映画『シェイプ・オブ・ウォーター』  映画関係

[映画紹介] 

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1962年、米ソ冷戦時代のアメリカ。
政府の極秘研究所の清掃員として働くイライザは、
ある生物が運び込まれるのを見てしまう。

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ブラジルから持ち込まれたそれは、
アマゾンの半魚人のような姿をしていたが、
言葉を理解出来、音楽に感じ、
知性も感情も豊かなものを持っていた。
イライザは子供時代に声を失って孤独だったが、
この異形の生物との間に心が通って来るのを感じる。
しかし、その生体解剖の時が近づいていた・・・

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イライザの住まいの廊下から部屋まで、
水底のような情景をカメラが移動する冒頭から
ギレルモ・デル・トロ監督のセンスが心を鷲掴みにして離さない。
まさしく映画が監督の感性の産物だとはっきり知らされる。

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物語は異種接触物語で、
当時の東西冷戦が反映され、
ソ連のスパイが登場したりで、
ストーリー的に新味はない。
まあ、女性版「E.T.」と言うような内容だが、
なにより、描き方が素晴らしい。
声を失ったイライザと
故郷の川から遠い地に連れてこられた半魚人との交流が、
背景として描かれる
権力や人種、貧困やゲイや障害などを突き抜けた、
異質の者との触れ合いとして深い意味を持って来る。
1962年といえば、
性差別や人種差別や思想対立など、
「異質のもの」に対する寛容さが無い時代。
その時代に、究極の異質さを持つ
生物としての異種との交流を描こうというのだ。
イライザは言う
「彼は、不完全な私じゃなく、
ありのままの私を見てくれる」
と。

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画面にはバスルームやゆで卵を作るお湯や
そぼ降る雨など、
常に水があふれ、豊かな想像力を刺激する。
水は全てを受け入れ、
全てを浄化する。
原題は形を定めない「水の形」だが、
「愛の形」も様々な形があることを示している。

イライサのサリー・ホーキンスの演技は
まさにオスカー級で、
先のアカデミー賞の主演女優賞にノミネート。

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それだけでなく、
同僚の清掃員のオクタヴィア・スペンサー
イライサの隣人でゲイのリチャード・ジェンキンス

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悪役のマイケル・シャノンらが、
全員見事な演技を見せる。

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スペンサーやジェンキンスが
それぞれ演技賞にノミネートされたのもよく分かる。
これらの演技を引き出したのも、
監督の力量の一つだ。

そして、アレクサンドル・デスプラの音楽が
物語に厚みと熱を加える。
アカデミー賞では、オリジナル音楽賞を受賞。

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「スリー・ビルボード」と作品賞を競って、
勝利したが、
「スリー・ビルボード」がアメリカ的なものを描いていたのに対して、
「シェイプ・オブ・ウォーター」は、
それを越えた普遍性を提示したと言えるだろう。
ファンタジー、SF、ホラー、スリラー、
何よりも怪物モノにさえ分類される作品が
アカデミー賞の作品賞を受賞した意味は大きい。
それらの範疇を越えて様々な思いを想起させる、
カメラという絵筆を使って描ききった、
映画としての素晴らしさをもった作品だった。

観客を選ぶ作品かもしれないが、
映画を観る側もまた、センスを問われているのである。

5段階評価の「5」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/wrffB5vzk4o

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