映画『マグダラのマリア』  映画関係

[映画紹介]

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2018年のイギリス・アメリカ合作の伝記映画。
新約聖書に登場するマグダラのマリアを主人公とする初の映画。
日本未公開(ビデオでは発売)で、Netflixで視聴。

「マグダラ」とは、地名で、
ガリラヤ湖沿いの町マグダラの出身であるために
「マグダラのマリア」と呼ばれたとするのが通説。
聖書の中ではイエスの母マリアをはじめとして、
複数のマリアが登場するので、このように区別される。
ちなみに、イエスというのは、当時ありふれた名前だったので、
イエスは出身地の「ナザレのイエス」と呼ばれる。

福音書では、マグダラのマリアは
「イエス・キリストが十字架にかけられるのを見守り、
イエスが埋葬されるのを見届け、
そしてイエスの復活に最初に立ち会った人物」
とされる。

聖書には、「姦淫の女」というのが出て来る。
姦淫の現場を捕らえられ、
民衆により石打ちの刑に処されそうになるが、
そこに現れたイエスが群衆に、
「罪を犯したことがないと思う者は、最初に石を投げよ」
と言ょたため、誰も石を投げることができず、
イエスは女に、
「あなたの罪は許された」と言って去る。
マグダラのマリアはこの「姦淫の女」と同一視されるが、
聖書的根拠はない。
また、「ダビンチ・コード」をはじめとし、
マグダラのマリアはイエスと結婚し、
子供をもうけた、
という話があるが、
これも、全て根拠のない風説である。

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本作では、マグダラのマリアは、
ガリラヤ湖の漁師の娘、とされている。
奇矯な行動により、
父親により悪魔払いをほどこされたりするが、
イエスに出会って、心が解放され、
盲目の癒しや死者の蘇生という奇跡を見てイエスに付き従い、
イエスが復活した際、最初に出会った人物として描かれる。

洗礼(川の中に倒れ込む方法)を男性が施すことに、
女性が躊躇することから、
マグダラのマリアは洗礼の際の女性担当になる。(新解釈)

マリアとユダの交流も描かれる。
ユダは既に死んだ妻と娘に
イエスの神の国の到来と共に再会することを望んでおり、
その期待を裏切られたことがユダの離反になったとされる。(新解釈)

この「神の国の到来」については、
弟子たちも同様で、
イエスの行動に失望する。

聖書の記述とは時系列的に違う部分が多々ある。
また、最後の晩餐には、
イエスの隣にマリアが座る、などという描写もある。
(ダ・ビンチの「最後の晩餐」に

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イエスの側に寄り添う女性的な人物がいるが、
それがマグダラのマリアだという説がある。

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その反映か? 位置も同じ。

だが、「最後の晩餐」はイエスと12弟子が描かれたもので、
その女性的風体の人物は、
イエスの最愛の弟子であるヨハネだというのが定説。)

というか、
最後の晩餐の場面にはイエスを含め10人しか出て来ない。
何故?
また、ユダが裏切るというイエスの言葉は省略。

ゲッセマネの園で襲われた兵士に殴られてマリアは気を失い、
めざめた時は、裁判も終わり、
イエスは十字架の横木を背負わされて
処刑場に向かっている、という省略ぶり。

イエスの復活をしたマリアの証言を
弟子たちが信用しない、なんていう描写もある。

イエスは「マリア、お前は私の証人だ」というセリフもあり、
「神の王国は、私たちの中にある」と言う。
「対立や破壊によって作られたものも
愛や許しによって自由になれる」
「王国はここにある」

という言葉もある。
「私たちが変わらないと、世界は変わらない」とも。
そのあたりが、この映画で言いたいことか。

イエスの生涯をマグダラのマリアの視点で描く
というのはユニークな発想だが、
マリアがイエスの何に共感したのかがはっきりせず、
マリアの視点ならではの
新しい解釈はなかった。
従って、描写は平板で、
感動は薄い。

マリアはルーニー・マーラーが、

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イエスをホアキン・フェニックスが、

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ペテロをキウェテル・イジョフォー

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演ずるという豪華版だが、
配役が生きたとは言えず、
宝の持ち腐れの感あり。
ホアキンのイエスは、宗教的指導者というより、
狂信者に見える。

監督は「LION ライオン 25年目のただいま」(2016)のガース・デイビス

最後に字幕で、
「591年、グレゴリウス一世が
マリアは娼婦だったと主張、
その誤解が今日も残っている。
2016年、マグダラのマリアは
イエスの復活の証人として
使徒と同等の地位を認められた」

と出る。
更に、エンドクレジットの後に
「本作は脚色を交えつつ
マグダラのマリアの物語の本質を描いた」

と出るが、言わずもがな。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/RqSbfUOVw4M

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