映画『レベッカ』  映画関係

[映画紹介]
 
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ご存じ、アルフレッド・ヒッチコックの名作の再映画化
1938年に発表されたイギリスの作家、
ダフニ・デュ・モーリエの小説を原作としている。
10月28日、Netflixオリジナル作品として配信されたばかり。

両親を亡くし、天涯孤独の主人公「わたし」は、
傲慢な金持ちヴァン・ホッパー夫人の旅行付き人として
見下されるのに耐えながら、モンテカルロのホテルにやって来る。
そこでイギリスの富豪マキシム・ド・ウィンターと出会い、
恋に落ちる。
マキシムは1年前にヨットの事故で前妻レベッカを亡くしていた。

「わたし」は、マキシムの後妻として、
英国北部マンダレイにあるマキシムの家へ行き、
想像を越える大邸宅に気遅れする。
多くの使用人がいる邸宅の女主人として
生きなければならなくなるが、
不遇な境遇で、人に使われたことはあっても
使ったことのない「わたし」には、
戸惑うことばかりで、
何かと前女主人のベレッカと比較されているのを感じ、
前妻レベッカの、見えない影に精神的に追いつめられていく。

中でも、レベッカ付きの使用人で、
邸宅を取り仕切るダンヴァース夫人はレベッカを崇拝しており、
その冷たい視線に耐えなければならなかった。
舞踏会の衣裳でダンバース夫人の奸計にはまった「わたし」は、
ダンバース夫人に「あなたはレベッカにはなれない」と言われ、
自殺さえそそのかされる。

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舞踏会の夜、沈没していたヨットが発見され、
レベッカの死体が出て来て、
前に流れ着いた死体を
マキシムが確認して既に葬られていたことから、
改めてレベッカの死因が調べられることになる。
レベッカの従兄で愛人だったジャックは
マキシムによる殺害の可能性を主張する。
マキシムを問い詰めた「わたし」は、
レベッカの死の真相に触れ、
マキシムを助けるため、
力強い女性に変身していく。
それは、レベッカの呪縛から解かれることだった。

できあがりは、そこそこ
邸宅の造形と周辺の自然は前作を越える。
ただ、「わたし」が追い詰められていく過程の
サスペンスフルな描写に欠ける。
それこそが原作のキモなのにもかかわらず。
批評家の批評に、
「ベン・ウィートリー版『レベッカ』は造形美こそ実に素晴らしいが、
原作小説を古典たらしめたものを掴み損なっており、
その存在意義を正当化できているとは言えない」

というのがあるが、まさに、そのとおり。

監督はベン・ウィートリー
「わたし」はリリー・ジェームズ(「ベイビー・ドライバー」「シンデレラ」)、

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マキシムはアーミー・ハマー(「君の名前で僕を呼んで」)、

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ダンヴァース夫人はクリスティン・スコット・トーマスがつとめる。

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リリー・ジェームズは、それなりの作り方だが、
マキシムが惚れるだけのことを納得させる美しさに欠ける。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/w-BLM9GBdfU


気になるので、ほとんど忘れかけている
ヒッチコック版「レベッカ」(1940)を再見した。

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英国で活躍していたヒッチコックが
ハリウッドに招かれて取り組んだ渡米第一作。
アカデミー賞では、
作品賞、撮影賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、助演女優賞、
脚色賞、美術賞、作曲賞、編集賞、特殊効果賞
など11部門にノミネートされ、
最優秀作品賞・撮影賞(白黒部門)の2部門を受賞した。
ヒッチコック作品唯一の作品賞受賞作だが、
監督賞は逃した。(監督賞は「怒りの葡萄」のジョン・フォードが受賞)
その後、ヒッチコックは監督賞に4度ノミネートされるが、
(「救命艇」「白い恐怖」「裏窓」「サイコ」)
ついに受賞には至らなかった。

「わたし」を演ずるのは、
ジョーン・フォンテイン(オリヴィア・デ・ハヴィランドの妹)、
マックスはローレンス・オリビエという
超美男美女の豪華版。

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特にジョーン・フォンテーンの美しさは、
作品に納得性を与える。
やはり、主人公は美人でないと。

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再見すると、さすがはヒッチコックのサスペンス。
「わたし」がレベッカの見えない影に怯え、
劣等感と疎外感に苛まれる経過は見事としかいえない。
また、白黒映像ならではの光と影、そして霧の効果が素晴らしい。
特に、マキシムによって語られるレベッカ死の真相の場面の
カメラワークはさすがのひと言。
作品中、ついにレベッカの姿はただの一度も画面には出て来ないが、
マンダレイ全体を覆うレベッカの幻影を作り出している。

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なお、新作と違うところは、
マキシムがレベッカを殺していない点で、
レベッカは自分で転んで頭を打って死んだことになっている。
また、不治の病か分かったレベッカは、
マキシムが自分を殺すように仕向けた、
ということになっている。
この部分は新作では触れていない。
医師のカルテを盗みに「わたし」が
医院に忍び込むのは、新作の展開。

小説は作者自身によって舞台化されており、
2006年には、ミュージカル化もされている。
「エリザベート」「モーツァルト! 」を製作した
脚本・作詞のミヒャエル・クンツェ
音楽のシルヴェスター・リーヴァイが共同で製作。
ウィーン発のミュージカルで、
ブロードウエーでは計画はあったが、上演に至らなかった。
アメリカ人にはウィーン発ミュージカルは合わないみたいだ。

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日本では2008年4月6日にシアタークリエのオープニング・シリーズとして初演、
2010年3月から大劇場バージョンとして帝国ホテル他が再演。
その2回ともわたしは観ており、
そのブログは↓をクリック。

ミュージカル「レベッカ」

「レベッカ」再演

(当時のブログは組織のものだったので、その点、ご容赦)
                                        
ミュージカル版「レベッカ」には、
タイトルロールのナンバーがあり、
相当強烈な印象を残す。
この歌を聴くためにだけ、このミュージカルを観るという人がいるくらい。

韓国版のオク・ジュヒョンの大迫力の歌唱は、↓をクリック。

https://youtu.be/p4pP_G_Mus0

ウィーン版の歌手の歌唱は、↓をクリック。

https://www.nicovideo.jp/watch/sm2098860

訳詞付き。

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