映画『天才作家の妻』  映画関係

[映画紹介]
 
クリックすると元のサイズで表示します
                                 
現代文学の重鎮ジョゼフにノーベル文学賞受賞の連絡が入る。

クリックすると元のサイズで表示します

妻のジョーンと共に喜んで受けた二人は、
息子を連れて授賞式が開かれるストックホルムに行く。
同行してきた記者のナサニエルは、
ジョゼフの伝記を書きたいのだが、
二人の許可はまだ下りていない。
授賞式リハーサルの合間に
ジョーンと話す機会を得たナサニエルは、
自分が調べた結果、
ジョゼフの創作に
ある疑念があることを告げるのだった・・・

どんな疑念かというと、
「天才作家の妻」ならまだしも、
「40年目の真実」という副題が付き、
その上、チラシに
「ノーベル賞の栄光に隠された[愛と嘘]」とまで書かれ、
更に予告編で、ある質問が投げかけられていては、
海千山千の映画観客ならすぐに察してしまうようなものだが、
映画は、夫婦の間にある軋轢を描きつつ、
40年前の過去を織りまぜて、
なぜそうなったかを解明していく。
その過程が緊迫感たっぷりの演出で描かれる。

実は二人は大学の教授と教え子の関係であり、
前妻からジョゼフを奪ったという過去がある。
しかも、当時は出版界では女流が受け入れられない風潮があった。
そうした中で出来上がった二人の関係が
ノーベル賞受賞という晴れ舞台で
破綻の危機を迎えるのだ。

メグ・ウォリッツァーの原作小説を
脚色したのがジェーン・アンダーソンで、
原作では、フィンランドの小さな文学賞受賞の話だったという。
それをノーベル賞という大きな舞台に変更したのは炯眼で、
あまりに大きな賞であることでこそ、
夫婦の葛藤が爆発の臨界点にまで登り詰めていくのだ。
また、息子を駆け出しの作家にして、
劣等感を感じていて、
父母の評価が違う、という設定も
脚色者の功績だ。
監督はスウェーデンのビョルン・ルンゲ

しかし、なんと言っても、最大の功績は、
妻を演ずるグレン・クローズの演技で、

クリックすると元のサイズで表示します

夫の栄誉を見つめる複雑な感情が
見事に演じられており、
終始途切れぬ緊張感を画面に反映させる。
そして、夫の内助の功を讃える感謝のスピーチに
ついにキレてしまう心理を納得させる。
アカデミー賞7度目のノミネーションで受賞は確実だろう。
夫を演ずるジョナサン・プライス
記者を演ずるクリスチャン・スレイターらが
物語に厚みを加える。

ノーベル賞のリハーサルなど、
普段知ることのない裏面が描かれて興味深かった。

クリックすると元のサイズで表示します

最後の飛行機の中で
白紙の紙を前にしたジョーンの微笑みに、
夫という枷が取れた今後の妻の行く道が伺えて、
やっぱり女は強い、と思わされた。

ところで、回想シーンで
若き日のジョーンを演じるアニー・スタークという女優。

クリックすると元のサイズで表示します

グレン・クローズの若い頃にしては、
美人すぎないか、と思っていたら、
グレン・クローズの実の娘だそうだ。
失礼しました。

5段階評価の「4」 。                              
予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/w-GfRcTvurc

新宿ピカデリー他で上映中。

タグ: 映画




AutoPage最新お知らせ