小説『神の値段』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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「このミステリーがすごい!」大賞受賞作

モダン・アートの人気作家・川田無名は、
アメリカにで修行して人気が出、
日本に帰国して相手にされなかったが、
ギャラリーのオーナー、永井唯子と組んでから、
爆発的な人気を博する。
しかし、謎の人物で、
人前に姿を見せず、
唯子とアトリエのディレクター、土門正男としかつながりがない。
既に亡くなっているのではないか、という説さえある。
しかし、定期的に作品は生みだされている。

唯子のギャラリーに勤める佐和子は、
薄給に絶えながら、唯子の魅力に惹かれて勤めている。
そんな時、一枚の絵がギャラリーに持ち込まれる。
それは縦2m横3mの大作で、
1959の制作年。
無名がニューヨークに在住の時の作品である。
この作品には、中国人富豪のラディが買いたいと申し出ていた。
秘められた作品の存在は、じきに美術界に知れ渡ることになる。

美術界のパーティーに唯子と共に出た佐和子は、
唯子の夫である佐伯に出会う。
唯子の活動を金融面でサポートしているのだという。

そのパーティの夜、
絵を保管している倉庫で唯子が殺される。
警察が捜査するが、
唯子が最後に会っていた人物は特定できない。
無名と会っていたらしいという状況もあり、
無名が重要参考人ということになるが、所在が知れない。

佐和子はアトリエに出かけ、
無名から毎月一定の時に指示を受けて
アトリエのメンバーが作品を制作していた事実を知る。

そして、唯子が亡くなるより前に出されていた指示により、
1959年の作品は
香港でオークションにかけられることになるが・・・

という美術界を舞台にしたミステリー
門外漢の私だが、
作家の最初の作品の販売を担当するプライマリー・ギャラリーと
それらの作品を二次的に取り扱うセカンダリー・ギャラリーがあり、
セカンダリー・ギャラリーでどんな高値がつこうとも、
作家には一銭の金銭的見返りがないことなど初めて知った。
また、個人のコレクターと
投機で扱う者たちの存在、
更に、美術品の見本市のようなアートフェアと呼ばれている行事が
毎週世界のどこかで開催されている、
という興味深い事実も知った。

つまり、知ることのなかった美術界の状況について
目を開かれる内容で、
そういう意味で知識欲は満たされる。
オークションの情景も興味津々だ。

ただ、ミステリーとしては、
展開に興味が続くわけではない。
犯人は早々に割れるし、
犯人を追い詰める仕掛けも少々弱い。

ただ、今までにないジャンルで、
原田マハとはちょっとおもむきが違うので、
それを評価されたのだろう。





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