映画『しあわせの絵の具』  映画関係

[映画紹介]

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カナダ東部の田舎町で生きるモードは、
借金のかたとして実家を弟に売られ、
意地の悪い叔母の家をなんとかして出たいと考えていた。

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魚の行商をしているエベレットの家で
家政婦を募集していることを知ると、
モードは押しかけるようにして家政婦になってしまう。

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幼少期にリウマチを患い、
体が小さく、足を引きずって歩くモードに
エベレットは家政婦がつとまるまいと難色を示すが、
いつの間にか住み着いてしまったモードに戸惑いながらも、
小さな家での孤独な二人の生活が始まった。

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エベレットも孤児院で育って家庭の味を知らず、
孤独な二人は次第に心を通わせるようになる。
やがてモードは町の風景や動物や草花等
自然を写した絵を書き始める。
素朴で無垢で愛らしい絵は、
町の人からは
「こんな絵はうちの子供でも描ける」と馬鹿にされるが、
ある日、モードの絵の才能を見出す女性が現れて・・・

モード・ルイスは、カナダのフォーク・アート画家。

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1903年3月7日、
カナダのノバスコシア州ヤーマス郡サウス・オハイオで生まれる。
若年性関節リウマチを患い、
生涯にわたって手足が不自由で体も小さかった。
両親を相次いで亡くし、実兄が実家を引き継いだため、
ノバスコシア州ディグビー郡にある叔母の家で暮すことになる。

1938年、35歳の時、
魚の小売業を営むエベレット・ルイスと出会い結婚。
モードは亡くなるまでの32年間、
ディグビー郡マーシャルタウンにある小さな小屋、
ガスも電気も水道も無い小さな家
エベレットと暮した。

エベレットが魚を売る際に
モードの描いたポストカードを一緒に売ったことで
絵が評判となる。
当初は1枚25セントで販売していた。

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1964年にカナダの週刊誌「Star Weekly 」で紹介されると、
彼女の名はカナダ中に知れ渡る。
更に1965年にはカナダ国営放送CBCのドキュメンタリー番組
「Telescope 」で取り上げられ、
アメリカのニクソン大統領からも絵の依頼が来るほどになった。
モードの絵はホワイトハウスに2枚飾られていた。

1970年、関節炎と気腫の合併症による肺炎で死去。

生涯のほとんどが貧しい生活で、
ノバスコシア州のヤーマス郡とディグビー郡だけが
人生で経験した世界の全てだった。

美術の教育を受けた事も、
絵画の描き方を学んだ事もない。
ただ、毎年、母親と共にクリスマス・カードを作り、
友人や近所の人達に売っていたというから、
母親から手ほどきを受けたと思われる。
田舎の風景、動物、草花をモチーフに、
明るい色彩とシンプルなタッチで
温かみと幸福感のある絵を描いた。

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本国では小品でもオークションで500万円を超える、
カナダで最も愛されている画家だ。

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映画は、モードとエベレットが
小さな小屋で暮らしながら、
次第に心が触れ合っていく様を
ていねいにていねいに描く。

そして、終盤、ある秘密が明かされるが・・・

モードを演ずるのは、
「シェイプ・オブ・ウォーター」で
声の無い女性を演じたサリー・ホーキンス

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エベレットは「6才のボクが、大人になるまで。」などの
イーサン・ホークが演じる。

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この二人の演技はオスカー級で、
ノミネートされなかったのが不思議なくらい。

二人の魂が次第に溶け合い、
結婚にまで至る経過は
大変感動的で、涙がこぼれる。
幼い頃から障害を抱え、両親が他界した後は
厄介者扱いされてきた不幸な一人の女性が、
夫の愛に包まれて才能を開花させる。
その姿を描く感動作だ。
監督はアシュリング・ウォルシュ

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二人の暮らした家の大きさは4×3.8mで、
たった一つの部屋にキッチン、ソファ、テーブルが配置され
寝室はロフト。
電気・水道は無く、
暖をとるのには料理用の薪ストーブが使われていた。

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モードが描くほとんどの絵のサイズは小さく、20p×25cm。
41cm×51cmの絵が3枚だけ確認されている。
茶ツボ、ティーポット、ちり取り、クッキーシート、薪ストーブなど
家庭内のほとんどの物品、扉、雨戸、外壁、壁紙など、
家の中のあらゆるものがモードのキャンパスだった。

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絵画手法は、先ず輪郭を描き、
絵の具のチューブから直接キャンパスに描いた。
色を混ぜることは無かった。
原色が多く使われるが、バランスの良い配色がされている。
遠近法が用いられることはあるが、影は描かれない。
素朴で明晰な画面で、
動物はユーモラスに描かれる。
美術の専門家の高い評価を受けることはないだろう。
しかし、モードの絵は見る人にとって明るく楽しい絵で、
なにより、見る人を幸福な気持ちにさせてくれる。
一番大切なことだ。

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1979年のエヴェレット・ルイスの死去の後、
家の状態が悪化したため、
ディグビー郡の人々は、
家の保存、維持、修復の為に市民グループ
「モード・ルイスの家を保存する会」を設立。
1984年に、家はノバスコシア州政府に売られ、
修復された家は、モードの絵画と共に
ハリファックスのノバスコシア美術館の屋内中央に移転され
常設展示されている。
家があった場所には記念モニュメントとして
元の家と同じサイズの家が建てられた。

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日本のメディアに紹介された事はなく、
無名であったが、
2007年11月27日のテレビ東京の番組「開運!なんでも鑑定団」において、
大橋巨泉がモード・ルイスの作品を持参し、
モードの絵に一目ぼれし入手に至るまでの経緯と共に、
モード・ルイスを紹介するVTRが放映された。
ちなみに、大橋巨泉が持参した絵の鑑定額は100万円だった。

小さな村の一人の女性の
幸福と絵をめぐる珠玉の物語。
必見。

5段階評価の「4.5」。

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/DUMbFosbkyI

東劇、ル・シネマなどで上映中。


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