映画『オフィーリア 奪われた王国』  映画関係

[映画紹介]

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シェイクスピアの「ハムレット」を
ハムレットの恋人、オフィーリアの側から描く
という意欲作。

オフィーリアを演ずるのは、
デイジー・リドリー

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そう、あの「スター・ウォーズ」新シリーズで
レイを演じたフレッシュな女優さんだ。
「スター・ウォーズ」以外は出演作は数えるほどなので、
まだ新鮮なうちに、
シェイクスピア作品のスピン・オフ作品に出るというのは、
好企画だし、選択は正しい。
ただ、この人、
口の形が時々下品になる。

物語の前半は、前日談で、
貧しい出身のオフィリアが
どうやって王妃の侍女になったか、
ハムレットとどのようにして恋に落ちたかが描かれる。

そして、先王(ハムレットの父)が毒殺され、
その王の死に疑問を持ったハムレットによる復讐物語となって、
本来の「ハムレット」に戻る。

誰でも知っている有名な作品を
別の角度から描く、
というのは、よくある手だが、
「ハムレット」に関してはまだなく、
斬新さが期待された。

しかし、出来映えは、
オフィーリアの側から描くという意図が
有効に生かされたわけではなく、
平凡な出来に終った。

というより、妙な改変がされていて、
「ハムレット」を愛する人にとっては、
トンデモ作品になっている。

以下、どんな風に改変されたかを述べるが、
実際にこの作品を観て、
驚きたい方は、
以下は、読まないで下さい。

まず、

○オフィーリアは大臣ポローニアスの娘のはずだが、
貧しい平民の出身、となっている。
ガートルードに気に入られて侍女になる。

○原作では、ハムレットが先王の亡霊と会って、
毒殺されたことを告げられるのだが、
その亡霊の場面はなし。
オフィーリアのもたらした「魔女」の情報により、
ハムレットは毒殺の疑いを抱く。

○この「魔女」、実は森の奥で営業する毒薬使いで、メヒティルトといい、
原作にはなく、この映画の創作人物
ナオミ・ワッツが王妃ガートルードとメヒティルトの両方を演ずるように、
このメヒティルトはガートルードと姉妹関係(双子)。
それだけでも驚くのに、
ハムレットの叔父クローディアスの子供を妊娠、流産していて、
村人に追われた際、毒薬を3滴だけ飲んで仮死状態となり、
生き延びたという過去がある。
クローディアスが先王を殺す毒薬は、メヒティルトから入手する。

○ガートルードは先王が亡くなってから、
王位を継承したクローディアスと結婚するのだが、
先王の存命中から不倫を匂わせており、
オフィーリアに目撃されている。

○オフィーリアはハムレットではない別の男と結婚させられる。

○改変ではないが、ハムレットは最後までチンピラみたいで、
これは演じたジョージ・マッケイ(「1917 命をかけた伝令」の主役)のせいか、
苦悩する王子、という雰囲気はなし。
従って「to be, or not to be 」というセリフの場面はない。

○他の有名なセリフ「尼寺に行け、尼寺に」
はあるが、字幕では「修道院に行け」となっていた。
「尼寺」とはニュアンスが違う。

○母のことを言う「弱き者、汝の名は女なり」はない。

○オフィーリアの錯乱は、相手の目をくらます偽装ということになっている。

○最後のくだりで、
クローディアスを殺すのはハムレットでなく、ガートルード。
クローディアスの胸に深々と刀を刺して殺す。

○ガートルードは毒入りの酒を誤って飲むのではなく、
クローディアスを殺した後、
毒薬をあおって死ぬ。

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○そして、最大のびっくりは、
オフィーリアは川に流されて溺死する前に
毒薬を3滴飲んで、仮死状態になり、
ホレーショウへの謎かけ言葉で棺桶を開けてもらう。
(「ロミオとジュリエット」の応用?)

○その後、修道院に逃れて、
そこでハムレットの娘を産んで
平穏に暮らす。
うへ〜。

というわけで、
「ハムレット」を大胆に脚色、
といえば、聞こえはいいが、
名作のエッセンスを生かせず、
ただ変えただけでは思いつきの範囲。

ナオミ・ワッツは無駄使いだし、
クローディアスのクライヴ・オーウェンも精彩なし。
監督は女性監督のクレア・マッカーシー

2018年の作品だが、
出来が悪かったせいか、
日本では未公開。
WOWOWで放送された後、
DVDになった。

なお、オフィーリアは画家の題材として魅力があるらしく、
いろいろな芸術家によって描かれている。

一番有名なジョン・エヴァット・ミレイの作品。

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ポール・アルベール・ステック

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ウジューヌ・ドラクロワ

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ジュール・ジョゼフ・ルフェーブル

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マーカス・ストーン

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アーサー・ヒューズ

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ジョルジュ・クレラン

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トマス・フランシス・ディクシー

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アレクサンドル・カバネル

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