映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』  映画関係

[映画紹介]

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題名は、町の名前
イングランド北西部の
有名なサッカーチームを擁する町でもなく、
ニューハンプシャー州の都市でもなく、
アメリカ合衆国の
マサチューセッツ州エセックス郡ケープアンに位置する町。
ボストンからは車で1時間15分ほどの距離にある。
イングランドの町の人口が都市圏224万人、
ニューハンプシャー州の都市人口が40万人に対して、
マンチェスター・バイ・ザ・シーの人口は、
2010年の国勢調査で、5136人
1989年9月25日、
他のマンチェスターとの混同を避けるため
町の正式名称を変更する決議が町民会議で可決された。
つまり、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」(海の側のマンチェスター)は、
町の正式名称だ。
景色のいい浜辺や景勝地で知られる。

ボストン郊外でアパートの便利屋として働くリー・チャンドラーは、
住民から見下され、文句を言われるばかりの
やりがいのない仕事に疲れ、
居酒屋で意味もなく喧嘩をふっかけるなど、
荒廃した暮らしをしていた。
そのリーののもとに、一本の電話が入る。
故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーにいる兄のジョーが
心臓病で倒れたという知らせだった。
兄は離婚しており、息子の16歳のパトリックを残してしまう。

弁護士で兄の遺言を聞き、リーは驚愕する。
兄は、甥のパトリックの後見人にリーを指名していたのだ。
弁護士は、遺言内容を実行するために、
この町に移り住んでほしいことを告げる。
しかし、リーは、
故郷の町に住むわけにはいかない、
過去の事件を引きずっていた。

こうして、
この町に住み続けることを主張する甥との暮らしをどうするかを巡って
葛藤する中、
リーの過去の暮らしがフラッシュバックのように蘇る。
それは、リーには辛すぎる記憶だった・・・。

アメリカ映画はバカ映画やコミックの映画化が多いなか、
こういう、深い人間ドラマも確実に存在する。
アメリカ映画はふところが深く、幅広い。

修復不可能なほど傷ついた一人の男の人生を
じっとカメラは見据える。
となれば、主人公の演技力がものを言うが、
リーを演ずるケイシー・アフレック
押さえた演技でそれに応えた。

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こういう地味な演技に主演男優賞を与えるアカデミー賞の炯眼に感心する。
本来、プロデューサーのマット・デイモンの監督・主演で撮る予定だったのだが、
マットのスケジュールの都合で
盟友ベン・アフレックの弟で
幼なじみのケイシーに回って来た役。
一生に一度出会えるかどうかという役にめぐり逢い、
自分のものにするのも、運というものだろう。

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かつてのリーの生活は、
友達を家に呼んで夜中まで騒ぐような明るい暮らしだった。
船から戻った後、妻や子供とたわむれる過去の描写に比べ、
一瞬でその幸福を奪った事件が
「アルビノーニのアダージョ」を背景に映し出される数分間は、
リーの背負っている過去の重さをあますところなく描く。
町を歩いていれば、
離婚した妻と出会って、
されたくもない謝罪をされるなど、
この町にいたくない理由もよく分かる。
元妻役のミシェル・ウィリアムズとの対面シーンは、
演技合戦のおもむき。
ミシェル・ウィリアムズはアカデミー賞助演女優賞にノミネート

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甥のパトリックを演ずるルーカス・ヘッジズも、
遺体との対面を一瞥で済ませたり、
父親の死の直後に女友達と寝たがったり、
二股恋愛をしたりの現代っ子だが、
地面が凍っているために埋葬できない父親の遺体が冷凍保存されていることで、
夜中に冷蔵庫の冷凍室を見て感情を爆発させるなど、
父親を早く亡くした息子の悲しみをよく表現して、
アカデミー賞助演男優賞にノミネート

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人口5千人しかいない寒村を背景に、
乗り越えられない過去と直面せざるを得ない男の孤独を描いて、
観た後までしみじみとする、
秀逸な人間ドラマだった。

監督はケネス・ロナーガン
脚本も同じで、アカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/un6E5NDf0-A

シネスイッチ銀座他で上映中。

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