小説『ブラック・ヴィーナス 投資の女神』  書籍関係

[書籍紹介]

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「このミステリーがすごい!」大賞
一色さゆりの「神の値段」と共にダブル受賞した作品。

石川県庁で金融関係の苦情相談を担当する百瀬良太は、
かつてメガバンクに就職したが、
晴れの日に傘を貸すが、
雨の日には、その傘を奪おうとする、
銀行の融資の現状を見て失望し、退職した過去を持つ。

その良太が織物工場を経営する兄から相談を受ける。
破綻寸前の工場を再生するために
ある女性の助けを借りるのに立ち会ってくれ、というのだ。
現れた女性は黒女神という都市伝説の人物。
倒産しそうな中小企業に望む金を作ってくれるというのだ。
詐欺を怪しむ良太だったが、
その金髪で黒衣の女、二礼茜は兄の要望を受け入れ、
兄の準備した3百万を、
株式投資で1カ月半で4千万円に増やしてみせる。
その報酬として茜は良太を要求する。
今の仕事のままで、時々助手として使う、ということで。

ここから良太は茜の仕事に付き合い、驚愕の事実に遭遇する。
借金に苦しむ老舗和菓子屋社長、
死亡した人気歌手の娘の死因を隠そうとする父親等、
茜の元には様々な事情を抱えた人の依頼が舞い込んでくる。
その相手に決意のほどを計る条件を突きつけた後、
種となるお金を投資して、
短期間に相手の望む金を用意してしまうのだ。
どうやら、独特の相場観とデータを用いて・・・

という話が連続して積み重なる小説、かと思えば、
中途で意外な展開を見せる。
ある事件をきっかけに、茜の正体が判明し、
その後、国家的な課題に対して手腕を発揮するようになる。
それに伴い、良太も彼女に付き合って、
東京に勤務するようになるが・・・

経済を扱って、かくも分かりやすく
しかも面白く読ませる小説を他に知らない。
スケールも大きいし、登場人物も魅力的、
謎も散りばめられ、上手に回収する。
茜がやや超人的過ぎる気もするが、
IQの異常に高い人間というのは、
ああいうものだろう。
IQとは、情報の相互関連性を見抜く能力のことだから。

はっきり言って、瑕疵の多かった「神の値段」より、
はるかに大賞にふさわしい
一読をお勧めする。






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