映画『残された者』  映画関係

[映画紹介]

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北極圏に取り残された男のサバイバルを描く。
原題は「Arctic(北極)」。

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小型の飛行機事故で北極地帯に不時着した
パイロットのオボァガードは、
壊れた飛行機をシェルター代わりにし、
手回し式の通信機を使って救難信号を出しながら
救助を待っていた。
しかし、救助に来たヘリコプターが強風のため墜落し、
女性パイロットが大けがをする。
昏睡状態の彼女を救うため、
オボァガードは自力で窮地を脱しようとする。
しかし、女性をそりに乗せて引っ張り、
基地を目指すその道は多難で、
暴風雪にみまわれ、
白クマに襲われたり、
穴に落ちて岩に挟まれ、
足に怪我をしたりする。
その上、道を間違えて、
コースの変更も余儀なくされる。

冒頭、雪の中でなにやら作業する男の仕事は、
巨大な「SOS」を地面に掘ること。

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氷の上に置いた釣り道具で、
魚を獲得し、
ただちに冷凍状態になる魚を
少しづつ食べて栄養補給する男の姿に
孤独が滲む。

男がどうしてそうなったか、の説明は一切ない。
というより、極度にセリフが少ない。
男一人だから当たり前だ。
エンドクレジットに出て来る俳優はわずか3名。
一人はヘリコプターの男性パイロットだが、
既に死んでいるので、セリフはない。
救出される女性パイロットは、
昏睡状態で、たった一つ「ハロー」と言うのみ。
つまり、この映画は、
男を演ずるマッツ・ミケルセンの一人芝居で終始するのだ。

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それでいながら、1時間半の映画が
集中力を失わずに、持続するのは、
さすが「北欧の至宝」ミケルセンの演技の力というより他ない。
類似の映画に、
リーアム・ニーソンの「THE GREY 凍える太陽」(2012)や
ジェームズ・フランコの「127時間」(2010)があるが、
これほど一人っきりで終始する映画は初めてである。

マッツ・ミケルセンは適役で、
この人の深い人間性が、観客の感情移入を誘い、
ストイックな遭難者を見事に演ずる。
そして、生への執着。
自力で出発する動機も、
女性パイロットを救出させる、というのもうなずける。
それも、女性パイロットの家族の写真が深く関わる。
そして、たびたび「君は独りじゃない」と口にする。
それは、彼自身も、
彼女の存在で、
独りでないことを実感した表われだ。

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一旦は女性を見捨てる決心をしながらも、
次の不慮の事故で、反省し、
困難なミッションを再開するのも感銘を受ける。
ラストのカットも印象的。
監督のセンスだ。

そして、自然の描写
極北の地の雪景色が素晴らしい効果をあげる。
決して平板にならず、
過酷な大自然を描く。
アイスランドで撮影したようだが、
その困難な撮影ぶりは想像を絶する。

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監督は、本作が長編映画デビューとなるジョー・ペナ
ブラジル出身のミュージシャン兼YouTuber。
安易な回想や説明に走らず、
一人の遭難者の生き様を一貫して描く姿勢は好感を持てる。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/axsH4WPP-V4

新宿バルト9で上映中。

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