外国人の保険適用  政治関係

政府は、外国人労働者の受け入れ拡大に備え、
厚生年金の加入者が扶養する配偶者について、
年金の受給資格を得るには
国内の居住を要件とする方向で検討に入った。
2019年度中にも、国民年金法を改正する方針だ。

日本の年金制度では、
厚生年金に加入する会社員らが扶養する配偶者は、
国民年金の「第3号被保険者」と呼ばれ、
保険料を支払う必要はなく、
年金を受け取ることができる。

しかし、ここに「穴」がある。
配偶者に居住地要件がないため、
外国人労働者の配偶者が海外に住んでいても、
将来的に日本の年金を受け取ることができるのだ。

年金は10年日本にいれば外国人でも受給権が発生する。
何度か日本に来て10年を満たせば、
帰国後でも、一生日本から年金を送り続けられることになる。
亡くなった場合でも、
子供が18歳になるまでずっと
日本から遺族年金を仕送りしなければならない。

その不合理を、日本在住者に限る、とした要件を付けて、
正常化したといえよう。

政府は医療についても、
健康保険が適用される扶養家族
原則国内に居住する人に限る方針を固めている。

ようやく年金制度、健康保険制度に開いた「穴」が
ふさがれる機運が生まれつつあるのを感ずる。

特に、
最近は医療保険制度を不正利用する外国人が増えているので、
現行制度のおかしなところを挙げてみよう。


@3カ月の在留で資格取得

外国人の保険加入には1年超の在留が必要だったが、
2012年の住民基本台帳法改正により、
3か月超の在留資格(ビザ)を持つ外国人は
日本人と同様に住民登録する制度に変わった。
住民登録すると、勤務先の健康保険組合などに加入しない場合、
自動的に国民健康保険に加入することになる。
3か月超へと国保加入のハードルが下がったため、
対象者が増加した。

3か月超のビザで取得しやすいのは、
「留学ビザ」と「経営・管理ビザ」。
渡航費、学費を払って日本語学校に短期留学した上で
日本の健康保険を利用したほうが安くつく。
また、500万円の“見せ金”があれば、
ペーパーカンパニーを設立して
経営・管理ビザを取得することもできる。

医療目的で来日する外国人は国民健康保険に加入できない。
そのため、「留学」などと入国目的を偽ってビザを取得し、
日本で国保に加入した後に
1〜3割の自己負担で高額な治療を受け、
帰国するケースがあるという。

複数の関係者によると、悪用がみられているのは、
肝炎の治療や高額な抗がん剤、移植医療など。
オプジーボによる肺がん治療や人工関節置換術、
冠動脈バイパス術など、
実費なら何百万円もかかるような治療も、
「高額療養費制度」の適用で8000円から
最大でも30万円程度(収入や年齢による)で受けられることになる。
まさに日本の健康保険制度は垂涎の的なのだ。

では、本人たちの負担はどうか。
来日直後の外国人は
前年度の日本国内での収入がないため、
保険料は最低額(月数千円)で済む。

そのため、日本で高度な医療を安く受ける目的で、
労働者を装って来るケースが後を絶たない。
3カ月くらいなら、
医療費の安上がりを見込めば、
我慢することは何でもない短期間だ。

旅行代理店のホームページの書き込みを見ると、
「中国人が、日本で無料の治療を受ける方法があります」として、
日本の健康保険制度を利用して、自己負担を3割に抑え、
さらに高額療養費制度を利用し、
安い費用で高額な医療を受ける方法が伝授されている。
それをツァーにしようというのだ。

そもそも「国民年金」「国民健康保険」という名称から見ても、
外国人に適用されるのは疑問がある。
自国民の面倒は自国が持つべきであって、
日本が外国人の年金や健康保険を負担するのはおかしい。

ただ、日本国内で所得税と住民税を支払った外国人には、
同じ恩恵を、という意見もあるので、
それを汲んでも
少なくとも1年間の在留期間は必要ではないか。
そうすれば、前年度の収入も捕捉でき、
適正な保険料を徴収できる。

制度変更すれば済む話だ。
なぜやらないのか不思議だ。


A使い回しの横行

医療費は国保などに加入すれば、原則3割負担で済む。
非加入なら全額負担だから、7割の減額は大きい。
そこで、未加入者が加入者の保険証を借りて
診療を受けることが多発する。
日本国民は医療保険制度が隅々まで行き渡っているから、
よほどの事情がある人以外は保険証の使い回しはしない。

技能認定制度の失踪者や不法滞在の外国人の場合、
保険に加入できないので、
使い回しが常態化している。
保険証には写真がないので、
他人になりすますのは容易だ。

平成26年には、
不法滞在のアジア人女性が
妹の国民健康保険証を使い、
2年以上にわたり
総額1千万円以上のHIV治療を受けていたことが発覚した。

中国人観光客がSNSで日本に住む中国人に送ったメッセージに、
「友達が日本に来ていて、子供が病気になりました。
誰か保険証を貸してくれる人は、いませんか?」
と呼びかけた例がある。

病院としても、
使い回しを指摘して全額自己負担になれば
医療費を踏み倒されるリスクも増えるので、
怪しいと思っても目をつぶることもあるという。
少なくとも7割は国からもらえるからだ。
緊急に外国人の方が運ばれて治療を受けるケースで、
お金を払わずに帰国してしまう例は、
全国の病院の3分の1で起きているという。

これも制度変更すれば済む話で、
写真付き保険証がコスト面で問題があるとすれば、
少なくとも外国人の場合、
パスポートを添付させて本人確認するようにすれば、
一銭もかからず是正できる。

なぜやらないのか、不思議だ。


B海外治療費にも適用

国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、
一部を加入者に返す「海外療養費支給制度」というのがある。
海外でけがをした、病気にかかった場合、
帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。

それを悪用した例も増えている。
日本の場合、診療を受けたことは、
たやすく追跡できるが、
海外の場合、医療実態をチェックしにくく、
医療の証明そのものが偽装されることがあるからだ。

ごく最近(6月)、立川市で起こった事件。
50代の日本人の男性(日本人にも悪いヤツがいる)が市に
中国の病院で心臓病などの治療を受けたといって
28万円の医療費を請求してきた。
男性は現地の病院が発行したという領収書を提出した。
しかし、様々な疑問が生じたため、病院に直接確認したところ、
その日付には治療を受けていなかったことが分かった。
更に、男性が治療を受けたという医師は、
心臓病ではなく精神科が専門だったことも分かった。
提出された領収書はすべて偽造だったのだ。
調査に対し、男性は不正を認めた上で、
中国の知り合いに3千円で偽造の領収書を
作ってもらったと明かした。
病院の印鑑も頼めばすぐに作ってくれたという。
市は男性の請求を認めず、警察に連絡した。

この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、
中国に一時帰国した際に入院したかのように装って
虚偽の申請を行い、
療養費をだまし取るケースが後を絶たない。
これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、
「海外の病院に確認を取るのも大変だし、
現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。
だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」
と、事情に詳しい関係者は明かす。

これも、国内で診療を受けた場合にのみ限定すべきだ。
海外での医療費保障は、旅行傷害保険に任せればいい。


C本国に残した家族にも適用

健康保険法では本人と生計を一にしている
兄弟姉妹、配偶者、子、孫、父母、祖父母、曽祖父母は、
“同居していなくても”扶養家族と認め、保険に加入できると定めている。
また、本人から三親等までの親戚も、
生計を一にして“同居していれば”扶養家族にできる。
つまり、本国に残した親や子などの他、同居している親戚でも加入OKなのだ。

耳を疑う

全国健康保険協会加入者の扶養家族認定を行っている日本年金機構では、
「日本人と外国人で分類を分けておらず、
家族や親戚であることを証明する書類の提出は
原則、必要ありません」という。

何だ、この大きな穴は。

日本人の場合、
所得が捕捉されるため、
一定額以上の所得のある家族は、
自動的に扶養家族から除外される。

しかし、海外の場合、捕捉のしようがない。
収入のある者もない者も、
申告通りに扶養家族として受け入れれば、
本国に残してきた家族の診療費も
日本の保険から(つまり、我々の保険料や税金で)負担することになるのだ。
日本の保険制度サマサマだ。

結果、一度も日本に来たことのない扶養家族が
本国で治療を受け、
日本の保険の恩恵を受ける、ということになる。

率直に言って、「おかしいじゃないか」と思える。


D出産にかかった費用も負担

国保には、「出産育児一時金」という制度がある。
医療保険の加入者が子どもを産んだ場合、
赤ちゃん一人につき42万円が支給される。

これが国内だけでなく海外での出産にも適用されるのだ。
日本に一定期間住み、保険証を取得出来た外国人が
母国で子どもを生んだ場合、
現地の病院が発行する「出生証明書」などを提出すれば、
42万円が支払われる。

これについても、不正が横行している。

日本に住むネパール人の女性が、
母国で子どもを産んだと言って自治体に
「出産育児一時金」を申請した。
証明書を発行したというネパールの病院に電話をすると、
「お客様のおかけになった電話番号は現在使われておりません」
との答が。
結局病院の存在を確認することができなかった。

東京のある区では昨年度、
国民健康保険の窓口で支払われた一時金のうち、
海外の出産が40%を超えた。
異常である。

2016年度の荒川区の出産育児一時金支払い件数は、
総数が304件で、1億2700万円が支払われた。
しかし、304件のうち168人が日本人で、
残りの5割近くが外国人と高い数字となっている。
うち中国籍が79件(国内出産:48件、海外出産:31件)にのぼる。
荒川区の人口比で中国籍は3%なのに、支給先の26%を占める。
海外出産の実に63%が中国籍。
しかし、出生証明書が本物かどうか、
区は確認していない。
紙切れ1枚あれば42万円が受け取れる。

ある荒川区議による調査では、
2014年、海外療養費の還付額の58%が中国人、
出産育児一時金の受取の16%、
海外出産育児一時金の受取の81%が中国人だった。
2015年の出産育児一時金の受取の26%、
海外出産育児一時金の受取の65%が中国人だった。
中国人の受給件数・額が不自然に多く、
不正受給の手口が在日中国人の間で口コミで広がっていると指摘されている。

証明書の確認はしているのか。
「海外出産の場合、パスポートを提示して
出産日に海外にいたことを証明してもらっています。
現在、海外の医療機関に電話で確認することも検討中です」
            (荒川区国保年金課)
しかし、海外にいたことを証明したからといって出産しているとは限らず、
「子供は本国の実家に預けた」と言われたら、
その先は確認しようがないのが現状だ。


以上のように、
日本の健康保険証は、
外国人にとって「魔法のカード」なのだ。
日本に居住してわずか3カ月で加入が出来、
初年度の支払いは全くの少額。
高度な医療を受けても「高額医療費制度」でわずかな負担で済み、
本国に残してきた家族の医療費も面倒を見てもらえる。
本当に日本は「天国」のような国だ。

その上、滞納も多い。
2015年、埼玉県の川口市議会では、
川口市だけで国保を滞納する外国人世帯が8225世帯(全体の20%) ・
滞納額が11億9000万円(全体の9.3 %) 、
そのうち中国人国保滞納世帯数は4900世帯(外国人のうち60%) ・
滞納額は6〜7億円にのぼることが問題化した。

この問題の本質は、外国人を日本人と同じように扱い、
緩い基準で健康保険に加入させて恩恵を与えている点にある。
外国人の場合、本国でどれだけ高収入を得ていても、
日本で無収入なら保険料は最低額で月何千円しか払わない。
数年で国に帰るような人に出産育児一時金をあげたり、
高額医療を格安で受けさせたりするのはおかしい。

医療費は高齢化に伴って年間42兆円にのぼり、
保険財政は厳しさを増している。
このため多額の税金が投入されている。
国民健康保険の赤字は2016年度には約1468億円。
これを税金で補っている。
日本の社会保障制度は、ただでさえ財政難で危機的な状況だ。
しかも、健康保険の原資は日本人が納めているお金だ。
それを外国人に“食い物”にされている状況は看過できない。
外国人に大盤振る舞いする余裕があるのか。
「国民皆保険」がいつの間にか
外国人に有利な制度として“活用”されている。
「日本に居住していない多くの外国人に
制度を悪用されてしまったら、
日本の医療保険制度が崩壊するのではないか」
と心配する人もいる。

まず、
@加入資格を日本在住1年に改めること、
 それに伴い、収入に応じた負担をさせること。
A適用は日本在住者に限り母国に残して来た家族には適用しないこと。
B不正が横行する海外医療費への保険適用はやめること。
C出産一時金の支給は国内出産に限ること。

そのうち、Aについては、ようやく政府も重い腰を上げた。

しかし、なによりも、
「外国人を別枠にした健康保険制度」
を作るべきではないか。

このままでは、世界に冠たる
日本の「国民皆保険制度」が崩壊してしまう。
沢山の「穴」が開いているなら、
その一つ一つを着実に埋めていく努力が必要だろう。

日本には海外から働きに来ている人が128万人いる。
移民ではないが、
世界第4位の移民大国とさえ言われている。
外国人労働者の受け入れ拡大で
今後、ますます在留外国人が増加する中、
日本人のための制度設計をし直す必要があるのではないか。
外国人労働者を受け入れるのであれば、
社会保障制度を根本から見直し、
外国人が入ってくることを前提とした制度にしていく必要がある。







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