BTTFと『ルーティーン』  書籍関係

昨日に続き、
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(BTTF)ネタを。

↓は今日のUSA TODAY紙。

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↓同じく。

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最初の新聞に写っているのは、
マーティの息子が
犯罪を犯し、逮捕され懲役刑を受けた、という記事。

これを察知したドクが
マーティを連れて未来に行き、
息子が犯罪をするのを阻止する。

その結果、紙面が変り、
ビフの孫が逮捕された、という記事になった、
という次第。

↓は映画の中のシーン。紙面の写真がダブッている。

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新聞の発行日は2015年10月22日。
それにちなんで
本当に紙面に掲載するとは、
アメリカ人の遊び心は嬉しい。

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次は、↓のアメリカン航空のCM

https://t.co/y1OkQHPFrg

1985年10月26日、
デロリアン型タイムマシンが
アメリカン航空の飛行機の脇をかすめて、ワープする。

続いて出たのは、
2015年10月21日、
過去から来たデロリアンが
アメリカン航空の飛行機の脇を通りすぎ、
機内の乗客がそれに驚く。

機体の塗装などが
1985年と2015年で
ちゃんと変わっている。

これも遊び心の一つ。

お次は、
ジミー・キンメル・ライブに
マーティとドクが
デロリアンで駆けつけて出演。

https://www.youtube.com/watch?v=Q0VGRlEJewA&feature=player_embedded

ドクがスマホを見て、
「小型スーパーコンピューターか?」
と驚愕。
「ビフは?」とマーティが訊くと、
ジミーは
「あの人、今大統領選に出馬してるよ」
とドナルド・トランプになぞらえる。
客席ではハンディ・トーキーを持った
ヒューイー・ルイスが
「音が大きすぎる」と、
「1」のバンド審査のシーンを再現。

ドクは「どうやら別時間軸に迷い込んだようだ。
ここは人間の進化が止まっている。
原因を突き止めるために1985年に戻る」
と、退場。
さて、ドクは最後にどんな風に去っていくでしょうか?


〔書籍紹介〕

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「篠田節子SF短編ベスト」
と銘打っているが、
SFだけでなく、ホラーも含む。

既に他の短編集に収録されたものが6作、
書籍初収録のものが3作、
書き下ろしが1作、
それにボーナス・トラックとして、
短いエッセイとインタビューが付く。

小羊

隔絶された施設で育てられた「神の子」たち。
清潔な環境の仲、何不自由ない暮らしで、
最後に「儀式」で新しい生命が与えられるのだという。
M24という番号で呼ばれている一人の神の子は、
慰みで呼ばれた古楽器を演奏する外界の少年によって、
自分の存在が何だったかを知る・・・
いかにも篠田節子らしい、
近未来の荒廃した生命観を描いた作品。

世紀頭の病

世界に不思議な病が蔓延する。
女性は突然老化が始まり、短期間で死に絶える。
男性は性的機能不全に陥る。
潜伏期間が12、3年で、
十代の時の性交渉が原因だという。
治療薬の臨床試験を受けた男性に奇妙な副作用が発生し・・・
これも篠田節子らしい
近未来の社会の病理をとらえた作品。

コヨーテは月に落ちる

公務員の美佐子は
異動の歓送会に向かう途中、
銀座でコヨーテの姿を見かける。
その後を追った結果、
あるマンションに入り込み、
そこから脱出できなくなってしまう。
マンションには住民がおり、
しかし、美佐子を拒絶する。
マンションの中でコヨーテの姿をみかけた美佐子は
コヨーテに養われるようになる。
その奇妙な状況の真相は、
最後のページで明らかになる。
ある危機的事件の中で見た主人公の一瞬の幻。
こういう作品は「何でもあり」なので、好きではない。

緋の襦袢

ケースワーカーの元子が担当したのは、
女詐欺師の大牟田マサ。
50歳までは結婚詐欺をはたらき、
60歳を過ぎてからは霊感詐欺。
行き場のないマサを元子は
あるマンションの
家賃が超安い事故物件を世話するが・・・
篠田節子独特の公務員もの。
意外な展開と老詐欺師のしたたかさが篠田らしい。

恨み祓い師

ボロアパートに住み着いた老母子。
何十年も前から老人のままで、周囲から不思議がられている。
立て替えで退去を求めるために訪れた真由子は
そこで自分の子供時代と変わらないままの老母子を見る。
帰路、体調を悪くした真由子は
現れた整体師に魔物の追い出しを高額を払って依頼するが・・・
恨みだけを支えに生き続ける老母の姿がすさまじい。
これも篠田節子らしいと言えよう。

ソリスト

地方の文化行事で招かれたロシアのピアニスト、アンナは
ドタキャンで有名だった。
神林修子はその招聘に努力したが、
会場のすぐそばのホテルまで来ていながら、
アンナは現れない。
ようやく現れたアンナは舞台で演奏し、
アンコールで珍しくソロを弾く。
ここのところアンナは合奏はしてもソロはしていない。
譜面めくりで同席した修子は、
アンナの演奏が始まった途端、
ある光景を目撃する。
それこそ、アンナが通った暗い過去を示すものだった・・・
篠田節子得意の音楽もの。
音楽を巡るホラーも篠田節子の得意とするところ。

沼うつぼ

その沼には万葉後光鰻という魚が生息し、
あまりに美味のため、乱獲され、
今では一匹も残っていないという。
テレビの取材に協力し、
グルメ作家から3千万円の価格を提示された隆三は、
決心してその幻の魚の捕獲に、沼に潜っていくが・・・
荒廃した漁村を背景に
刺激的な題材を求めるテレビと
飽食の時代のグルメの追究がある。

まれびとの季節

ある離島での土着の宗教と
正統的宗教の闘争を描く。
これも篠田節子の作品にたびたび登場するテーマである。

人格再編

攻撃的になった痴呆老人の人格を
変化させる技術の導入によって起る騒動を描く。
密かにもぐりこませた偉人のデータによって
大変な人格者に変貌した老人の姿が不気味。
介護の負担を軽減したことによってもたらされる
解放感の喪失まで話は至る。
これはまさにSFだが、
老人介護の本質まで迫っている。

親に立派なまま年老いられたら、
次世代は成長することができない。
かつて彼らを包み、
慈しみ育てたものたちは、
老いることでゆっくり、
若い世代に別れを告げていく。
子供世代は、
自らの親の壊れていく人格に衝撃を受けながら、
緩慢な死をそこに見る。
多くの葛藤の挙げ句、
その人格的死を受け入れて、
今、自分の過ごしている時間の輝かしさを知る。
老人という人格も、
世代交代に際して、
それなりに意味があったのだ、
と堀は気づき始めている。
壊れ、うとまれ、
無数のストレスと失望と、
ときには絶望さえ子供たちに味あわせることで、
彼らは、人に寿命があることを知らせ、
日常生活と死が連続したものであることを
認識させていたのだ。
その心臓が止まったとき、
見送った家族に純然たる悲嘆ではなく、
ようやく終わったという解放感がもたらされるからこそ、
次の世代が再生していく余地が残される。
立派な老親などいらない。
老いと死の実相を見せつけ、
若さや人生のはかなさ、
万物は一所に留まらず
移り変わっていくことを教えるのが、
老親の役目だと堀は気づいた。

ルーティーン

これは書き下ろし。
東日本大震災の当日、
東北に出張するはずだった主人公は
行き場をなくして徒歩で帰宅途中、
社会から離脱する。
それから20年、
町工場の寮で暮らす彼は、
ある時、昔の自宅に帰ってみるが、
そこでは別人が家庭を作っていた。
そして、20年ぶりに帰った男は
そのまま家に迎え入れられる。
20年の不在などなかったかのように・・・
異常な状況を読者に受け入れさす手腕はあざやか。

全編を読み通すと、
ああ、篠田節子だなあ、
とつくづく思う
篠田ワールド
堪能した。






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