映画『ウィンストン・チャーチル』  映画関係

[映画紹介]

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1940年5月、第二次世界大戦初期。
ヒトラー率いるナチス・ドイツの侵攻により、
ベルギー、オランダは落ち、
フランスは陥落間近、
イギリスにもナチス上陸の脅威が迫っていた。

ナチスとの宥和政策により、
チェコ、ポーランドへの侵攻を許した
チェンバレンの保守党政権は
内閣不信任決議が出され、
その後任首相として、
ウィンストン・チャーチルに白羽の矢が立つ。
チャーチルは国民からの人気は高いが、
歯に衣着せぬ物言いと妥協しない性格で政敵も多く、
政党内では嫌われ者だった。

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政権についてすぐ、
ダンケルク撤退作戦を実行し、
30万の兵士を救ったが、
労働党との挙国一致内閣では、
内閣不一致で孤立していた。

というのも、政敵リファックスらが、
ムッソリーニの仲介による和平交渉を提言していたからだ。
戦争は終わらすことが出来るが、
英国はナチスの軍門に下ることになる。
徹底抗戦して国土を戦火にさらすか、
それとも強者に膝を屈してしまうか。
チャーチルは究極の選択を迫られる。

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映画は、チャーチルの英国首相就任から
国民に決意を迫る歴史的演説までの27日間を描く。
画面には「5月26日」などと、
日付が大きく出る。
原題の「DARKEST HOUR」(最も暗い時)は、
ナチスドイツが欧州で勢力を拡大していた
第二次世界大戦初期を指したチャーチルの言葉。

第2次世界大戦の、中でも欧州戦線は、
国の存亡を懸けた現実的脅威で、
その国難の時にあっての一国の指導者の苦悩
虚実ないまぜにして描く。
どこからが本当にあったことか、
どこからが創作かは不明。
かなり一方的な見方で誇張も目立つ。

しかし、それらの誇張が
ゲーリー・オールドマンの演技で、
全て本当かそれに近いことがあったのではないか、
と思わせるところが映画の力だ。
彼はこの演技でアカデミー賞の主演男優賞を獲得。

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そのチャーチルだが、
朝食にスコッチ、昼食にシャンパン1本、夕食でもう1本、
夜はブランデーとポートワイン、という飲兵衛で、
タイピストに対する態度も人格者とはいいがたい。
いやむしろ性格破綻者の赴き。
これくらいの個性の持ち主でないと、
国難は乗り越えられなかったのだろう。
しかし、映画を観ていて、実は心配してしまった。

しかし、この映画、ひとごとではない。
日本もイギリスと同じ島国で、
周囲を囲むのは変な国ばかり。
北朝鮮は日本にミサイルを向けているし、
韓国は竹島だけでなく、対馬まで自国のものだと主張し、
70年も前のことを繰り返し蒸し返している。
ロシアは北方領土を返そうとしないし、
中国は尖閣ばかりか沖縄まで狙っている。
いざ侵攻が始まったら、どうなるか。
日本の政治家は、そんな時局を迎えても
「対話しましょう」
と言って、侵略をやすやすと許してしまうだろう。

だから、最後のチャーチルの演説は感動する。
政治家は「言葉」の力で政治を進めるものだが、
日本の政治家には期待できない。

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それにしても、イギリス国会というのはすごいね。
日本の野次どころではない。
演説が聞き取れないほどの喧騒。
これが紳士の国だとは思えない。

チャーチルを取り巻く人々の姿も魅力的に描く。
特に奥さん役のクリスティン・スコット・トーマス

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タイピスト役のリリー・ジェームズ

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は一服の清涼剤となっている。
また、最初はチャーチルに不信感を抱いていた
英国王ジョージ6世(「英国王のスピーチ」(2011)のあの王様)が
最後はチャーチルを支持するのも
やはり、上に立つ者の責務を果たした姿として感動する。
ジョージ国王が「君こそケダモノのようなヒトラーを怯えさせる男」
と見抜いたのは炯眼。

国王の助言に従って、
チャーチルが地下鉄に乗って人々の声を聞く、
というくだりは、誇張も誇張で、
ちょっと納得しかねるが、
まあ、映画だからね。

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国難の時、
国のトップに立つものの歴史的決断によって、
国が救われるか、滅びるかを示して、
今の時代を切り取る内容だった。

なお、Vサインで有名なチャーチルだが、
最初、手のひらを内側にしてVサインをしてしまい、
それは「クソ食らえ」を意味すると、
下の者から教えてもらって直したという話は、
実話らしい。

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監督は「つぐない」のジョー・ライト
脚本は、「博士と彼女のセオリー」のアンソニー・マクカーテン
顔相の違うゲイリーをチャーチルに変身させた特殊メイクは、
辻一弘。日本の誇り。

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ゲイリーがこの役を引き受ける時の絶対条件が
「辻に担当してもらう」ということだったというから、
信頼に応えてアカデミー賞のメイクアップ賞を獲得。

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5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/DABFOVeUwEU

タグ: 映画




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