小説『イシマル書房編集部』  書籍関係

[書籍紹介]

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満島絢子(みつしまあやこ)は、
OA機器会社を辞めた後、
沢山の出版社への就職に失敗したあげく、
神保町のすずらん通りにある
イシマル書房のインターンとして雇用される。
実家は印刷業。
祖父は活字工で、叔父は製本屋。
いずれも本に関わる職種。
絢子も一日平均2.75冊という速読術を持つ、本の虫だ。

ようやくインターンで時給扱いとはいえ、
出版社勤務にこぎつけた絢子だが、
現状を知り、驚く。
イシマル書房は経営に行き詰まり、
ITがらみの会社の子会社と化していた。
しかも、業績が改善されなければ、
パチンコメーカーへの身売りも検討されているという。
1年以内に15万部のベストセラーを出さなければ、
それが現実になる。

起死回生のため、
ベテラン編集者のインターンを募集するが、
それにひっかかってきたのが、
豊富な編集経験を持ち、今は引退している岩田鉄夫だった。
躊躇する岩田だったが、
石丸社長の出版に対する情熱に惹かれて力を貸すことにする。
その腹案は、かつてのベストセラー作家で、
ある出来事のために筆を折り、
今は官能小説で糊口をしのいでいる島津正臣(まさおみ)に
新たに歴史小説を書いてもらうという案だった・・・
                                        
出版不況ということは知っていたが、
石丸社長を通じて語られる出版界の現状はなかなか厳しい。

今、日本にある出版社は4千社。
そこから年間8万点の新刊本が出る。
1日200冊
店頭には2週間しか並ばないし、
売れない本はすぐに返本される。
取り次ぎ店を通すと、
3割が取られ、
しかも決済は7カ月後。
その間の資金繰りが難しい。

それを避けて、イシマル書房では、
書店との直取引をしているという。
宣伝費もかけられないため、
嗅覚の鋭い書店と読者を相手にするしかない。

そういう典型的な零細出版社が打つ新たな方策は・・・

という困難な話を、
絢子の目を通して、
石丸とその妻(実は離婚している)の美代、
岩田、島津らの行動を描く。
零細の出版社が情熱をかけてベストセラーに挑む。

こんなにうまくいくはずがない、と思いもするが、
そこは小説。
一種の成功物語として読んでみれば、面白い。
そして、最後の下りでは、
少し泣かされる。

平岡陽明らしい、
人情小説。


記録映画『オクトパスの神秘:海の賢者は語る』  映画関係

[映画紹介]

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南アフリカ共和国製作のNetflixオリジナル・ドキュメンタリー

クレイグ・フォスターは、海洋カメラマンだが、
仕事の重圧から心の病を抱える。
それを癒す為、南アフリカの海に毎日潜ることにする。
海草が繁茂する浅い海の美しい光景に
クレイグの心は海の神秘に取り憑かれていく。

クレイグは、不思議な光景に出会う。
それは、貝の殻を身にまとったタコの姿だった。

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興味を覚えたクレイグは、
毎日タコの巣穴を訪問するようになる。
最初警戒していたタコだったが、
ある日、心を開き、クレイグに触れてくる。
二人の間に友情が芽生えたのだ。

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クレイグはそのタコを「彼女」と女性格で呼ぶ。
もはや愛情と呼ぶべきかもしれない。

クレイグの観察したタコの生態は驚くべきものだった。
実はタコは高度な知性と知能を備えており、
周囲に対する観察の蓄積が、
その生活を豊かなものにしていた。
時には魚の群れと戯れたりする好奇心も発揮する。

Expediaによれば、
タコは高い知能を持っており、
一説には最も賢い無脊椎動物であるとされている。
形を認識することや、問題を学習し解決することができる。
密閉されたねじぶた式のガラスびんに入った餌を視覚で認識し、
ビンの蓋をねじって餌を取ることができる。
身を守るためには、保護色に変色し、地形に合わせて体形を変える、
その色や形を2年ほど記憶できることが知られている。
人間が割って捨てたココナッツの殻を組み合わせて
防御に使っていることが確認され、
「無脊椎動物の中で道具を使っていることが判明した初めての例」として、
イギリスの科学雑誌に掲載されたこともある。
二枚貝の貝殻や持ち運び可能な人工物を利用して
身を守る様子が紹介されてもいる。

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しかし、海は捕食の連鎖だ。
タコ自身もカニなどを捕食するし、
天敵のサメには足を引きちぎられたりする。
体が癒えるまで、タコは巣穴にこもりっきりになる。
タコはじっとして動かない。
(タコにもまぶたがあり、目をつぶる)
やがて、足が再生し、クレイグとの交流も再開した。

サメに追われる時のタコの行動が圧巻。
海草を身にまとって擬態し、
最初に出会った時のように、
貝たちを周囲に巡らしての姿も見せる。
時には、サメに追われて逃げるために、
岩場に上陸したりする。(これは驚いた)
サメとの闘いは、タコがサメの背中に乗ることで安全が確保される。

タコの寿命は1年
ある日、クレッグは彼女が雄のタコと交尾しているのを発見する。
そして、卵を生み、じっと動かずに、卵を守って酸素を送り、
孵化するのを見届けて、命を終える
他の魚についばまれ、
最後はサメがくわえて、海草の向こうに消える。

そして、クレイグの息子は海で、
小さい子ダコを発見する。
時期と場所から見て、
彼女の子どもだろうと、クレッグは推測する。

驚くべき映像が次々と続くドキュメンタリー。
何より、クレッグとタコの関係が、
深く絆になっていくことに驚かされる。
クレイグは朝も夜も彼女のことを考え、
もうこれは、人間とタコの恋愛物語かと思える。
時には、クレイグに抱きついたりする行動も見せる。
不思議な不思議な光景だ。

感心したのは、タコがサメに襲われたり、
ヒトデに囲まれたりしても、
クレッグは一切手を出さないことだ。
その行為が、その場の生態系を損なうことを恐れたのだ。

そして、心を病んだ男が、
タコとの交流を通じて、癒されていく。
誰がそんなことを考えただろうか。

1時間25分、
一瞬の遅滞もなく、
画面に惹きつけられ、
心が揺り動かされ、
涙がこぼれる

見事な見事なドキュメンタリー。

これを見たら、もうタコは食べられないだろう。
(食べるけど)

監督はピッパ・エアリックジェームズ・リード
クレイグはウェットスーツさえ着けない、素潜りで、
当然カメラマンはボンベを着けているだろうが、
どうやって撮ったんだろうという映像が続く。
ドローンを使った高所からの撮影も見事。

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音楽も素晴らしい。
グレイグ自身による語りもいい。

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今回のアカデミー賞では、
長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされている。
取ってほしい。
ラブミークレイジー! 科学映画祭、シネマ・アイ・オナーズ賞、
批評家選出ドキュメンタリー賞、科学・自然ドキュメンタリー賞
などを受賞。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/3s0LTDhqe5A


タグ: 映画

仙台堀川公園の桜  身辺雑記

桜の季節は、
毎年、どこかに出かけていますが、
今年は、日本科学未来館に置いてあった、
このパンフレット↓で、

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↓ここへ。

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東西線東陽町駅で降り、

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四ツ目通りを北上、

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10分ほどで、この景色。

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仙台堀川(せんだいぼりがわ)は、
旧中川と隅田川を結ぶ運河のひとつ。
北岸にあった仙台藩邸の蔵屋敷に
米などの特産物を運び入れたことから
この名前が付けられました。

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今では、埋め立てて仙台堀川親水公園として整備されています。
総延長は3700メートルで、
都内最大の規模を持つ親水公園です。

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桜は満開。

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それ以外にも、いろいろ見る物があります。

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でも、今日は、やはり桜。

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いろいろな道路をくぐります。

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寒椿も咲いています。

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また、桜。

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これは、釣り堀。

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私には釣りは合わないと、ある時悟りましたが、
海や山や川で自然の中で釣りをするのなら、まだ分かりますが、
釣り堀での釣りは、もはや理解の外です。

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その後は、丸八通りを南下。

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あ、古本屋だ。

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こんな立地で成り立つのでしょうか。
もっとも、最近の古書は、ネットでの販売が多いようです。

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それにしても、毎朝、本を並べるのも大変でしょう。

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途中迷い込んだ商店街で、

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氷屋さんに遭遇。

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電気冷蔵庫が普及する前は、氷で冷やしていました。
路地から聞こえて来る、
氷を切るのこぎりの音に
清涼感を覚えたものです。

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南砂町から浦安経由で帰宅。

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よい満開の桜でした。
来年はどこに行きましょうか。


『疫病2020』  書籍関係

[書籍紹介]

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新型コロナウイルス発生からの事象を細かく追い、
中国と日本と世界の有り様を検証し、本質を抉る
門田隆将によるノンフィクション。
コロナ禍はほぼ1年がたったが、
渦中にあって見えなかったものが、
この人の手にかかると、
見事に整理され、本質が明らかになる。
当代一流の書き手と言えるだろう。

焦点は4つ。

第1は、中国による初期対応の過ち
というより、隠蔽という犯罪行為。
影響力を行使して、WHOのパンデミック宣言を遅らせることにより、
世界への拡散を許した、
共産党体制の中国の病巣を深くえぐる。
特に、ごく初期に新たな感染症の危険を訴えた医師たちの
声を圧殺し、隠蔽に走った経緯が見事に解明される。
また、都市閉鎖の命令から実行までの時間差が
病気の拡散を全土に広め、
かつ外国にも拡散した事実。
「人から人への感染は確認されていない」という
中国の誤った情報のWHOへの提供と
WHOの踏襲の背景に隠蔽があったことに
今更ながら怒りを覚える。

新型肺炎は、「まず情報隠蔽」という
共産党の体質が生んだ“人災”だと考える人間は多い。
若き愛国者(告発した医師たちのこと)を死に追いやり、
それでも隠蔽や情報統制だけは忘れない独裁政党。
この体質を改めないかぎり、
SARS、新型コロナに次いで、
今後を必ず世界の災厄が生まれ続けるだろう。


第2は、侵入を防いだ台湾の成功例
武漢で謎の病気が発生したことへの対応が世界中のどこよりも早かった。
その根底には、
隠蔽国家・中国への深い不信感があったと思われる。
それと、迅速な対応を生んだ政治の体質。

台湾では、「まず実行」し、
「あとで修正」し、
人々がそれに「従う」のである。
なにより重視されるのがスピードなのだ。
日本との決定的違いがそこにある。
ああでもない、こうでもない、と議論し、
日本では与野党でお互いが足を引っ張りあい、
さらにお金を出し渋る官僚が悪知恵を吹き込み、
結局、何も決まらない。


第3は、日本政府のお粗末さ
その根底にあったのが、
習近平の国賓招聘に向けての忖度と
オリンピック開催に向けての躊躇があったことを鋭くえぐる。
当時、春節を向かえた中国の観光客が
数多く日本を訪れていたことを思い出すと、
今更ながら、震える思いがする。
1月だけで、史上最多の92万人の中国人が日本を訪れた。
当時、中国からの入国者を止めろという、
自民党内部からの声にも耳を貸さなかった。
国会では、コロナ問題は誰も口にせず、
「桜を見る会」の追究に明け暮れていた。
また、「たいしたものではない」という厚生労働省官僚の判断の甘さと、
それを信じた安倍政権の危機管理能力のなさを指摘する。
「国民の命を守る」という官僚の務めを放棄した
厚生労働省役人の“不作為の罪”を糾弾する。
危機に対しての反応は、
ほとんど本能的なもので、
台湾の指導者にはそれがあったが、
日本の指導者にはなかった不幸。

第4は、日本国民の対応の見事さ
強制でもない自粛に従い、
拡散の防止につとめた。
日本の対応がことごとく失敗だ、と批判していた海外メディアも、
死者数の少なさに瞠目し、不思議がった。
それには、国民の中に根づいた清潔への習慣と、
すぐれた医療従事者の活躍があった。

勝利したのは、「政府」ではなく、
やはり「国民」だったのだ。


最初決まった生活困窮者への30万円の給付が
全国民対象の10万円給付に逆転した経緯に、
創価学会第6代会長の原田稔(78)の要求であったことを
初めて知った。
この人物は池田大作に代わる創価学会の“絶対権力者”であるという。
今から思うと、あの政策転換は妥当だったわけで、
そういう意味で、この人物の危機意識の方が正しかったことになる。

中で、官僚の中国に対しての甘い体質の根源にあるものが、
中国を怒らせると面倒だから、
中国には逆らわない

という行動様式だという指摘はうなずける。
中国に睨まれたら、悪い情報を上司にあげられてしまう、というのだ。
それは韓国にも同じで、
韓国はやり過ぎたから、
政府の方針も変わったが、
中国に対しては、やはり変わらない。
なにしろ、親中派の二階氏を幹事長に戴いているのが自民党なのだ。

また、中国の研究所での実験動物の死体が売られている、
という指摘も、心を寒くさせた。
                                        
研究所が発生源──そんな指摘をする人々は、
こういう研究現場の実態を熟知しており、
武漢で起こった新型コロナウィルスによる肺炎が
とても自然発生などではあり得ない、
という前提に立っていることがおわかりいただけるだろうか。


また、コロナを契機に、
中国の国民に対する情報把握が進んだことも恐ろしい。
また、習近平の権力が盤石になったことを伝えられる。
コロナの失敗を理由に、
反習派が一層され、習の“皇帝化”が進んだという。
尖閣での領海侵犯などは、その皇帝に対する“忠誠合戦”だという。

「別にこれらは習近平の直接的な指示じゃありませんよ。
日本人は誤解していると思いますが、
そんな細かなことを皇帝は指示したりしません。
巨大な軍や公安が、それぞれ勝手にやっていることです。


コロナ後、中国人の欧米に対する失望と反発が高まっているという
指摘も恐ろしい。
                                        
「やっぱり今は、アメリカがおかしい、
アメリカをやっちまえ、という雰囲気の方が強いですね。
国民が、アメリカではなく、
共産党の方に怒っているというのは、感じません。
むしろアメリカに弱気な態度をとるな、
という方が強いですね」
中国は、普遍的価値ともいえる人間の「自由」や「人権」というものを
経験したことがない国である。
そのため、これを求めて戦う人々の
信念や気持ちをまったく理解することができないのだ。


その結果が、2020年3月の
「中国に感謝せよ」との中国の発言だ。
謝罪も悼みもない、開き直った姿勢。
中国が「異形の国」であることをあますところなく表した発言だった。

中国は、なぜこんな国になってしまったのだろうか。

これからの世界は、
「中国」という爆弾を抱えていくだろう。

ほぼ最後の下りに、こう書く。

コロナ禍で日本が露呈した
国家としての膳弱さは、
筆舌に尽くしがたいものだった。
日本は、感染症と戦うための「何も」持っていなかった。
そもそも感染症対策を担うべき厚労省に
「情報」も「心構え」も、「ノウハウ」も「信念」も、
本当に“何もなかったのである。


この指摘は、
とにかく政権批判していればことが足りると思っている
一般のメディアの姿勢とは一線を引くものだ。

この本で扱うのは、2020年5月まで。
その後の安倍首相の辞任、菅政権への継承や
GO TOキャンペーンの是非、
変異ウィルスの登場などは触れていない。
続編が待たれる。

それにしても、短期間で
よくこれだけの著作をものにしたものだ、と感心する。


映画『ザ・ホワイトタイガー』  映画関係

[映画紹介]

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Netflix配信インド映画。(アメリカと合作だが、実質インド映画)

ホワイトタイガーとは、
「一代に一回しか姿を表さない」存在。
主人公のバルラムになぞらえる。

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バルラムはカーストの低い農村部で生まれた神童で、
英語をすらすら読んでみせて教師を驚かす。
しかし、がめつい祖母のせいで、
学校をあきらめ、単純労働で働かされていた。
何とか村を抜け出す手を考えていたバルラムは、
運転手になれば仕送りが出来ると祖母を説得し、
村を脱出する。

うまく地主の家に入り込んだバルラムは、
凶悪な長男にいじめられながら、
抜け目なく立ち回り、主人からの信頼を得ていく。
頭の回転が速く、要領がいいのだ。
そして、陰謀を巡らして次男の運転手に収まる。

次男のアショクはアメリカ在住の経験があり、
妻のピンキーもアメリカ育ちであったことから、
平等意識の持ち主で、
なにかとバルラムを取り立ててくれた。
アショクたちと同行した大都会デリーは、
バルラムの野心を育ててくれる。

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しかし、酔って運転し、
子どもをはねてしまったピンキーの身代わりに
パルラムが事故を起こしたことにさせられる。
使用人は一生使用人で、
地主たちは使用人のことを人間だとは思っていない。
アショク夫妻もそれを受け入れてしまったことで、
バルラムは衝撃を受ける。
そして・・・

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インド映画なのに、
インドの暗部を遠慮なく描くことに驚かされる。
暗部とは、カースト制貧富の差搾取
地主は下の者を人間とも思わず、搾取しまくる。
アショクとピンキーは反発するが、
それが当然の地主と長男は歯牙にもかけない。
使用人たちもそれを当たり前と思って卑屈な態度を取る。

多くのインド人は生まれた瞬間から
カーストによって人生に順位がつけられ、
使用人としてこき使われる立場に疑問を持たない。
そんな理不尽を当然と受け入れ、
誰もが「ニワトリの檻」からは抜け出そうとしない。
バルラムは、「私たちの99. 9%は檻の中にいる」と語る。
どんな理不尽なことをされても、反抗しない。
主人を裏切れば、家族が殺されるからだ。
家族のしがらみを時に鬱陶しく感じている。
成り上がるためには、善人であることを捨てなければならない。
アメリカ文化の染みついたアショクとピンキーだったが、
事故を契機に見せた本性は、
やはり上から目線であった。
その現実を見たバルラムはある計画を立てる。

そこから先は書かないが、
なかなかの内容で、驚かされる。

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イギリスで最も栄誉ある文学賞ブッカー賞を受賞した
アラヴィンド・アディガのベストセラー小説を映画化。
日本語題は「グローバリズム出づる処の殺人者より」

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このたびのアカデミー賞の脚色賞にノミネートされている。

「ドリームホーム 99%を操る男たち」(2014)などの
ラミン・バーラニがメガホンを取った。
バルラムをアダーシュ・ゴーラヴが演じている。

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全編映画的緊迫感に満ち、パワーにあふれている。
先が読めない展開も興味深い。
                                      
予告編は↓をクリック。
 
https://youtu.be/VsdWt8RpX3A

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