『世界のニュースを日本人は何も知らない』  書籍関係

[書籍紹介]

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著者の谷本真由美さんは、
1975年、神奈川県生まれ。
国連その他、日本、イギリス、アメリカ、
イタリアなどで就労経験があり、
現在はイギリス人と結婚して、ロンドン在住
ツイッターでは有名な人らしい。
その国際的観点から、
日本人の情報欠如について、警鐘を鳴らす。

目次は、つぎのとおり。

序 章 日本人はなぜ世界のニュースを知らないのか
第1章 世界の「政治」を日本人は何も知らない
第2章 世界の「常識」を日本人は何も知らない
第3章 世界の「社会状況」を日本人は何も知らない
第4章 世界の「最新情報」を日本人は何も知らない
第5章 世界の「教養」を日本人は何も知らない
第6章 世界の「国民性」を日本人は何も知らない
終 章 世界の重大ニュースを知る方法
おわりに すべては日本人のこれからのために


というわけで、まるで日本人全体が
世界に目を閉ざした無知蒙昧な国民だといわんばかりだが、
この人にとっての「世界」は「欧米」のことで、
逆に欧米から見れば、アジア各地のことを何も知らない
ということになるだろう。
                                        
日本人が世界に目を開かない原因として、
著者は二つをあげている。

第1は、日本のメディアが非常に閉鎖的であること
第2は、そもそも日本人は海外のニュースに興味を持っていないこと

それでもアメリカ大統領選挙のことは日本でも大々的に報じたし、
イギリスのEU離脱のことも詳細に報じられた。
ヨーロッパに押し寄せる難民のことなどは、
日本人だって、ちゃんと知っている。

世界のことを何もかも知らなければ悪いわけではないし、
第一、そんなことは不可能だ。
人間にとっては、一番大切なものは家族や職場や地域のことで、
それ以外の遥か遠くで起こっていることを知らないからと言って、
悪というわけではあるまい。
                                        
ただ、政治家や経済人など、
しかるべき立場の人は、
世界に向けてアンテナを立てていなければならないので、
その人たちの責任は重大だが、
かならずしもそれらの人々のアンテナが鋭敏でないところが、
日本の不幸といえるだろう。

というわけで、
この人の書き方は、少々上から目線で、
あまり感じのいいものではない。
しかし、さすがにイギリス在住だけあって、
EUの現状については、なかなか面白い見解があった。

たとえば、EUが「町内会」みたいだという指摘。
アメリカに対抗して、国境も事実上なくし、
人と物の流れを自由にしたのはいいものの、
その結果、イギリスやドイツのような豊かな国に
どんどん人が集まってまい、
貧しい南部や東部が過疎化した、とか。

もともと文化も経済レベルも異なる、
完全なる異国の集合であった欧州で、
連邦政府制度のようなことをするのは
ちょっと無理があった。

                                        
また、日本人が世界に目を開かない結果、
日本が世界からどう見られているかも知らない、という。

少子高齢化で下り坂を転げ落ちつつある国だと
酷評されていることも、
失われた20年間で
十分予測できた課題への対策を怠った国として、
他の先進国からたいへん厳しい視線を送られている


そうは言っても、
日本は他の先進国と比べても、
経済や文化や安全は素晴らしいし、
GDP世界第3位の国であることは変わりない。。

著者も日本は素晴らしい国だと言っている。

大半の国に比べると
こんなに恵まれた国はありません。

こんなに少ない自己負担額と健康保険料で、
迅速で質の高い医療を提供する国はほとんどないのです。
アメリカなどは医療費が莫大な金額で
自己負担額も大きいし、
しかも、きちんとした健康保険がある大企業に勤めていない限り、
日本レベルの治療を受けることはできません。

そして、日本ほど治安がよく先進国もありません。

流通革命や価格破壊が進んだ日本では、
激安だけど良質な製品があふれているし、
他の国なら価格が5〜6倍もする品物が、
100円ショップにずらりと並んでいます。

生活に困れば日本には生活保護もあります。
市役所の人は賄賂を要求するわけではないし、
条件を満たしていれば
きちんと生活保護費が出ます。

進学率も日本はトップクラスです。
日本の高校進学率の高さは、
先進国の中でも驚異的な数字で、
さらに、日本は大学進学が最も容易な国で、
学費が北米やイギリスよりはるかに安いのがその理由の一つです。
また合否についてですが、
日本では、親の資産やコネなど関係なく
大半は平等に合否が決定します。

著者は移民が日本を救う道だと強調し、
異なる人種が交わった方が創造性が上がる、
などと利点を上げる。
しかし、そういう利点ばかりをあげても仕方あるまい。
移民について、日本人が心配するのは、
母国で食い詰めた人々が移って来る結果、
移民のレベルが低く、
マイナスが増えることを心配するのだ。
日本に移住した人々にも生活保護を適用しなけれはならないし、
健康保険も適用しなければならない。
日本は天国のような国なのだ。
そして、移民を受け入れるということは、
その子孫たちにも日本が保証するということだ。

難民問題で揺れるヨーロッパは、
良い反面教師だ。
そもそも難民が生ずるのは、
母国の政治に問題があるからなので、
それを解決する方が先決だろう。

移民についての意見には同意できない。

イギリスはパブの文化だと思ったが、
その昔からのパブがどんどんつぶれているという。
その原因が「ビジネス税」。
ビジネスで利用する不動産の評価額に対してかかる税金で、
たとえばロンドンの中心地、ピカデリーサーカスのレストランは、
評価額が高く、年間1495万円も税金を払わなければならない。
(本当か)
従って、中心街から、レストランがどんどん郊外に撤退しているという。
(狂った税制だ)

イギリス人の大半は借金まみれで、
その多くは住宅ローンとクレジットカードローン。
2018年6月のイギリス一般家庭の平均借金額は819万円
しかも、初めて家庭の支出が収入を上回ったという。
(大丈夫か。イギリス人)
クレジットカードローンは、
踏み倒す人があまりに多いため、利息は高い。
さらに「ペイデイローン」というのは、
少額だが、利子が異様に高い。
年利1000〜6000%。
たとえば年利5000%で
14万円を12カ月借りたら、利息だけで700万円になるという。
(本当に、大丈夫か、イギリス人)
日本のように
「払いすぎた利息を返す」などというのはないらしい。
                                        
などなど、
世界には知らないことがまだまだ沢山ある
ということを知らしめてくれる本だった。





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