『スター・ウォーズ』チケット争奪戦と『火花』  書籍関係

「スターウォーズ/フォースの覚醒」
12月18日午後6時30分に公開されますが、
その全国一斉初回上映のチケットが
1カ月前の11月18日、
午前0時を期して発売されました。

是非ともTOHOシネマズ日劇で観たいと思ったのは、
コスプレの連中が沢山集まってお祭騒ぎをするだろうということ
(以前の3D上映の時もそうでした)
と、「スター・ウォーズ」第1作(エピソード4)を
私はここ(旧日劇)で観たからです。
そういう意味で、
ファンの間では、
日劇は「聖地」とされているようです。

午後11時50分頃から
TOHOシネマズの画面を出して待機。↓

クリックすると元のサイズで表示します

0時の5秒前からクリックし続けますが、
画面が切り換わりません。
そのうち、↓の画面に。

クリックすると元のサイズで表示します

「あなたは15040番目です。
しばらくお待ちください。」
などという画面にもなります。
TOHOシネマズ日劇の座席数は944ですから、
1万番なんて、
その時点でアウトです。

ようやく座席表が出て、
白い未予約席をクリックしても、
次の画面に進もうとすると、
↓のような表示が出ます。

クリックすると元のサイズで表示します

タッチの差で、他の人に奪われたようです。
やがて、座席は全部売れてしまいました。

クリックすると元のサイズで表示します

それでもトライしていると、
ポツポツと白い座席が出てきます。
仮押さえをした後、決済せずに時間切れになった席らしい。
しかし、それをクリックしても
やはり「他のお客様に予約されているため〜」
と表示されます。

その繰り返しをしていると、
0時28分頃、
画面が切り換わりました。
2席ゲット!!!
後は決済して、
メールも送られて来ました。

座席は↓。

クリックすると元のサイズで表示します

大きな画面を斜めから観ることになりますが、
まあ、お祭に参加すると考えれば、
これでいい。
どのみち、IMAXや3Dや4DXでも観るでしょうから。

日劇が取れなければ、
舞浜のイクスピアリで観るつもりでした。
というのは、
イクスピアリの映画館は最近自動発券機を導入したのですが、
不具合が生じ、
クレジットの決済が出来ないため、
ネットの予約が不可能で、
朝8時から窓口と機械での販売。
早朝起きてイスクピアリに並ぶつもりでしたが、
そうならずによかった。

この日、娘は早退すると言っています。
1月後が楽しみです。


〔書籍紹介〕

クリックすると元のサイズで表示します

お笑い芸人・又吉直樹が書いてベストセラーになり、
その上芥川賞まで受賞して話題になった作品。

手にして、あまりの薄さに驚く。
148ページしかない。
400字詰め原稿用紙で224枚
元々「文学界」2015年2月号に掲載された中編小説だ。

題材は著者が生きているお笑いの世界
スパークスという漫才コンビの徳永は
出演した熱海の花火大会のイベントで
あほんだれという漫才コンビの神谷と知り合いになる。
衝動的に神谷に弟子入りした徳永は、
神谷と飲み歩き、その教えを乞う。

前半は徳永と神谷の会話に大部分が割かれる。
神谷が居候する真樹という女性との交流も描かれる。
特に物語に進展はなく、やや退屈。
未熟な芸人の生半可な芸談など聞いても面白くもなんともない。
自分も半端なのに、
下の者の指導をしていい気になっている人がよくいる。
神谷もその一人だ。

徳永の事務所に
大手事務所から後輩たちが移籍してきて、
後輩に追われる形で
徳永たちが頑張るあたりで
ようやく物語が転がり始める。

彼等の台頭は
僕にとって大きな事件だった。
彼等は僅かな期間で事務所の社員とも打ちとけた。
社員の前で敢えて軽口を叩き、
叱られて謝る。
その一連のやり取りの間、
ずっと社員は笑っている。
社員は後輩たちを叱りながら、
徐々に親が子を見る顔へと近づいていった。
それは僕が見たことのない種類の顔だった。

ライブでは順番にネタを披露し、
最終的に観客の投票によって順位が決まる。
僕達の漫才はいつも通りの出来だった。
観客の数と比較すると充分だと思っていたが、
僕達の前に出た後輩達は
楽屋まで届くほどの笑いを生みだしていた。
集計中のトークでも
彼等は自分達の関係性を大いに生かし笑いを作っていた。
こんな風に観客と一体化したライブは経験したことがなかった。

などという描写は、現場にいた者でなければ書けないに違いない。

徳永たちが少しテレビに出るようになり、
真樹の家を出た神谷と
別な女性の家で
神谷がスパークスの出演した番組を観るあたりが、
最も緊張する。
二人の師弟関係が崩れるからだ。
この時の反応は神谷の嫉妬心としか思えない。

やがて神谷は後輩にいい顔をしたくて作った借金を
返せなくて失踪し、
徳永も相方が子供が出来て身を固める決意をしたことから
お笑いから足を洗う。
その最終ライブの後の記述。

世間からすれば、
僕達は二流芸人にすらなれなかったかもしれない。
だが、もしも「俺の方が面白い」とのたまう人がいるのなら、
一度でいいから舞台に上がってみてほしいと思った。
「やってみろ」なんて偉そうな気持など微塵もない。
世界の景色が一変することを体感してほしいのだ。
自分が考えたことで誰も笑わない恐怖を、
自分で考えたことで誰かが笑う喜びを経験してほしいのだ。
必要がないことを長い時間をかけてやり続けることは怖いだろう?
一度しかない人生において、
結果が全く出ないかもしれいなことに
挑戦するのは怖いだろう。
無駄なことを排除するということは、
危険を回避するということだ。
臆病でも、勘違いでも、
救いようのない馬鹿でもいい。
リスクだらけの舞台に立ち、
常識を覆すことに
全力で挑める者だけが漫才師になれるのだ。
それがわかっただけでもよかった。
この長い月日をかけた無謀な挑戦によって、
僕は人生を得たのだと思う。

一年後、徳永は神谷と久しぶりに再会するが・・・

自分の周囲のことを書いたのだから
素材は無限にあり、
その中から使えるネタを網羅したのだろうが、
だとしたら、
もっと面白くなったような気がする。

致命的なのは、
神谷という男の才能が
読者が納得するような形で提示されていないことだ。
このままでは、
単に理屈をコネ回す、
芽の出ない漫才師でしかない。
笑わせてなんぼ、のお笑いの世界で
理論理屈は通用しない。

実際、神谷はその程度しか受け入れてもらえないし、
最後、失踪期間に豊胸手術を受けたあたりで
この男のお笑い観の貧困さ
頭の程度が露呈してしまう。

そういうわけで、
これが芥川賞といったら、
ちょっと淋しい、と思うのは
私だけだろうか。

選考委員の批評は次のとおり。

宮本輝
受賞作に推した。
この作者がいま話題のお笑い芸人であり
「火花」はすでに六十万部を超えているとかはまったく関係がない。
読み始めると、生硬な「文学的」な表現のなかに
純でひたむきなものを感じ始めた。
自分がいま書こうとしている小説に、
ひたむきに向き合いつづけた結果として、
「火花」のなかにその心があぶりだされたのであろう。

川上弘美
こんな人たち(作中の「僕」や「先輩」)と
同僚だったり血縁だったり親密な仲になったりしたら大変だよ、
と内心でどきどきしながら、
それでも好きになったのです。
(「火花」と共に)人間が存在するところにある、
矛盾と、喜びと、がっかりと、しょぼい感じと、
輝くような何か(それはとてもささやかなものですが)が、
たくさんありました。

山田詠美
ウェル・ダン。
これ以上寝かせたら、
文学臭過多になるぎりぎりのところで抑えて、
まさに読み頃。
きっと、この作者の心身にも
数多くの大事なものが吸収されているんでしょうね。

小川洋子
「火花」の語り手が私は好きだ。
他人を無条件に丸ごと肯定できる彼だからこそ、
天才気取りの詐欺師的理屈屋、
神谷の存在をここまで深く掘り下げられたのだろう。
「火花」の成功は、神谷ではなく、
“僕”を見事に描き出した点にある。

高樹のぶ子
優れたところは他の選者に譲る。
私が最後まで×を付けたのは、
破天荒で世界をひっくり返す言葉で支えられた神谷の魅力が、
後半、言葉とは無縁の豊胸手術に堕し、
それと共に本作の魅力も萎んだせいだ。

堀江敏幸
描写の上滑りも、反復の単調さにも彼は気づいている。
しかし最後まで歩くことで、
身の詰まった浮き袋を手にしえたのだ。
あとはその、自分のものではない球体の重みを、
お湯の外でどう抱き抱えていくかだろう。

村上龍
「文学」へのリスペクトが感じられ、
かつとてもていねいに書かれていて好感を持ったが、
積極的に推すことができなかった。
「長すぎる」と思ったからだ。
新人作家だけが持つ「手がつけられない恐さ」
「不思議な魅力を持つ過剰や欠落」がない。
だが、それは、必然性のあるモチーフを発見し
物語に織り込んでいくことが非常に困難な
この時代状況にあって、
「致命的な欠点」とは言えないだろう。

島田雅彦
寝ても覚めても笑いを取るネタを考えている芸人の
日常の記録を丹念に書くことで、
図らずも優れたエンターテインメント論に仕上がった。
漫才二十本分くらいのネタでディテールを埋め尽くしてゆけば、
読み応えのある小説が一本仕上がることを
又吉は証明したことになるが、
今回の「楽屋落ち」は一回しか使えない。

奥泉光
二人のやりとりと状況説明が交互に現れる叙述はやや平板だ。
叙情的な描写はあるものの、
「小説」であろうとするあまり、
笑芸を目指す若者たちの心情の核への掘り下げがなく、
何か肝心のところが描かれていない印象をもった。
作者の力量は認めつつも、
選考会では自分は受賞とすることに反対した。







AutoPage最新お知らせ