『神々のたそがれ』  映画関係

〔映画紹介〕

クリックすると元のサイズで表示します

今日のこの映画、
紹介はしますが、
お薦めはしません
なぜかと言うと、
恐ろしくユニークな、観客を選ぶ映画、
その上、全編、汚物にまみれているからです。

クリックすると元のサイズで表示します

ある惑星に地球から学者30人が派遣された。
その惑星は地球より800年ほど進化が遅れており
中世ヨーロッパの真っ只中の感じ。
ルネッサンス初期を思わせるものがある一方、
何かが起こることを怖れるかのように反動化が進んでいた。
王国の首都アルカナルでは
まず大学が破壊され、知識人狩りがおこなわれた。

地球から派遣された学者の一人に
貴族ドン・ルマータと名乗る男がおり、
神のように畏れられていた。

クリックすると元のサイズで表示します

ルマータは皇太子のいる寝室で当直の任務に就き、
“灰色隊”に取り囲まれ、逮捕される。
“灰色隊”の隊長クシス大佐はルマータに絞首刑を宣するが、
その直後に“神聖軍団”の修道僧たちが大佐を撲殺する。
やがて街に“神聖軍団”が集結し、
“灰色隊”を殲滅させ、
自らの主導による新たな政権を確立しようとしていた……。

クリックすると元のサイズで表示します

などという筋はあるのかないのか分からない展開で、
地球から派遣された、
というのもどこかに行ってしまう。

クリックすると元のサイズで表示します

ルマータにカメラがついて周り、
周囲との軋轢が描かれる。
その描かれる町の様子がすごい。
町には殺戮の跡が残っており、
地面には糞尿がまみれ、
吐瀉物、食べ残し、ゴミ、廃棄物、死体、汚泥ばかり。
内臓が露出した死体も転がっている。
宙吊りにされたみせしめの死体が林立し、
地面のぬかるみにはガスが湧き、
得体の知れない食べ物が置かれている。
そして、ニワトリや豚や山羊が闊歩し、
鳩が羽ばたく。
殺戮の後、水に浮かぶ首を持ち上げたり、
立ったまま死んだ人間の腹から
内臓がぼとぼとと流れ落ちる。

クリックすると元のサイズで表示します

まさに中世の戦場はこのようだっただろうという様相。
日本でも戦国時代の戦場や
落城した城の中はこんなだっただろう。
誰かが掃除し、片付け、今がある。

クリックすると元のサイズで表示します

その殺戮の町を具体化した監督の造型力が見事。
どんなセットを作り、どんな風に汚したのだろうか。
どのように人間を配置し、
どうやって演技をつけたのだろうか。
現場のスタッフや俳優の戸惑いが見えるようだ。
狂気の持ち主でなければ、
このような画面は作れなかっただろうと思わされる。
白黒の画像が救いで、
こんなものをカラーで見せられたら、
もっと嫌悪感は深まっただろう。
クリックすると元のサイズで表示します
全編、哲学的なセリフ
死のイメージがあふれ、
破滅と不毛と絶望と虚無が横溢する。
これが3時間、延々と続く。
観客の中年婦人が途中で席を立ったくらい。

クリックすると元のサイズで表示します

この寓話から何を見いだすかは、
観客の自由だが、
原作の発表されたのが1964年という
共産ソヴェトが健在だった時だということを見れば、
自ずと答は明らかだろう。

クリックすると元のサイズで表示します

まさに、前評判通り、
「こんな映画は見たことない」。
その意味で特筆すべき作品であることは間違いない。

ロシアの巨匠アレクセイ・ゲルマンが監督し、
ストルガツキー兄弟のSF小説を
およそ15年の月日を費やして映画化。
「神々の黄昏」はワーグナーのオペラだが、
漢字を平仮名にした「神々のたそがれ」は日本で付けた題名で、
英語の原題は「HARD TO BE A GOD」。
「神であるのは難しい」だが、映画の中では「神様はつらい」と独白される。

5段階評価が難しい。
汚いという点では「1」だが、
監督の造型力という点では評価出来る。
その意味で「3」にしておきましょう。
しかし、お薦めはしません。

予告編は↓をクリック。
予告編だけでも雰囲気せ味わえます。

https://www.youtube.com/watch?v=mXCYH46As_8&feature=player_embedded


タグ: 映画




AutoPage最新お知らせ