落語小説『芝浜』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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本日発売の山本一力の新刊。
書き下ろしではなく、
「週刊ポスト」誌上に
2011年から2015年にかけて
不定期に掲載された作品をまとめたもの。

「落語小説集」と銘打っているように、
古典落語を小説化したもの。
高座の話をなぞりながら、
山本一力一流の人物造型、風景描写、生活情景で
大幅に肉付けしてあり、
小説として成立している。

芝浜

名作中の名作。
しばらく商売を怠けていた
鮮魚の担ぎ売りの勝治郎が、
女房のおしのの説得を受けて
半年ぶりに商売をする気になり、
早朝、芝浜の魚河岸に仕入れに行った時、
波打ち際で財布を拾う。
中には二分金ばかりで82両と2分入っていた。
これで一生遊んでくらせると喜んだ勝治郎が
祝い酒を飲んで眠りこけ、
起きると、金がない。
おしのは、早く魚河岸に仕入れに行っていれ、
金の話は夢を見たんだろうと言う。
心を入れ替えて商売に励む勝治郎は
元々腕があったので、繁盛し、
店を持てるまでになったが・・・

古今亭志ん朝の「芝浜」を聞きたい方は、↓をクリック。

https://youtu.be/wq5MDBOmZmI


井戸の茶碗

曲がったことが大嫌いな屑屋の清兵衛が、
浪人の武家から預かった仏像を
たまたま通りかかった
細川家下屋敷の若侍に売る。
若侍が仏像を洗っていると、
その中から50両の大金が出て来た・・・

古今亭志ん生の「井戸の茶碗」を聞きたい方は、↓をクリック。

https://youtu.be/5CHy2mfmtgs


百年目

近江屋の頭取番頭の治兵衛は堅物で通っていた。
しかし、密かな遊びを覚え、
今日もあつらえた長襦袢を着て、
花見で鬼ごっことしゃれこんでいた。
しかし、その現場で主人の禄右衛門とはちあわせしてしまった。
クビになるのではと恐れる治兵衛に、禄右衛門は・・・

三遊亭圓生の「百年目」を聞きたい方は、↓をクリック。

https://youtu.be/uIadtYv54HE


抜け雀

一文なしで宿に泊まった絵師の平三郎は
宿賃のかたに衝立に雀の絵を描く。
その雀が朝になると衝立から飛び出して、
「雀のお宿」と大評判になった宿は大繁盛するが、
絵を見た別の絵師が
「このままでは遠からず雀は死ぬな」と言い出して・・・

桂米朝の「抜け雀」を聞きたい方は、↓をクリック。

https://youtu.be/D5H6wpCtleM


中村仲蔵

小芝居出身で歌舞伎の大部屋役者の仲蔵は、
才能を認められて名題となり、
初の座頭の演目「仮名手本忠臣蔵」の公演を心待ちしていた。
しかし、仲蔵に与えられた役は、
斧定九郎 壱役だった。
判官切腹の場の後、
緊張が解け、観客が弁当を喰う
だれた中で行われる山崎街道の場は、
観客が誰も重要視しない幕で、
しかも、おかるの父・与市兵衛を殺して50両を奪い、
イノシシを追ってきた勘平の銃で撃たれて死ぬ
見映えのしない山賊の役。
座付作者・三笑の意趣返しだと邪推し、くさる仲蔵に
女房のお岸は、
これは「中村仲蔵ならこの役をどう演ずるかという
團十郎の親心だ」とさとす。
お岸の思案に従い、妙見様への願掛けをした仲蔵は、
満願日の帰途、雨宿りとして寄ったそば屋で
一人の武士に遭遇する・・・

初代中村仲蔵が作り上げた定九郎を巡る話。
私はこの噺、大好きだ

三遊亭圓楽の「中村仲蔵」を聞きたい方は、↓をクリック。

https://youtu.be/8LhCObNaVro

高座芸である落語は、
文字にしたものを読むと、
その面白さが分からないものが多いが、
それを肉付けし、ふくらませて、小説という形で読ませる試み。
もっと沢山なされてもいい。






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