『ターナー、光に愛を求めて』  映画関係

〔映画紹介〕

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ターナーという有名人は多いが、
この映画のターナーとは、
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナーのことで、
18世紀末から19世紀にかけての
イギリスの風景画家。
映画で描くのは、50代から70代のターナー。

↓は、彼の自画像。

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かなり美化されたものらしく、
学友のチャールズ・ターナー(同姓だが、血縁関係はなし)の
描いた肖像画↓の方が実物に近いらしい。

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冒頭、風車を背景に
雑談しながら歩いて来る婦人たちの姿が過ぎると、
写生をしているターナーのシルエットが現れる。
天才画家の創作への情熱や孤独を表して見事に美しいカット。

そのように、
この映画はまるで絵画のように美しい自然の情景が現れ、
その中で題材を求めて旅を続けるターナーの姿が描写される。
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監督は「秘密と嘘」の巨匠マイク・リー
ターナーを演ずるのはティモシー・スポールで、
この偏屈な画家の内面の複雑さを見事に演ずる。
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その行動は奇矯で、
作品を描くために、
マストに4時間も縛りつけられ、
嵐を観察したり、
既に展示された絵に描き込む行動も。
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もてそうもない姿をしながら、
時には宿の女主人に「あなたには内面の美しさがある」
などと言って肉体関係を結ぶ手の早さも見せる。
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老後、ブース夫人と出会い、
平穏な同棲生活を送るが、
そのかげで犠牲となった家政婦の姿もしっかりと描く。

生涯を通じて5回から7回の画風の転換があったと言われるように、
画風がどんどん変わり、
写実から印象の絵画に変化する。
印象派が現れるより30年も前に
印象派に似た画風を確立するのだから、すごい。

ロイヤル・アカデミーの中で、
自作の掲示場所を巡っての争いや
俗物的駆け引き、
幼稚な作品なども現れて興味深い。
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若きヴィクトリア女王がターナーの絵をくさし、
それを物陰で聞いているターナー。
軽演劇で自分の絵が笑い物にされることに耐えるターナー。
かと思えば、芸術に目のある資産家から
高額で絵を買い取ることを申し出られながら、
絵は全て国に寄贈し、
一カ所で観られるようにする、
などと断言する。
そのターナーの言葉通り、
手元に残った絵は国に寄贈され、
ナショナル・ギャラリーテートギャラリーで観ることができる。

晩年、ブース夫人と共に写真を撮りに行くところは、
写真という新しい素材が現れたことで、
風景画の終焉を感じさせる場面だ。
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ターナーの臨終の言葉は「太陽は神だ」
そこに至るまでのブース夫人や医師の演技が見事。
父親役のポール・ジェッソン
ブース夫人役のマリオン・ベイリー
家政婦ハンナ役のドロシー・アトキンソン
英国の役者たちが素晴らしい存在感を見せてくれる。

何より撮影が素晴らしく、ひとときの眼幅となる。

一人の画家の生活と内面に迫って見事な映画。

5点満点の「4.5」

予告編は↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=XwEFL6cHWos


以下、ターナーの作品から一部を紹介。
画風の変化が見てとれる。

1796年 海の漁師たち

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1810年頃 ミノタウルス号の難破
 
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1817年 レイビー城、ダーリントン伯爵の邸宅

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1822年 トラファルガーの戦い

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1825年 青白い馬にのった死

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1838年 解体されるために最後の停泊地に曳かれてゆく戦艦テメレール号

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1844年 雨、蒸気、スピード〜グレート・ウエスタン鉄道

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タグ: 映画




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