量」に捏造があったことが報道されています。
放送直後スーパーで納豆が売り切れ、
安井潤一郎衆議院議員も減量のために納豆を食べた、
とブログで書いていましたから、
影響力のある番組であったのに、
内容に嘘が混じっていたとは。

下請けの下請けのプロダクションが、
期日までに番組を作り上げなければならないために
実際発言していない教授の発言をでっちあげたり、
被験者の血液を実際には検査していないのにデータを作り上げたり、
というのだから、恥知らずにもほどがあります。

今のテレビは製作の現場が若い人に担われており、
若さゆえの甘い判断があふれています。
番組そのものも、
ただにぎやかでさえいれば番組が成立するような勘違いが横行しており、
ユーモアと悪ふざけの区別もできていない有様です。

取材の時も
すでにストーリーができていて、
その線に沿う素材集め
でしかなく、
事務局長もずいぶん取材を受けましたが、
あることを言わせよう言わせようと誘導するので、
カメラを止めて論争したことがあります。

黒豚についても、事務局長が提起した内容が
放送までの間に局面が変わったので、
「あの部分は使わないでくれ」と要望したのに、
当日、顔にモザイクをかけて放送
娘には「パパの顔はワイセツ物?」と笑われました。
もちろん抗議して、
上司が平身低頭謝りに来ました。

数年前に出たNHK特集の時は、
事前の打ち合わせで「この3点については必ず発言して下さい」と念を押され、
きっちり当日使命を果たしたのに、
いざ放送されてみると、
3点のうち1点だけ。
しかも、
「農林水産省の食肉鶏卵課長にこう申し上げた」
が、秒刻みの編集がされて、
「農林水産省にこう申し上げた」となっていました。
いろいろな配慮があったようです。

編集権があちらにあることを承知の上で出演したのですから、
裏話を言うのはアンフェアだと思い、
当時は口に出しませんでしたが、
もう時効だと思うので話します。

なにしろ当日は、
NHKらしい行儀の良い内容が
事務局長の登場シーンで突然がらりと雰囲気が変わって挑戦的になり、
事務局長が農林水産省の出演者を追い詰めると、
会場の一般消費者からは自然発生的に拍手が起こり、
事務局長がパネラーから退場する時には
大拍手喝采で送ってくれ、
「今のところ収録しなかったので、
もう一度撮らせて下さい」
とテイクをしなおすほど。
(でも、どちらも使われませんでした)

収録後、プロデューサー、ディレクターからは
「事務局長のおかげで盛り上がりました。
100点満点です」とほめられ、
女性評論家からは
「業界の方なのに、よくあそこまで発言なさいましたね」
と勇気をたたえられたのに、
当日は肝腎のところはカット。
「ずいぶん発言少なかったですね」
などと言われてしまいました。

あの時、良い体験したと思ったのは、
「緊張」と「プレッシャー」の経験をしたこと。
傍目には落ち着いて見えたようですが、
前にある水のコップを持つと、小刻みに震えています
「ああ、やっぱり緊張しているんだ」
と妙に感心したことを覚えています。

これがNHK的行儀良さの限界か、
と自分を納得させましたが、
それ以来は、
テレビや新聞は好きなところをつまみ食いされるので、
取材には応じない
ようにしています。

[映画紹介]

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周防正行監督、「Shall we ダンス?」以来11年ぶりの新作
今度は痴漢冤罪事件。
何で?
と思ったが、仕上がりはすっかりエンタテインメント。
2時間半をあきさせない。
綿密な取材に裏打ちされて、日本の裁判制度の問題点をえぐりながら、
それがいつでも自分の周辺で起こりうることだと分からせる。
裁判長が交代した途端に、
がらりと裁判の様相が変わってしまったり、
有罪の証明ではなく、痴漢事件は無実の証明をしなければならない理不尽さ。
その過程で出て来る、刑事や駅員の様々な嘘が哀しい。

特に、裁判長は被告の嘘にだまされまいと必死に闘っている、
だから、無罪である確証を欲しがっている、とか
無罪判決は検察の起訴を否定することであり、
それは国の行為を否定することであるから、
同じ国家公務員である裁判官にはなかなか難しい、とか、
有罪判決率99.9%が弁護士の逃げ道になっている、とか、
民事事件では弁護士ではなく、代理人にすぎず、
刑事事件こそ、真の弁護士たる場、とか
卓越した見解が沢山出て来る。

特に、最後の主人公の独白、
「真実は神のみぞ知るというが、
真実は (やっていない) 私自身が知っている。
裁判長を裁けるのは私だけだ」

という言葉は重い。
有罪であれ、無罪であれ、
「裁判長、あなたは間違っている」
「裁判長、あなたは正しい」
と言えるのは本人だけ。
恐ろしいことだ。

ためになって面白い、早々と今年の収穫。
5段階評価の「4.5」。


ところで、2年前、
事務局長は浅田満の牛肉偽装事件の傍聴で
大阪地方裁判所に頻繁に出かけて克明なメモを取りました。
同じことをやれと言われても、もう無理ですが、
近々控訴審が始まるようです。
近藤理事長は今度も行け、
と言うのですが、
あまり進展がないような気がして、迷っています。

ザ・ヒットバレード  テレビ番組

金曜・土曜のフジテレビのスベシャルドラマ、観ましたか?
「ザ・ヒットパレード」という、渡辺プロの渡辺晋さんの半生を描くもの。

事務局長はまさにその時代のテレビをリアルタイムに観ていた世代ですので、
興味深く観ました。
なにしろ、高校生の頃の月曜日の話題は、
土曜夜NHKの「夢で逢いましょう」
日曜夕方の「てなもんや三度笠」「シャボン玉ホリデー」
なんかが話題になっていましたからね。

今回のドラマで、
へえ、「大人の漫画」はそういういきさつで出来たのか、とか、
そうか、ザ・ピーナッツは「ザ・ヒットパレード」がデビューだったのか、
などと初めて知ることも沢山ありました。

脚本が矢島正雄ですから、しっかりした出来ですが、
いただけないのは、演技陣
渡辺晋役の柳葉敏郎、渡辺美佐役の常盤貴子、
どちらも時代を反映させないワンパターンの演技でへきえき。
常盤貴子って本当にヘタだねえ。
主役のコンビがこの出来の上に、
そのまわりの重要な役、すぎやまこういち役の原田泰造も
演技以前の問題。
青島幸男やハナ肇や植木等など随分現実とかけ離れたキャラに見えました。
中で伊東四朗演ずる植木等の父親の住職が一番よかった。
「スーダラ節」の歌詞を聞いて、ふ〜む、とうなるところなど、さすが。

後、時代とのからませ方が映像でさっさとすませるとはお手軽。
「フォレスト・ガンプ」を見習って下さい。
昭和20〜30年代の描写も
商店街、看板、オート三輪、市電など、
「三丁目の夕日」の影響を受けたワンパターン

「大人の漫画」を観る人々が腹を抱えて笑う描写などがあるから
リアリティがなくなります。
あれは、くすりと笑ったり、たまに吹き出すものもあったけれど、
全員が口を押さえて笑うようなものではなかったはずです。
タレビ創成期の時代の幼稚な産物でしかありません。

前に、古い番組のコントを観て
「いや〜、今観ても面白いですねえ」
などとコメントしているのに対して、
松本人志が「笑いは進化し、時代と共に変遷するんだから、
今観たら面白いはずがないじゃないか」
と噛みついていたが、
これは松本の言い分の方が正しいでしょう。
クレージーキャッツもドリフもコント55号も、タケチャンマンも
今観たらおよそ幼稚です。
(私は、シャボン玉ホリデーでやっていた、
「お父っつぁん、お粥が出来たわよ」という
コント好きですけどね)
エバーグリーンに笑えるのは
チャップリンとバスター・キートン位です

あれは体を本当に張って鍛練しているから、時代を超えてしまっています。

というわけで、
4時間もかけたわりには大味で、
その時代を知っている人間には興味深かったですが、
日本の役者の演技のレベルというか、質に
絶望した事務局長でした。




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