慰安婦裁判の影響  政治関係

慰安婦問題で日本に賠償を命じた8日の裁判は、
韓国新聞各紙が一面トップで報じ、
革新系メディアが「歴史的な判決」と意義を強調するなど、
韓国世論は歓迎しているようだ。

一方、保守系メディアは、
「韓日関係の突発変数」と、
日韓関係の更なる悪化の懸念も報じている。

その中で、異様に見える反応があった。
元慰安婦とその遺族ら20人が
日本を相手に1人当たり2億ウォン(約1900万円)を求めて提訴していた裁判の
13日に予定されていた1審判決が、
2日前になって、突然延期されたのだ。
ソウル中央地裁は「事件の判断のために追加の審理が必要だと判断した」
と説明するが、
既に結審されたはずの裁判で、
「追加の審理」とは何のことか。

一つの推測では、
「8日の判決とは異なる判決内容
(たとえば、日本が主張していた「主権免除」が適用される)
だったため、
審理を重ねる必要があると判断したのではないか」という見方がある。
もう一つの推測では、
「判決内容は同じだったが、
8日の判決を見て、その影響や実効性について
見極める必要がある判断したのではないか」という見方だ。

いずれにせよ、
8日の判決が13日の判決に影響を及ぼしたことは間違いない。
                                        
韓国の司法は、世論の動向や政治の方向性によって影響を受ける癖がある。
司法が成熟していないからだが、
世論や政府の動きで判決が変わるのでは、
「司法の独立」などあったものではない。

ただ、言えるのは、
8日の判決の結果、
韓国が新たな問題に直面して戸惑っているという点だ。
その証拠に、文さんの年頭演説では、慰安婦裁判については、
一言も触れていない。
判断を示さず、時間稼ぎをしているのだろう。

元々反日が社会を支配している国だ。
日本政府を相手取って、賠償を命ずる判決が出たのだ、
嬉しかったはずだ。
しかし、一時的に溜飲を下げたものの、
現実を見て、はたと戸惑いを感じたはずだ。

「賠償を命じたが、その実行は可能なのだろうか」

日本政府はこの裁判そのものを認めていない。
従って、賠償命令に易々と応じるはずはない。
ならば差押えだが、
韓国国内の日本政府の資産とは、
大使館や領事館の敷地・建物・自動車・備品など。
大使館資産の差押え、強制執行は出来るのか。

そこで立ちはだかるのが「ウイーン条約」だ。
正式には「領事関係に関するウィーン条約」
その第31条で、
「領事機関の公館の不可侵」が規定されている。
その4には、こうある。
「領事機関の公館及びその用具類並びに領事機関の財産及び輸送手段は、
国防又は公益事業の目的のためのいかなる形式の徴発からも免除される」


このウイーン条約に、日本は1983年に、
韓国は1977年に加入している。

つまり、韓国にある大使館、領事館の資産に、
韓国司法は手を付けられないのだ。

2018年の強制徴用賠償判決は、
日本企業が相手だったため、
差押えが可能だった。
しかし、今度は国と国の関係だ。
日本政府が当事者だ。
もし大使館の資産を差し押さえることなどがあれば、
国際問題に発展し、韓国の信用は下落するだろう。

かつて韓国内の米軍基地で働いていた韓国人被雇用者が、
不当解雇を不服として提訴した裁判で勝訴し、
執行されたことがある。
米国政府が韓国の銀行にプールしていたビザの手数料が執行対象となった。
最終的に米国政府がこれを認めたため、賠償金が支払われたが、
不当解雇の裁判と今回とは性質が違う。
歴史問題と解釈の問題である。

(国連の国家免除条約は例外を認め、
日本も同条約に加盟している。
例外について、
日本の「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律」は
国家の商業的取引や労働契約、不動産取引、知的財産取引などを挙げている。
今回の裁判が、これに該当しないことは明らかである。)

2015年の「慰安婦合意」は、
当時のオバマ政権の副大統領だったバイデン氏が
後ろ楯になった。
そのバイデン氏は、次の米国大統領だ。
バイデン氏が尽力した慰安婦合意を、
事実上破棄した韓国政府に対して批判する可能性もある。

類似した裁判では、
戦時中にドイツに捕らえられて強制労働させられたとするイタリア人が、
1998年、イタリアの裁判所に
ドイツを相手に損害賠償を求め提訴した裁判で、
ドイツは「主権免除」の立場を取り裁判却下を求めた。
しかしイタリアの最高裁は
「重大犯罪は主権免除の例外」として賠償判決を下した。
ドイツは2008年、
「この判決は国際法上の義務に違反している」として
国際司法裁判所に提訴し、
2012年、国際司法裁判所は
「ナチスの行為は国際法上の犯罪だが、
主権免除は剥奪されない」
として、ドイツ政府が主張した「主権免除の原則」を認めている。

しかし、その2年後の2014年、
イタリアの憲法裁判所は、
イタリアの憲法による補償されている裁判の権利を侵害しているとして、
国際司法裁判所の判決を違憲としてしまった。

仮に日本が国際司法裁判所に提訴して、
韓国が応じて敗訴した場合、
同様なことが起こるだろう。

つまり、果てしがないのだ。
戦争という異常事態の中起こった出来事を
国と国が見解の相違をぶつけ合えば、
不毛な争いになる。

戦争の問題は、平和条約が締結された時、
過去のことは不問に付す、というのが国際的に常識。
日本と韓国の場合は何か。
1965年の日韓基本条約を締結して、
国交正常化がなし遂げられた時にそれに当たる。
なにしろ、あの時、日本は韓国に残して来た資産の請求権を放棄している。
それだけの犠牲を払って国交を回復したのだ。
その上、当時の韓国の国家予算を越える経済援助をしている。
それも「過去の清算」のためだ。

過去は清算されたのだ。
55年も前に。
なのに、
半世紀前に締結した条約が反故にされ、
また蒸し返されようとしている。

日本と米国は戦争の傷跡を許した。
安倍首相は真珠湾で演説をし、
オバマ大統領は広島を訪問して慰霊した。

争いあった者同士が許し合う
それが人類の知恵だ。

過去にとらわれ引きずる韓国と、
その巻き添えをくらう日本。
もういい加減に韓国も
過去に囚われるのはやめたらどうか。


慰安婦裁判  政治関係

また韓国司法が暴挙をした。
元慰安婦の韓国人女性12人(存命中は5人。残りは遺族)が日本政府を訴えた裁判で、
原告の請求通り一人あたり1億ウォン(約950万円)を支払うよう
日本政府に命ずる判決を下したのだ。

問題点は2つある。

まず第1は、「主権免除」の問題。

主権免除とは、
主権国家は外国の裁判で被告にはならないという国際慣習法だ。
どんな国の政府も他国の裁判に従う必要は無いというもので、
他の国が、別の国の国内法で裁かれる、
ということが、おかしいというのは、
少し考えれば分かる。
つまり、今回の判決は、国際法に反しているのだ。

日本政府は主権免除が適用されるため、
訴えは却下されるべきだとの立場を、
韓国政府に伝えていた。

しかし裁判長は主権免除の適用を否定した。
「この事件は組織的に広範囲に強行された
反人道的犯罪行為であり、
国家の主権的行為といっても主権免除を適用できない」
と。
「人道的」を理由に、主権免除も時効も適用されないと。

日本政府は元々この裁判を認めていないので、
控訴はせず、2週間後、この一審判決は確定判決となる。
判決は仮執行を認めているため、
原告はいつでも韓国国内の日本政府の資産、
例えば日本大使館が所有する自動車やその他備品、
場合によって大使館職員の宿舎などの差し押さえを申請出来る。
一国の財産を他の国が強制的に差し押さえるというのだから、
只事ではない。
もし差し押さえられたら、日韓関係は破綻だ。

日本政府はすぐさま
「国際法上の主権免除の原則を否定し、
原告の訴えを認める判決を出したことは、
極めて遺憾であり、
日本政府として本判決は断じて受け入れられない」

と強く韓国政府に抗議した。

主権免除・・・
国際民事訴訟において、被告が国または下部の行政組織の場合、
外国の裁判権から免除される、という、国際慣習法の一つ。

この原則が確立したのは19世紀。
国家主権・主権平等の原則の下、
主権国家が他の国家の裁判権に属することはない、
という原則である。

かつてはすべての活動に対して裁判権の免除が認められていたが、
20世紀に入ると国家が営業的行為を行なうことも出てきたため、
そこまで認めてしまうと商行為の相手方に不利益になるため、
一定の事項のみを免除するという立場が出され、
現在では制限免除主義が有力となっている。

国家の活動はすべて裁判権から除外されるというのが、絶対免除主義だが、
制限免除主義では、
国家の活動を「権力行為」と「職務行為」に分け、
免除の適用範囲を前者(権力行為)についてのみ認めるとする。
免除の適用基準については
行為の目的に着眼するか、性質に着眼するかで異なってくる。
画一的な基準は見出すことが困難であるため、
裁判所の裁量による部分が大きくなってくる。

2004年には
「国家及び国家財産の裁判権免除に関する条約」(国連裁判権免除条約)が採択された。



第2は、国家間の条約や合意を覆している点だ。

日本政府は、
「慰安婦問題を含め、日韓間の財産・請求権の問題は、
1965年の日韓請求権・経済協力協定で
完全かつ最終的に解決済み」

また、慰安婦問題については、
2015年の日韓合意において
「最終的かつ不可逆的な解決」が
日韓両政府の間で確認されている」

とした上で、韓国政府に
国際法違反を是正するために適切な措置を強く要請した。

しかし、判決は、協定や合意は、                         
「被害をこうむった個人に対する賠償は含まれていない」
と一刀両断。

2015年12月の「日韓慰安婦合意」に基づき、
日本政府がすでに慰安婦らに対して
「心からのお詫びと反省」(安倍総理= 当時)を表明し、
10億円を拠出し、
元慰安婦の7割(47人中35人)が既に受け取っている。
金銭問題はすでに決着済なのである。
にもかかわらず、
原告1人にあたり1億ウォンの賠償支払いを命じた。
この際、原告の中に慰安婦合意の時の金を受け取った人がいるのかいないのか、
明らかにしてもらいたい。
二重取りは許されない。

元徴用工問題にせよ、慰安婦問題にせよ、
その内容に不足な点があったとしても
国民が選んだ時の政権が
懸案解決と関係改善のため条約、協定、合意を交わしたのである。
国と国の約束は
行政に限らず、司法も立法も順守しなければならない

日本政府から強い抗議を受けた韓国政府は、
「裁判所の判断を尊重する」と言っている。
いわゆる徴用工訴訟と同様に
「司法に介入しない」「裁判所を尊重する」
という立場だ。

その一方で、
「2015年の日韓合意は正式な合意だと想起する」とした上で
「建設的かつ未来志向的な協力を続けられるよう努力する」
とも言う。
意味が分からない。

文大統領を支える与党のスポークスマンは
日本の抗議に対し
「相変らず歴史を歪曲している日本政府に
失望感を隠すことができません」

とし
「被害者の呼び掛けを冷遇し、
一貫して図々しさを維持してきた日本政府が
この判決を契機に歴史を直視するよう願います」

とコメントした。
韓国の与党が、日本政府を「図々しい」と罵倒したのだ。
歴史を直視していないのは、韓国側であるにもかかわらず。

韓国社会には根強い反日思想があり、
裁判にも影響を与える。
司法へのあからさまな圧力が国会議員や世論からもたらされる中、
裁判官が「日本勝訴」の判決を出しにくい状況になっている。

そもそもこの裁判については、
朴槿恵政権時代の韓国最高裁幹部が
「主権免除、統治行為論
(国家による高度な政治判断は裁判で裁くべきでないという法理論)、
韓日慰安婦合意、消滅時効などにより難しい事件だ」

との認識を持ち、
「法理上(韓国の裁判所の)裁判権が認められる余地が少ない。
経済的波紋、対外的信任度など考慮すれば、
慰安婦個人の請求権は消滅したと判示することが相当だ」

との報告書が作成された事が明らかになっている。

13日も、元慰安婦ら20人が計約30億ウォンの賠償を求めた
訴訟の判決が予定されているが、
おそらく同様の判決が下されるだろう。

日本政府は、
国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討しているというが、
韓国側が応じなければ、裁判は成立しない。
韓国側は応じない理由を明確にしなければならないが。

今回と同種の裁判では、
イタリア最高裁が第二次大戦中にドイツで強制労働させられたイタリア人の訴えを認め、
ドイツ政府に賠償を命じた例がある。
その後、ドイツ政府は「主権免除」に関する国際法違反としてICJに提訴し、
2012年に勝訴した。

つまり、「主権免除」は国際的には常識なのだ。
しかし、今回の裁判はその常識を袖にした。
一度ならず、二度も国際法を無視され、
それも企業ではなく、国が賠償支払いを命じられたとなると、
今までより衝撃は大きい。
韓国に対する反感、嫌韓感情はピークに達するだろう。

結局のところ、元徴用工の問題も元慰安婦の問題も
根本的には同類、同質な問題なので
解決するには司法ではなく、
行政、立法による一括政治決着以外ない。

国際法をも顧みない今回の判決は韓国司法の自殺とも言える。

ここで、今回の裁判が、
個々の元慰安婦の主張の真実性には触れていない点も注目したい。
元慰安婦の主張の真偽は問うていないのだ。

よく「強制連行」と言われるが、
日本軍による強制連行は事実ではないことが
その後の調査で判明している。
そのため、慰安婦支援団体などは、のちに
「本人の意思に反した就業があったのだから、
“広義の強制性”があった」
などと主張を変えている。
朝鮮人慰安婦を集めていたのは主に現地の女衒たちだった。
彼らは貧しい農村などで親にカネを渡して婦女子を集めるなど、
人道に反するケースが当時の報道でも問題視されていた。
むしろ日本軍は、そうした不適切な慰安婦集めを取り締まるよう通達も出していた。

また、慰安婦支援団体である旧「韓国挺身隊問題対策協議会」が、
登録する慰安婦40人に対して聞き取り調査をしたことがある。
結果は、21名が自ら進んで慰安婦になっており、
19名は意思に反して就業したと証言したが、
そのうち15名は家が貧しくて親に売られたと話し、
残り4人のうち2人は富山と釜山に強制連行されたと主張したが、
どちらも戦地ではなかったので日本軍の慰安所はなかった。
つまり、嘘、又は勘違いである。
残り2人が日本でも何度も紹介された証言者だが、
どちらの証言も二転三転しており、
かつてはそれぞれ
「養父に慰安所に連れて行かれた」「朝鮮人が私を送り出した」
と話していたこともある。

「反日種族主義」には、
韓国人が嘘をつく国民であることが明記されているが、
元慰安婦の証言は信憑性が低い。
あるいは、嘘をつきつづけているうちに、
記憶が書き換えられて、本気で思っているのかもしれない。
それにしても、人生の最後を
虚偽にまみれて終わらせるのは、哀れに思える。

慰安婦問題とは、強制連行の問題でもなく、
性的暴行の問題でもない。
当時は売春婦は正式な職業で、貧困故にその職業を選んだ人たちなのだ。
元慰安婦たちの要求も、当初は「未払いの賃金を払え」というものだった。
しかし、この点については、徴用工問題と同様、
1965年の日韓基本条約とともに結ばれた請求権協定で
「完全かつ最終的に解決されたこと」とされている。
当時の日韓交渉の記録(1961年5月)も公開されているが、
その中で日本側は賠償金について、
「個人に対して支払ってほしいということか」と尋ねているが、
韓国側は「国として請求して、国内での支払いは国内措置として必要な範囲でとる」
と回答している。
つまり、日本は個人賠償を提案したが、
韓国が「国に対して払ってもらえれば、国内での支払いは自分たちでする」
と言い、日本は5億ドルをを支払っている(ほかに民間借款が3億ドル)。
それを今になって日本政府や日本企業に支払いを求めることは
明らかに協定違反であり、国際法の原則に反している。

今後日本政府がどのような態度を取るかだが、
今までのような「遺憾」や「抗議」では収まるまい。
国際法に違反し、
日本という国家に賠償を命じたのだ。
「宣戦布告」と同じだという説もある。

このまま甘い対応をすれば、先方は更に付け上がる。
何度となく約束を反故にし、
問題を蒸し返し、難癖つけてきたやり方はヤクザと同じだともいえる。
現金化を待たず、差押えが実行された段階で、
主権侵害に対して、
経済制裁など、
強い態度で出なければ、
次の選挙で自民党はそっぽを向かれるだろう。


アメリカ大統領選挙改革の動き  政治関係

以前、アメリカ大統領選挙の問題で、
州単位の選挙人獲得数で選ぶ方式は、
過剰な選挙戦術を生み、
また、総得票数の多い候補者が
大統領に選ばれない、という矛盾結果も生むので、
改正したらどうか、と書いた。

実際、直近5回の大統領選のうち、
2回の勝者(2000年のブッシュ(息子)と2016年のトランプ)は、
得票数では及ばなかったのに、
選挙人の獲得数で勝って当選を果たしている。
この「ねじれ現象」は、それ以前には米国の歴史を通じて
2回(1876年と1888年)しか起きていなかった。
今回の大統領選では、
バイデン氏が史上最多となる約7900万票を獲得。
得票率でトランプ氏に約3.6ポイントの差をつけた。 

こうした矛盾から、最近、選挙人団制度をやめて、
単純に総得票数で大統領を決める方式
に変えたらどうか、
という動きが広まりつつあるようだ。

「全国一般投票州際協定」(以下、「協定」)がそれで、
州内の集計結果にかかわらず、
全米の得票総数トップの候補が
その州に割り当てられた選挙人を獲得する、という方式。

たとえば、アリゾナ州で、民主党の候補が沢山の得票を獲得したとする。
現行方式では、
選挙人11人は民主党の候補に投票する人たちが選ばれる。
しかし、全米の投票の集計結果を待って、
共和党の候補の方が多数の得票を獲得したとすると、
共和党候補に投票する選挙人が選ばれることになる。

ただ、協定に参加した州だけがそうなるので、
その方式を採用する州が少なければ、
従来の方式と併存し、事態は複雑になる。
従って、この方式が発効するのは
加盟州の選挙人の合計が、選挙人(538人)の
過半数に当たる270人に達した時点と決められている。
発効後は、この協定を拒み従来通りの方法で選挙人を選出する州があろうとも、
全米得票数トップの候補者が270票以上の選挙人を得て確実に当選するため、
非加入州の得票は、実質、無意味になるのだ。

これまでに全米50州のうち
15州と首都ワシントンが賛同している。
最近、コロラド州で大統領選と同時に行われた住民投票で、
同州の協定加入が正式に決まった。
加入に関する州法は昨年成立していたが、
多数の反対署名が寄せられたことから、
改ためて住民投票を実施。
52%が加入に賛成票を投じた。

協定の推進団体によると、
ニューヨーク、カリフォルニア、イリノイなど
大規模州も既に加入しており、
コロラドを含めると、
加入州の選挙人の合計は196人
加入州が増えて発効すれば、
全米の得票でトップの候補が自動的に選挙人の過半数を得ることになり、
各州の選挙人制度は実質的な意味を失う。

そんな複雑なことをしなくても、
全米トップの候補者が大統領に就任、
憲法で決めればいいとは思うが、
改憲して選挙人団を廃止するには、
連邦議会上下両院での3分の2の支持と
75%の州の承認が必要になる。
反対の党(共和党は反対)、反対の州があれば、憲法は改正できない。
であれば、実質多数決で
この協定が発効すれば同じ効果、
ということのようだ。

ただ、共和党には慎重な声が強く、
反対派は選挙人制度が実質的に廃止されれば
「候補者は、有権者の多い都市部での運動に集中し、
小規模州の声を届けられなくなる」

と主張。
都市部に強い民主党が結果的に有利になると懸念する。

また、法律上の問題も多い。

たとえば、米国の「州際協定」は憲法上、
下院を通す必要があるという議論。
この協定は「全国一般投票州際協定」と、
「州際協定」という名前を使ってはいるが、
憲法上の州際協定なのかどうかが一つの論点になるのだ。

ならば下院を通してしまえばいいのではないか。

それも、憲法と連邦法と州法との優先制の問題がある。

他にも、
協定によって
大統領選出を全国の一般投票に事実上委ねることは
非批准州の選挙人票を意味のないものにする可能性があり、
州主権を犯す問題であるという考えもある。

上記の他、選挙人選出を全国投票に委ねる前例がないこと、
そもそも今までの設計では
全国投票を前提としない憲法運営がされていること、
憲法運営を根本的に変えるようなものは
憲法改正を経る必要があるという考えがあるため、
協定は憲法を
事実上変更させるようなものであるのかが争われる。

というわけで、この協定も、
法律上様々な問題点をクリアにする必要があるが、
米ギャラップの最新の世論調査によると、
現行の「選挙人団」制度について、
廃止を支持する米国民が61%にのぼっているという。
やっぱりアメリカの国民も「不合理な制度」と感じているようだ。

支持政党別では、民主党員の89%、共和党員の23%、
無党派の68%が廃止を支持しているという。

これだけの要望があるのなら、
制度変更は必然だろう。


ああ大統領選挙  政治関係

混迷を究めたアメリカ大統領選挙も、
少なくとも開票結果については、決着した。
バイデンの勝ち。

トランプは「不正があった」として、
裁判に訴えるつもりだが、
現在、トランプ側が主張しているのは、
風説や風聞によるもので、
具体的な証拠が示せないでいる。

仮にトランプ側の言い分が通ったとしても、
何万票ものバイデン票がトランプ票に変わるわけでもなく、
たとえばウィスコンシン州のように、
票差1%以下の州で合法的に再集計が行われたとしても、
2万票の差を覆すのは難しいだろう。

ここは、「いさぎよく」敗北を認めるべきだが、
そうしたいさぎよさは、日本では通用するが、
アメリカではそうでもないようで、
木村太郎がテレビ番組の中で、
「もういい加減に認めたらいいじゃないか、
往生際が悪いという人もいるけど、
往生際よくちゃいけないんですよ、米国は。
往生際が絶対的に悪い、
最後まで死ぬまで戦うのが米国の美徳」

と反論したという。
                                        
2000年の大統領選挙も裁判までもつれこんだが、
あれは、フロリダ州一州の集計で、
数百票という僅差だったので、
再集計の再集計をゴア側が主張したもの。
今度のように、
複数州での郵便投票での「不正」というのとはわけが違う。
トランプ側が民主党の「組織的不正」の具体的証拠を提示できない限り、
訴訟での勝利は困難だろう。
法廷での「徹底抗戦」については、
正当性や大義を欠き、世論の支持は広がっていない。

もしかすると、
トランプ側は、
ごね続けて、
選挙人投票の12月14日の期限を越えることを
目論んでいるのかもしれない。
12月14日と言っても、
連邦法の規定で選挙人投票の6日前、
すなわち12月8日までに選挙人を確定しなければならないとある。
勝者の決まらない州では、
11月3日の投票結果は
12月8日を過ぎると事実上無効になる。

2000年の混乱では、
この選挙人投票の期限が近づいたため、
手動再集計を主張していたゴア陣営が、
連邦最高裁判決を
「同意はできないが、受け入れる」
として、撤退した。

しかし、トランプは、
訴訟の数をこのまま増やして、
裁判所が12月8日までに
処理できないようにするという方針のようだ。

激戦州の結果が12月8日までに確定しなければ、
選挙人を州議会が選出するという連邦法の規定が適用される。
州議会が選んだ選挙人を、確定するのは知事で、
州議会と知事で政党がねじれている場合は、
州議会と知事が出してくる選挙人が違う可能性もある。

その場合、
連邦議会の上院と下院が、
州議会と知事が選ぶ選挙人のどちらに確定するかを判断するが、
今までそういうケースがなかったので、明確なルールがない。
また紛糾するだろう。

州議会でも選挙人を確定できない州があって、
12月14日に過半数の270人に満たない場合は、
来年1月6日に連邦下院が投票で選ぶ。

下院の投票といっても、全員が投票できるわけではなく、
1州1票。
連邦下院の議席数は民主党が多数派だが、
州ごとにすると、共和党優位の州が過半数だ。

従って、下院でトランプが指名される可能性は残されている。

しかし、その場合、大統領の正当性が疑われるし、
何より「民主主義国家」アメリカの威信が低下する。

そこまでやるかトランプ。
それとも、「名誉ある撤退」をするのか。
「予測不能」な人物だから分からない。

ただ、共和党下院が
先を見て結論を出し、
仮に下院で投票という事態になったとしても、
共和党はトランプを支持しない、
あるいは棄権すると先に宣言する手もある。
政党政治として許されるかどうかは不明だが。

実は、我が家では、私は「隠れトランプ」だった。
娘が4年前の選挙結果以来、トランプが大嫌いだったからだ。
それも政策によるのでなく、
「品性がない」「人格が悪い」という感情的なものだから、
いたしかたない。
私の方はトランプの対中国政策、中東和平政策などを評価しており、
経済政策も成功、
プロの政治家(政治屋)による予測可能な政治よりも、
予測不可能な政治の方が世界を動かすと思っていたからだ。
だから、選挙結果に娘が一喜一憂して、
「パパ、ジョージアが逆転したよ」
などと報告して来るのを内心、
忸怩たる思いで聞いていた。

しかし、今回のことで、アメリカの選挙制度の問題が露呈された。

第1に、各州ごとに「選挙人を選出」、しかも一方の総取り制度。
なにもそんなおかしなことをしなくても、
投票総数で決めればいいじゃないかと思う。
だから、4年前のように、
投票総数ではヒラリー・クリントンが上回っていたのに、
選挙人の数でトランプが勝利、などということが起こる。
投票総数で決めれば、
「あの州は堅い」「あの州は危ない」などと、
各州を「取った」「取られた」などと
作戦を立てる必要がないだろう。

しかし、これも長い間の歴史と伝統があり、
「州取りゲーム」、
一種のお祭り騒ぎなので、なかなか変えられないだろう。

第2に、「郵便投票」締め切りのお粗末
投票当日必着にしておけば、
今度のような未決着の期間が長引く、
などということはなかったはず。
当日消印有効のために、
未到着分を最長で11月13日まで待つ、
などという事態が起こる。
それも、アメリカの郵便事情によるものらしく、
日本なら、1日か2日、遅くとも3日で届くのが、
アメリカでは1週間もかかるということか。

第3に、集計作業のお粗末
あまりにも遅すぎる。
日本のように、投票日の翌朝には、
ほぼ決着がついているのを見ていると、
どんな開票作業なのか見てみたくなる。
その上「不正」があると、
国のトップである大統領自身が言うのだから驚く。
選挙の不正なんて、
発展途上国のことだとばかり思っていた。

第4に、「世論調査」の問題
世論調査ではバイデン圧倒的有利、と伝わっていた。
ところが現実には接戦となった。
結果的にバイデンが勝っても、
「圧勝」と「接戦」では違う。
世論調査が信用できないことが明らかになった。

そして、第5にマスメディアの問題
アメリカのメディアはおおむね左系で、
反トランプキャンペーンを張った。
報道は公正であるべき、というのはアメリカでは通用しないようだ。
そのキャンペーンの中、
接戦にまで持ち込んだトランプはなかなかのものではないか。
どうも左系メディアは、
世論調査の結果を「願望」を加えて強調していた節がある。
トランプ時代に人種差別や貧富の格差が拡大した、と言うが、
選挙では、黒人票、ヒスパニック票、アジア系票の全てで、
4年前よりトランプの得票率が上がっている。
この現実をどう見るか。

そのアメリカメディアの報道を鵜呑みにして、
バイデン有利と報道していた日本のメディアも同じだ。

ただ、言えることは、トランプには「運」がなかった
4年前にもトランプ当選を予言していたある人が、
「トランプには、あれほどのマイナス報道を跳ね返す運があった」
と言っていたが、
今回は新型コロナがトランプには逆風になった。
コロナがなかったら、トランプは楽勝だった。
「運」がなかったとしかいいようがない。

そして、候補者の年齢の問題
バイデンは来年の就任時78歳。
「史上最高齢の大統領」だ。
歴代大統領で就任時最高齢だったのは、
ロナルド・レーガンの69歳で、
任期満了時でさえ77歳だった。
トランプは74歳。
こちらも就任時70歳で最高齢だった。
あれだけ「機会平等」の国で、
もっと若い、未来を託せる候補者はいなかったのだろうか
欧州の指導者が軒並み若返っているというのに。
フランスのマクロン大統領は42歳、
カナダのトルドー首相は48歳。

もっとも、日本の菅首相は71歳。
麻生副総理80歳。
二階自民党官房長官は81歳。

トランプは敗れたとはいえ、
7千万人が投票している。
つまり、対立は深まっているということだ。
娘は、暗殺があるのではないかと心配している。
バイデンが殺されたりしたら、どうなるのだろうか。

中国は強硬なトランプから
やや融和型のバイデンに期待しているが、
トランプは、あと2カ月は大統領。
「最後の狂気」を見せることへの警戒感も持っているという。

私は民主党(アメリカの)に対して、
口先ばかりで実行力のない政党と疑問符をつけている。
(そういう意味では日本の民主党と同じだ)
オバマ政権でこりごりした。
バイデンは、その時の副大統領だ。

後継政権の常で、
前政権の否定が横行すれば、
中国政策、北朝鮮政策にも変化が起こり、
今後の4年間で、
再び中国の台頭を許すのではないかと危惧している。


自民党総裁選  政治関係

自民党総裁選挙が終了。
予想通り、菅さんが選ばれた。
377票(議員票288、地方票・党員票89)は得票率70.6%だから、
圧勝と言っていいだろう。

岸田さんは、地方票で10票しか取れなかったが、
議員票で上乗せして、89票の第2位。
得票率は16.7%。
菅票が20票、分け与えられた、
などということを言う人がいるが、
根拠を示せ。

石破さんは、地方票で42票取ったものの、
議員票が26票(うち石破派19票)で、
第3位の計68票。得票率は12.7%。

マスコミの事前報道では、
石破さんのことを
「国民的人気が高い。地方に強い」
と言っていたのが、この結果だ。

これについては、
↓のようなネットの意見が正論。

地方で人気、国民に人気と
騒ぎ立てまくったマスメディアは説明責任をどうぞ。
いつも政権に対しあなた方が
説明責任と追及してるんですから。
本当にマスコミは自分達の希望、
願望物語を作りあげて報道するのはやめてほしい。

マスコミがあれだけ地方に人気があると推していた石破氏3位。
議員票も期待できないなか、
党員票もこの状況では、
いくらマスコミが援護射撃をしても空砲にしかならない。
今までの数々の裏切りのツケが来たのではないですか。

いかに石破が不人気なのかが良く見えた選挙だった
マスコミがいくら焚きつけても、
残念ながら、ここ数年の
党を裏切る悪意ある行動が評価を下げ、
総裁として如何にも不適切だと見透かされていたということになる。

安倍首相の辞任の後、
あれよあれよという間に菅さんが本命になったのは、
安倍政権の継承、という大命題に、
議員も党員も賛同したということ。
ここで間違って石破さんにでもなったら、
前任者・安倍政治の全面否定が始まってしまうところだった。

慰安婦問題に関して
「それでも(日本は韓国の)納得を得るまで
(慰安婦に)謝罪し続けるしかないだろう」
と発言するような人物が総裁にふさわしいだろうか。

韓国がGSOMIAの破棄を決定した事に関して
「わが国が敗戦後、
戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが
多くの問題の根底にあり、
さまざまな形で表面化している」

と主張するような人物だ。

韓国の言いなりになってしまう。

せっかく安倍政権が
韓国に是々非々でのぞみ、
土下座外交をやめたのに、
時計の針を巻き戻してしまう。

新元号が「令和」に決定したことに関しても
「違和感がある。『令』の字の意味について
国民が納得してもらえるよう説明する努力をしなければならない」

と言うような国民の受け止めと違うことを言う人物だ。
このよう人物が「国民的人気」があっただとは、
とうてい信じられない。

コロナで苦しむ安倍首相に対して、
後から銃弾を撃ち込むような真似をし続けた。
こういうことを日本人は、嫌う。
自民党議員は、そういうことをしっかり見ていた。
議員たちも馬鹿ではない。

石破さんは、
何故議員たちの支持を得ることができないのか、
一度反省してみたらどうだろうか。
自派の19票に7票しか上乗せ出来なかった事実を
正面から捕らえてみる必要がある。

一年前、
菅さんが総裁になるなどと予想した人は誰もいなかっただろう。
その流れが変わったのは、
菅さんなら、安倍首相の政策を引き継いでくれると思ったからだろう。
菅さんが立候補したのも、
その思いがあったに違いない。
元々、ナンバー2であっても、
トップになるタイプではない人だ。
次の総裁候補が育ってくれば、
潔く身を引くと思われる。

私は菅さんの経歴について、
あまり知らなかったが、
調べてみると、
外見とは違う、硬骨漢であると分かる。
安倍さんの路線を引き継ぎながら、
一味違うものを出してくれればと思っている。

一つだけ注文。
記者会見の時、目線が下にあるので、
自信がなさそうに見えて、損だ。
目線を正面をしっかり見据えてもらいたい。
誰か助言できる人はいないのか。





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