映画『ヒトラーの忘れもの』  映画関係

[映画紹介]

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第2次世界大戦で、ナチスドイツが降伏した後、
デンマークの海岸には、
無数の地雷が残されていた。
そのヒトラーの「置き土産」を撤去する作業には、
捕虜となったドイツの少年兵たちが投入されたという。

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この映画は少年兵たちを監督する
デンマーク軍軍曹ラスムスンと
少年兵たちとの心の交流を描く。
冒頭、ラスムスンは、
捕虜のドイツ兵の行列の中に目についた兵隊を殴打するほど
ナチスを憎み、ドイツを憎悪していた。
その姿勢のまま、
少年兵たちを徹底してこき使う。
しかし、少年兵たちが誤爆や撤去作業の失敗で
次々と命を落としていくと、
ラスムスンの中に変化が訪れる。
「撤去が終わったら国に帰してやる」
という約束が反故にされそうになった時、
ラスムスンはある行動に出るが・・・

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戦争が終わった時、
膨大な処理作業が残される。
瓦礫の除去、死体の処理、
そして武器の処分・・・
ヨーロッパで幾度となく繰り返された戦争の後も、
アフリカや東南アジアの内戦の後も、
中東の爆撃の後も
更に日本の戦国時代も
戦争の後は同じだ。
瓦礫を片づけて建物を再建し、
死体を運んで埋葬する。
誰かがそれをしなければならない。
その繰り返しの後に
今の建物があり、街が出来ている。

デンマークの西海岸に
ナチスが地雷を埋めたのは、
連合国軍の上陸を阻止するためだ。
上陸はフランスのノルマンディーで行われ、
デンマークには上陸しなかった。
ただ、数十万の地雷が残された。
それに投入されたドイツ人少年兵たち。
大人たちが起こした戦争の後始末を
10代の少年たちがやらされたのだ。
母国の罪の償いを強いられ、
大部分が撤去作業の中で命を落としたという。
なんという虚しさ、なんという理不尽。

11人の少年兵たちは、
即席の訓練だけで送り込まれ、
宿舎に缶詰にされて、空腹に耐えながら、
爆発から身を守る防具類を一切与えられず、
普段着のままで浜辺に腹ばいになり、
細長い棒で砂の中をつつく。

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地雷を発見すると、
慎重に砂をどけ、
素手で雷管を抜く。
一つ間違えば、暴発して命はない。
毎日毎日、死と隣り合わせの作業をさせられるのだ。
ノルマは一時間に8個。
1日10時間やらされたとして、1日に80個。
10人で800個。
順調に作業が進んでも、
20万の地雷を除去するのに、250日かかる計算だ。

何人かは作業の失敗から命を落とす。
地雷が二重に埋まっているという警告が聞こえず、
爆発にあった少年もいる。
わざと地雷のある方向に進んで、
事実上の自殺をする少年兵もいる。
地雷に手足をもぎ取られた少年が
母の名を呼び、
「家に帰りたい」と絶叫する場面は涙をそそる。

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戦争の不毛さ、理不尽さを
こういう形で描いたことは賞賛に値する。
戦争がどれほど悲惨で
若者の夢と将来を犠牲にしたかがはっきりと分かる。

ラストは少しだけ救いがあるが、
あの軍曹が、
どんな手を使ってああいうことが出来たか、
その説明はない。
もしかしたら、監督の抱いた幻想かもしれない。

デンマーク語の原題は「砂の下」
英語のタイトルは「LAND OF MINE」(私の土地)だが、
「地雷」を意味する「landmine」に掛けている。

監督は、長編3作目となる
デンマーク出身のマーチン・ピータ・サンフリト

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://youtu.be/Hd0oKfEQ2lU

シネスイッチ銀座で上映中。

タグ: 映画




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