映画『アイリッシュマン』  映画関係

[映画紹介]

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チャールズ・ブラントが2004年に発表した
ノンフィクション作品「I Heard You Paint Houses」を原作に、
全米トラック運転手組合「チームスターズ」とマフィアに関わり、
アイルランド系アメリカ人であることから、
「ジ・アイリッシュマン」と呼ばれた
実在の殺し屋、フランク・シーランの生涯が語られる。

1950年代のフィラデルフィアで、
食肉を運ぶトラック運転手だったシーランは
1955年、ペンシルバニア州北東部のマフィアのボスである
ラッセル・ブファリーノと知り合って運転手となり、
殺人を含む仕事をラッセルのために引き受け始める。

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ラッセルはシーランを、
全米トラック運転手組合の長であるジミー・ホッファに紹介し、
ホッファは、シーランをボディガードとして、
家族ぐるみで付き合うようになる。

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1960年にジョン・F ・ケネディが大統領となると、
その弟のロバート・ケネディが司法長官となってホッファを追求し始める。
ホッファは年金積立金不正使用の罪で逮捕収監される。
後継のフィッツシモンズは組合の年金を
マフィアに過剰投資し始める。
ホッファは1971年、
ニクソン大統領によって特赦で釈放されるが、
もう一度組合の覇権を取り戻そうと、
暗躍を始めるが・・・

というわけで、マフィアとの抗争を
アメリカの歴史を縦断する形で描く。
従って、60年代、70年代の様々な事件が横軸で描かれる。
ケネディの大統領就任、ビックス湾事件、ケネディ暗殺、
ウォーターゲート事件
も出て来る。

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描き方も独特で、
老人ホームに入居したシーランの一人語りの形式を取りながら、
ラッセル夫婦と共にフィラデルフィアの結婚式に向かう
車の旅の進行と並行して、過去が語られる。
旅を描くのは、その行き先で、ホッファーの暗殺に関わるからだ。

1975年年7月30日、
ホッファーは消息を断って二度と戻らず、
1982年に死亡宣告された。
様々な告発と憶測と陰謀説があふれたが、
その一つで、シーランは自分がホッファーを銃撃し、
死体の処理は他の人間がした、と告白したが、
この映画は、その説に基づいている。

マフィア同士の意地の張り合いからくる
子どもじみた取っ組み合いの喧嘩など、
総じて、登場人物は我欲に満ち、
公的なものを尊重しない公私混同の
小さな人間として描かれる。

マフィアたちの末路が人物の上に字幕で示され、
ことごとく、ろくな死に方をしていない。
天寿を全うしたのは一人くらい。
ラッセルも刑務所で病死する。
シーラン自身は生き延びたものの、
娘にそむかれて会うことも出来ず、
老人ホームで死を待つばかりの姿だ。
映画は神父に告解した後のシーランが
「ドアを開けたままにしてくれ」と頼み、
そのドアの向こうのシーランの老残の姿で終る。
闇の世界で権勢をふるった者たちも、
年老いれば、ただの老人。
その現実の残酷さ。

監督はマーティン・スコセッシ
シーランを演ずるのはロバート・デ・ニーロ

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ホッファーはアル・パチーノ

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ラッセルをジョー・ペシ

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他にハーヴェイ・カイテルも顔を覗かせる。

全員70超の老優揃い
(スコセッシ77歳、デ・ニーロ76歳、ペシ76歳、
 パチーノ79歳、カイテル80歳)
だが、
アメリカの俳優の年輪が伊達ではないことを証明する。
画面には存在感と演技の力があふれ、
一瞬も目をそらさせず、
3時間半の上映時間があっという間に過ぎる。

監督のマーティン・スコセッシにとって
本作の映画化は長年の悲願であったが、
製作費の高騰などで、困難となり、
製作権と配給権が転々とし、
暗礁に乗り上げたかに見えたが、
Netflix が1億500万ドルの出資を表明したため、製作が続行。
2019年11月1日にアメリカで限定的に劇場公開されたのち、
11月27日にNetflix で配信された。
                                        
巨匠がNetflix の力を借りて製作した作品、
既にゴールデングローブ賞の作品賞・監督賞・脚本賞・
助演男優賞(パチーノ、ペシ)にノミネート。
「ローマ」に続き、賞レースをにぎわすことになった。

5段階評価の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/05uH8pj1B1E

アップリンク渋谷など超ミニシアターで公開中。
月800の会費で、Netflix で視聴出来る。

タグ: 映画




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