映画『透明人間』  映画関係

[映画紹介]

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ユニヴァーサル映画の
昔のホラーをリメイクする路線の一つ。
原作はH・G・ウェルズの1897年の小説だが、
1933年の映画のリブドーの形を取っている。

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透明人間を題材にした映画は数多いが、
なぜか日本では東宝と大映が数作作っている。

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光学関係の天才科学者で富豪のエイドリアンの恋人セシリアは、
支配欲の強いエイドリアンに束縛される毎日に嫌気がさし、
豪邸から逃げ出して、
幼なじみのジェームズの家に身を隠す。
やがてエイドリアンの兄で財産を管理するトムから、
エイドリアンがセシリアの逃亡にショックを受けて
自殺したと告げられ、
莫大な遺産を相続したことを告げる。

しかし、ジェームズの家で暮らすセシリアの周辺に異変が起こり、
シーツが何ものかに踏まれたり、
指の跡が残った薬の瓶があったり、
妹に仲違いさせるようなメールが送られたりする。
セシリアは「エイドリアンは自殺するような人間ではない。
彼ほどの優秀な科学者なら自殺を偽造するくらい容易なはずだ。
彼は今もどこかで私を見張っているのではないか」
という疑念に取り憑かれている。
もしかしたら、それらは全てセシリアの妄想かもしれない・・・。

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[以下、映画を観る予定の方は、読まない方がいいでしょう。]

前半は、透明人間の存在は、
セシリアの妄想ではないかと疑惑の展開だが、
後半、透明人間の存在が明らかになる。
その発覚場面はなかなか秀逸だ。

やがて、新たな殺人事件が起こり、
精神病院に収容されたセシリアに
エイドリアンの毒牙が迫る・・・

透明なままのエイドリアンに
行動せざるを得なくさせて、
存在を特定する手段も秀逸。

そういう意味で、いろいろと工夫が満載している、
今までにない透明人間映画だといえる。

また、最後の一ひねり、二ひねりも、
観客をうまく誘導する。

「ゲット・アウト」などのジェイソン・ブラムが製作を担当。
「ソウ」の脚本家のリー・ワネルが監督。
B級感漂う映画だが、
新機軸が明らかになるにつれ、
才人が作った作品だと分かって来る。
今までの薬を飲む等によるものではなく、
カメラと発光体を全身スーツに織り込み
背景と同じ映像を投映することにより「見えなく」するという仕掛け。
(後述)

ただ、難点はキャスティング。
セシリアを演ずるエリザベス・モスは、
ゴールデングローブ賞のテレビ部門の主演女優賞を受賞し、
トニー賞にもノミネートされたことのある実力派だが、
いかんせんビジュアルが・・・

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中年の我の強いおばさんにしか見えないのが難。
この役は、エイドリアンが執着するほどの美人でないと。
その上、観客が同情し、感情移入できるキャラでないと。
そういう意味で、美人で魅力的な一流女優が演じたら、
作品の格が一層上がっただろうに。
7百万ドルの制作費では無理か。
ボックスオフィスでは初登場1位になるほどの作品なのだから、
誰か出資してくれる人はいなかったのか。

エイドリアンとセシリアの過去については一切触れていないが、
二人の過去の恋愛などを上手に織り込めば、
エイドリアンの執着も表現できただろう。
なにしろ、自分を自殺にみせかけてまで、
セシリアの近くに存在したがるような執着心なのだから。

ものすごい音量の音楽が効果的。
ベンジャミン・ウォルフィッシュが担当。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/GGIJ6h5uS7g

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なお、透明人間は、
「人から見えない存在でありたい」という
人類の願望を果たすキャラクターの一つで、
H・G・ウェルズのSFを待つまでもなく、
様々な神話に登場する。
日本でも天狗の隠れ蓑がある。
「ロード・オブ・ザ・リング」では、
リングをはめると存在が消え失せる。

ただ、科学的には難しいようだ。
体自体を透明化させようとしても、
鉄分を含む血液は透明化できず、
血管だけが見えるという不気味な人間が現出する。
ヘモグロビンから鉄を除去して透明にすると
酸素が送られなくなり窒息死してしまう。
透明化ができたとしても、
光の屈折によりその人がいる場所の向こうの背景が歪み、
屈折による反射で体周辺が光ってしまう。
光の透過により透明化すると
眼球に入った光が網膜に映し出されることができず、
透明と同時に盲目になってしまう。
まあ、こんな事柄を挙げて論証するのは野暮ですが。

現実に研究されているのは、
体表面での反射を工夫し存在感を隠す光学迷彩という手法がある。
2003年に東京大学において、
背後の風景を投射することで光学迷彩を実現するコートを発表した。
(もっと他に研究する題材はなかったのか)
光学迷彩の技術を応用して
ぴったりしたスーツに超小型カメラと
ディスプレイを投影させる装置をモザイク状に体に身に着け、
背後のカメラで撮った風景を前面のディスプレイに映し出す方法。
今回の映画「透明人間」は、その方式の応用と思われるが、
装置は重く、動きが取れないだろう。
また、精密機械のため、
ちょっとの損傷で機能が低下すると思われる。
(繰り返しますが、野暮ですね)


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