映画『祈りの幕が下りる時』  映画関係

[映画紹介]

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東野圭吾による「加賀恭一郎シリーズ」第10作目の映画化。
このシリーズは「新参者」としてテレビドラマ化され、
映画化作品には、「麒麟の翼」がある。
    
初めに、仙台のスナックに勤めていた女性が心臓発作で亡くなり、
加賀恭一郎に連絡が来る。
亡くなった女性は失踪していた母だった。
恭一郎は、母の住んでいたアパートを訪ね、
遺品を引き取って帰る。
母と恋愛関係にあった男性は姿を消していた。

その数年後、
小菅のアパートで女性の腐乱死体が発見された。
絞殺されて数日経っており、
アパートの住人・越川睦夫は消息を絶っていた。

同じ時期に、現場に近い河川敷で
ホームレスの焼死死体が発見され、
同様に絞殺されてから火をつけられていることから、
加賀の従弟である捜査一課の松宮は関連性を感じていたが、
アパートに残されていた越川とのDNA鑑定は一致しなかった。

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やがて、被害女性は滋賀県在住の押谷道子と判明し、
滋賀県での捜査で、道子が中学の同級生で
今は演出家として成功した
浅居博美を訪ねに上京したことを突き止める。
博美は加賀と接点があり、
以前、出演者の中学生の剣道指導を依頼されたことがあった。

加賀は、従弟である松宮から
越川のアパートにあったカレンダーに
日本橋界隈にある橋の名前が
月ごとに書きこまれていたことを聞き、衝撃を受ける。
母の部屋にも、同じ橋の名前が書き込まれていたのだ。

一方、滋賀県の捜査で、
博美の過去が次第に分かって来る。
逃げた女房の借金の返済を迫られて
博美の父は博美を連れて失踪し、
その後、市内のビルの屋上から投身自殺を図っていたというのだ。

こうして、小菅のアパートでの殺人事件と、
ホームレスの焼死事件と、
はるか昔の滋賀県での失踪事件が
次第に一つにつながって来る・・・

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以前、原作本について、このブログ↓で触れたが、

原作本「祈りの幕が下りる時」

次々と呈示される謎が、
一つにまとまって来る過程が良好な、
上等なミステリーになっていた。
加賀の父と母の問題もからみ、
親子の情愛が背後にあり、
読物としてもなかなかのものだった。

そのブログで、
「この作品も映像化されると思うが、
よほどうまく脚色し、
巧みに演出しないと
無残な結果になってしまうような気がしてならない。
傑作とのすれすれのところに行きそうだ」
と書いた。

結果は、なかなか優れた映画化といえよう。

まず、原作に忠実に素直にストーリーが展開するのがいい。
余計な曲解や新解釈など加えずに、
織りなされる幾筋かのストーリーが
よく縒り合わされた縄のように、
混乱なくまとまっている。

そして、加賀を演ずる阿部寛

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浅居博美を演ずる松嶋菜々子

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博美の子ども時代を演ずる桜田ひより

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など、俳優陣もなかなかいい。
加賀の父を演ずる山崎努は言うまでもない。

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ただ、捜査会議を牛耳る春風亭昇太と上杉祥三なんだか変だ。

松本清張原作による映画「砂の器」(1974)との関連も指摘されているが、
あれは、犯人が作曲・指揮する「宿命」の音楽に乗って
親子の逃避行が描かれるからよかったのであって、
ピアノ協奏曲の演奏が
犯人の過去の記憶と重なるという高等戦術を使い、
その上、寒村や海や山という自然描写が効いており、
そうしたことが相乗効果で映画的興奮を呼んだ。

今作でも、博美演出による「異聞曽根崎心中」の描写が
物語の本質に関わって来たら、
すごい傑作が生まれただろうと思われる。
やはり少し知恵が足りない
それだけが残念。

監督は、テレビドラマ「半沢直樹」などの演出を務めた福澤克雄

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/EBA2vHuiLoU

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