映画『泣き虫しょったんの奇跡』  映画関係

[映画紹介]

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脱サラ棋士・瀬川晶司

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の自伝的小説↓を映画化。

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センスの無い題名だが、
これは原作本の題名そのまま。
コミックも出ているし、
変えようがなかったのだろう。

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「しょったん」こと瀬川晶司は、隣に住む
同級生の鈴木悠野と将棋を指す毎日だった。

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父親の薦めで町の将棋クラブに行き、
めきめき腕を上げる。
しかし、中学生名人戦で優勝できなかった鈴木は受験勉強に専心、
瀬川だけは日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である
新進棋士奨励会に入会し、プロ棋士を目指す。
しかし、奨励会は26歳の誕生日までに
四段にならないと退会しなければならない鉄の掟があり、
瀬川は三段までは順調に勝ち進んだが
三段リーグで足踏みをし、
持ち前の優しさから何度も勝利を逃し、
ついに26歳を迎え奨励会を退会する。

会社勤めの傍ら将棋を指していた瀬川は、
アマチュアの名人になり、
35歳の時、再びプロに挑戦しようとするが、
そこには奨励会出身者に限るという、
連盟の鉄の規則が立ちはだかっていた・・・

という話(実話)を、
かつて奨励会に在籍していたという豊田俊晃監督が
実に丁寧に描いてみせる。

前半は、瀬川が、次々に脱落していく奨励会の仲間たちを横目で見つつ、
自分も落ちこぼれていく過程、

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後半は、再び将棋の喜びに目覚めた瀬川が
再度挑戦に立ち上がる姿。

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基本は、一度挫折した人生の再生だが、
プロの世界の厳しさをしっかりと描いているから、
説得力がある。

そして、根本に「好きなことをしていけたら人生は幸福」という
テーマが存在し、
夢に邁進し、実現する素晴らしさが
観る人に抵抗なく受け入れられる。

将棋一筋に打ち込み、
26歳の壁を越えられずに去って行った沢山の人たちの
苦衷を思うと、胸が痛む。
一体どうやって、その後の人生を送ったのだろう。

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子供の求めるものを前向きに捉えてくれる女性教師(松たか子)、
息子の人生を「やりたいことをやればいい」と肯定的に認めてくれる父親(國村隼)、
二人の少年の才能を応援する将棋クラブの席主(イッセー尾形)、
挫折後の瀬川の将棋の価値を認め、
プロ認定に力を注いでくれるアマ強豪(小林薫)、

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そして終生のライバル、隣家の鈴木(野田洋次郎)と
瀬川を演ずる松田龍平らが
素晴らしい演技で物語を支える。

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その他、奨励会の仲間たちゆきずりの応援者など、
沢山の人が瀬川の人生を応援してくれる。
だから、最後のプロ編入試験の対局で
瀬川の脳裏をよぎる、様々な言葉に胸がつまる。

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脚本・演出が見事で、テンポもリズムもよい。
物語に大きな起伏がないのは、
実話の素材そのものを大切にし、 
敵役の設定等の定番を監督が避けたためと思われる。
淡々としているが、
物語の根本を流れる物語性が、最も強いドラマを形作っている。

ただ、登場人物が多いわりには説明がないので、
この人、誰?と思いつつ物語が進むのがもどかしい。
思い切ってその部分は字幕で説明するのも案の一つだと思うが。

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なお、私は将棋は駒の動かし方程度、
囲碁に至ってはルールさえ知らない。
その立場でも面白く観れた。
対局の最後に、一方が「負けました」と認め、
一方が「ありがとうございました」と返す、
その潔い姿が心地よい。
それにしても、正座
あぐらをかいてはいけないのだろうか。

5段階評価の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/P1kIrq1yMEo


なお、奨励会退会後、アマチュアからプロ編入試験を経て
プロになった棋士が主人公のミステリーに
柚月裕子の「盤上の向日葵」がある。
その紹介ブログは、↓をクリック。

小説「盤上の向日葵」






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