小説『永遠に残るは』〜クリフトン年代記完結!  書籍関係

[書籍紹介]

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ジェフリー・アーチャーによる
「クリフトン年代記」は、
この第7部をもって完結

1920年を舞台に始まった
クリフトン家の親子4代にわたる物語も
1992年を舞台にして、閉じることになった。

この第7部、
第6部の最後のくだりを
突然否定して始まる。
あの人物が射殺されていたと思ったら、
あらら、と、ご都合主義と批判されても仕方ない展開。
まあ、ジェフリー・アーチャーですから、許されるでしょう。

物語は終息に向かって進む。

バリントン海運はキュナード汽船に買収され、
一つの時代が終わりを告げる。

エマはサッチャーのもと、
選挙参謀をつとめ、
労働党の同じ立場に立つ兄のジャイルズと競い合うが、
結果、保守党が圧勝し、
エマは入閣し、保健大臣に就任し、
貴族院での初演説を成功させる。
ジャイルズは下野し、
貴族院ではエマと対立を深める。

獄中のデズモンド・メラー
自分の旅行会社メラー・トラベルが
裏切り者のエイドリアン・スローンによって
解体させられるのを知り、
獄中でスローンの殺害を画策する。
殺害は行われたが、
その代金が支払われなかったため、
メラーは獄中で自殺を装って殺される。
その経緯にレディ・ヴァージニアも関わる。
メラーの遺言で財産の相続者ケリーを探し出したセヴァスティアンは、
メラー・トラベルの買収をしようとするが、
最後の瞬間にケリーの裏切りで
高い買い物をするはめになる。
ケリーの裏にはヴァージニアの手が及んでいた。

レディ・ヴァージニアは、
多額の税金が払えず、
慰謝料をだまし取ったアメリカの資産家からは
金の返還を求められ、
そこで、
妻を亡くしたばかりのハートフォード公爵に取り入り、
小切手を詐取したばかりでなく、
色仕掛けで公爵夫人の地位を手に入れる。
公爵の死を早め、何とか金目のものを相続しようとして、
屋敷の地下にあった中国の明の時代の花瓶を相続し、
公爵の死後、遺族に冷たい仕打ちをされる中、
ザザビーズのオークションにかけるが、
売買成立の直前に公爵の遺族によって阻止される
花瓶の返還を求められたヴァージニアは、
期日までに届けた後、花瓶を粉砕してしまう。

セヴァスティアンはハキム・ビシャラの要請で
ファージング銀行の会長に就任する。

セヴァスティアンの娘・ジェシカは、
ブラジルから来た金持ちの息子・パウロと悪い遊びを覚え、
スキャンダルで新聞ネタになり、放校されそうになるが、
大叔母のグレイスの画策で放校は撤回され、
新たな恋人を得て、絵の才能をますます発揮する。

ハリーはウィリアム・ウォーウィックのシリーズを終わらせ、
母の念願だった作品に着手する。
それは大変な評判を呼ぶが、
ハリー自身は病気の兆候を見せていた。
手術で治ることは保証されていたが・・・

エマは国民健康保健制度の改正法案を命を賭けて取り組み、
労働党の影の内閣のジャイルズと対決する。
エマは勝利を納めるが、
それはジャイルズの更迭を意味していた。

ベルリンの壁が崩れ、
ジャイルズは妻のカリンと共にベルリンを訪れ、
東に入って、かつてカリンが住んでいたアパートの前にたたずむ。
その後、ハンマーで壁を崩すのを手伝う。

ジャイルズは大法官・貴族院の議長に就任する。

そして、物語の終わりは、
ある人物の死
そうしなければ、物語は終らないのだろう。
この最後のくだりで読者は、
長年親しくしていた友が亡くなったような気がして、
涙をそそられる。
そして、ある人物による追悼の言葉が
その人物の72年の生涯をたどるもので、
胸を打たれる。

誰が亡くなるのか、
それは本書をお読み下さい。

ヴァージニアの遺産相続について、
英国には「貴族条項」というものがあり、
貴族の資産の中で高額なものは、
保護対象だというのは、初めて知った。
さすが階級の国、イギリス。

そして、ベルリンの壁崩壊を知って、
ロンドンからベルリンに飛ぶルフトハンザ機が、
まるでパーティ会場のようで、
シャンパンが抜かれ、
乗客は隣同士、
まるで旧知の友人のようにお喋りをした、
という記述は興味深い。

ジャイルズの荷物にはハンマーが入っており、
ベルリンの空港の保安検査場で、係官に訊かれる。
「バッグにハンマーが入っている理由を
お尋ねしてもよろしいでしょうか」
「壁を壊せればと思ってね」

とジャイルズが答えると、
「ご一緒できないのが残念です」
と係官は言う。
この場面も興味深かった。

2011年から2016年
(日本では2013年から2017年)発刊の
大河小説、「クリフトン年代記」全7部は、
これにて終了。

いずれも文庫本上下で800ページだから、
全部で5500ページを越える。
まさに、不出生のストーリーテラー、
ジェフリー・アーチャーならではである。

クリフトン年代記の過去の読書感想ブログは、↓をクリック。

第1部「時のみぞ知る」・第2部「死もまた我等なり」

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第3部「裁きの鐘は」

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第4部「追い風に帆を上げよ」

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第5部「剣より強し」

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第6部「機は熟せり

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