『提報者 〜ES細胞捏造事件〜』  映画関係

「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」
最新版予告編がアップされました。↓

https://www.youtube.com/watch?v=BDvZ9UECfj8&feature=player_embedded

12月18日(金)午後6時30分から上映開始。
娘は「早退する」と言っているが、
どの劇場も座席の取り合いでしょう。


〔映画紹介〕

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単館で、レイトショーで、
一週間しか上映されなかった作品。

2005年に韓国で起った
黄禹錫(ファン・ウソク)元ソウル大教授による
ヒトのES細胞捏造事件を題材とした映画。

ES細胞:embryonic stem cells、胚性幹細胞。
理論上すべての組織に分化する分化多能性を保ちつつ、
ほぼ無限に増殖させる事ができるため、
万能細胞として再生医療への応用が期待されているもの。

テレビ局のプロデューサー、ユンのもとに、
世界で初めてヒトのES細胞作製に成功した
イ博士の研究成果がねつ造だという告発の電話が入る。
電話の主はイ博士と研究を共にしていた若手研究者シムだった。

ユンは、真実を明らかにするため取材を開始し、
まず卵子入手などの倫理問題を指摘して報道した。
しかし、イ博士への批判は国益に反すると
世論やマスコミ、さらには政府からの
激しい圧力と抗議が彼らの前に立ちはだかる。
そして、ES細胞そのものの存在を否定する番組の放送は
様々な圧力で見送られていった・・・。

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「真実と国益が相反するとしたら、
どちらを取る?」
という会話が取材陣の中でなされるが、
真実と国益が対立概念になるというのが、
韓国らしいところ。

というのは、日本人のノーベル賞受賞者が24人もいるのに対し、
韓国人の受賞者は金大中の平和賞のみ。
科学分野での受賞者はゼロで、
ノーベル賞発表の時期になると、
韓国社会は憂鬱になると言われる。
ES細胞作製に成功した黄禹錫教授(映画では李教授)は
ノーベル賞を期待される国民的英雄で、
彼に対する批判は
まさに「国益」に反することとされたのだ。

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韓国科学技術部は、
黄を「最高科学者」の第1号に認定し、
黄が提唱する「世界幹細胞バンク」に多額の援助を行い、
「黄禹錫バイオ臓器研究センター」を設立するなど
支援を惜しまなかった。
韓国情報通信部はヒトクローン胚作製を記念した
記念切手を発行した。
(後に販売中止、および回収)
2006年度から使用される予定だった
小・中・高校用の教科書にも早くも
黄の業績が大々的に掲載され、
忠清南道では「黄禹錫記念公園」を
造成する構想も持ち上がった。

民間からは、韓国報道人連合会認定
「誇らしい韓国人大賞」が授与され、
大韓航空のファーストクラスに
10年間乗り放題の権利が与えられ、
業績を記念して5メートルを超す
巨大な「黄禹錫石像」が建立され、
インターネットでは数々のファンクラブも生まれた。
さらに数々の出版社から
黄の伝記や漫画が発売されるまでに至った。

このような熱狂は、黄禹錫が
「貧乏な家に生まれ、親孝行をしつつ苦学して大成する」
という朝鮮民族の理想的な英雄像に
ぴったりと当てはまるためでもあった。
それと共に、「我が国にノーベル賞を」
という韓国国民の悲願もあったに違いない。

「真実と国益が相反する」とは、そういうことで、
誰が考えても「真実」の方が大切なのだが、
「法治国家」ではなく「人治国家」である韓国では
そうはならないのだ。

実際、黄禹錫の研究成果を批判するMBC(韓国文化放送)の
「PD手帳」(映画では「PD追跡」)に対しては、
「国益を損じた」とスポンサーへの不買運動が展開され、
韓国のインターネット社会では
MBCを「非国民」と断ずる論調にあふれた。
結果、「PD手帳」からすべてのスポンサーが降板
放送休止に追い込まれた。
MBCへのデモも無数に行われ、
MBCの看板ニュース番組や他の番組にも
スポンサーへの不買・視聴拒否運動が拡大し、
MBCの全番組の視聴率が低下した。

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それに対して、
「真実を伝えることが国益だ」
という信念のもと、
国家と民衆とマスコミが作った
神聖不可侵な領域の誤りを突き止めるため、
恐れず事件の真相に迫った報道陣の姿は感動的だ。

ラスト近く、
国会議員の圧力で放送を取りやめたMBCの社長に対して、
放送倫理規程を述べて、
原点に立ち戻ることを訴える記者の姿が胸を打つ。

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事件からまだ10年。
記憶も新しい事件に切り込んだ韓国映画人の勇気に敬意を表する。

翻って日本にも同様な事件があった。
私は当時の報道の中、
STAP細胞の再現実験をすれば
真偽は明らかになる、
と言っていたが、
その後の追実験でことごとく
STAP細胞の再現は出来なかったのだから、
やはりSTAP細胞は捏造だったということになるだろう。
この事実を映画にする日本の映画人はいないのか。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=0hmlzU0lBiw

なお、韓国映画は
アメリカのアカデミー賞の外国語映画賞を受賞したことがない。
のみならず、ノミネートの実績もゼロ。
アカデミー賞外国語映画賞の受賞も
韓国国民の悲願であると思うが、どうか。





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