旅エッセイ『ぐうたら旅日記』  書籍関係

[書籍紹介]

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フリーライターの北大路公子の旅行エッセイ。

私の旅とはおもむきが違うのは、
仲間との自動車旅行だから。
その仲間というのが、
大体が40代の男女。
というより女性の方が多い。
その中に運転役として、編集者の「コパパーゲ氏」が参加。
名前からして禿げていると思われる。

「春の恐山四人旅」は、
その40代女性3人とコパパーゲ氏。

「夏の知床ミステリーツァー」は、
コパパーゲ氏と30代のハマユウさんの三人。
このハマユウさんという人は
「スーパー幹事」と筆者が名付けたとおり、
手配から予定やら見事にパーフェクトにやる女性。
したがって、筆者は何もせず、
車内で酒ばかり飲んで、
「あなた、運転交代する気、ないでショ」
と看破される。

とにかく、食べるか飲むかしている旅で、
飲む人というのは、
何でこんなに飲むんだろう
と、私なぞは不思議でならない。

「恐山再びの旅」は、
コパパーゲ氏と
筆者の高校の同級生2人との四人旅。

「ウニへの道」「新・ウニへの道」「ウニツァーというよりウニ合宿」は、
毎年8月に開催される、積丹へのウニ食べの旅。
こちらは人数が増えて、
2006年の旅は、30代女性2人に40代女性4人と
コパパーゲ氏で、合わせて7人。
どの旅にも筆者とコパパーゲ氏は同行する。

2007年の旅は、30代女性5人と40代女性7人と
おや20代・30代.40代の男性が1人ずつと、
いつものコパパーゲ氏の計16人。
2008年の旅は、30代女性3人と40代女性5人と
30代・40代の男性1人ずつとコパパーゲ氏。

年齢と男女構成を聞いただけでも
私なぞ震え上がってしまう。
さぞ騒がしい、いや賑やかな旅だったろう。

たとえばウニの旅。

目の前に青く広がる日本海。
待ち受ける温泉と酒。
いやがうえにも盛り上がる食事はもちろん豪勢で、
待望のウニ様も堂々登場。
そのとろけるような味に、
「これぞっ!」
「これがっ!」
「これこそっ!」
などと感嘆の声があがっていたが、
食事が後半にさしかかるあたりで
どうにも風向きがおかしなことになってくる。
「もうウニはいいかなあ」
「お腹いっぱいだしなあ」
「私も私も」
「しばらくウニはいいなあ」
「そうそう」
「このアワビの方がうまいしなあ」
「確かに」
などと不敬発言を繰り返すけしからぬ輩と、
それに同調する不届き者が
現れはじめたのだ。


旅行中、気に食わないマナー違反の旅人に出くわすと、
呪いをかけてしまう筆者の癖などが笑える。
                                        
こうした中年男女(ほとんど女性)の旅の様子にはさまって、
5つの超短編小説が掲載されている。
かつてネットの交流サイト「ミクシィ」に存在した
「三題噺を書いてみよう」というコミュニティに投稿した
ショートストーリー。
この超短編がすこぶるユニークで面白い。

たとえば、家に現れた謎の男の訪問で、
庭に温泉がわき出る話。

「自動茹で卵殻剥き機」を使って恋人に完璧なゆで卵を作る話。

トイレのドアが開け閉めのたびにギイギイ音を立てるようになったので、
「そろばん師」に来てもらい、修理する話。

『月刊いとこ』のアンケートにつき合わされる話。

家の軒下に「縄文人」の一家が住み着いてしまう話。

ちょっと説明がつかないほど
卓越した発想の超短編小説。
5作品の全てに丸山ヤマオという人物が登場する。





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