『幕が上がる』と『幕が上がる その前に。』  映画関係

〔映画紹介〕

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よくテレビで
マーチングバンドの全国大会へ向けて練習する
高校生たちの密着ドキュメントなどが放送されるが、
若者たちが目標に向かってひたすら邁進する姿に感動させられる。
そのひたむきな姿を見ると、
「うん、まだ日本は大丈夫だ」という気にさせられる。

その演劇部ヴァージョンが、この映画。

県立富士ケ丘高等学校の弱小演劇部は
今年も地区予選で敗退。
3年生は引退し、
2年生の高橋さおりが無理矢理部長にさせられる。
新入生も迎え、
部の運営をどうしていいか分からず、さおりは悩み抜いていた。

そんな時、新任の美術教師の吉岡先生が、
稽古を見学に来て、あれこれ口出しする。
ネットで調べてみると、
吉岡はかつて「学生演劇の女王」と呼ばれた存在だった。

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その吉岡の指導のもと、
全国大会出場を賭けて
さおりたちの演劇に打ち込む日々が始まる。
全国大会も観に行き、
初めての合宿をし、
吉岡の案内で東京の夜景を見・・・

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実は、私も素人劇団を主宰したことがある。
人数の少ない劇団だから、
作・演出にとどまらず、
音響や照明も自分でこなすという日々を過ごした。
だから、この題材には関心があった。
ただ、アイドルグループ「ももいろクローバーZ」の主演、ということで二の足を踏んだ。
そしたら、映画鑑賞サークルCCSで
熱い言葉て推薦している人がいたので、
観ることにした。

結果は・・・感動した
演劇を題材にして、
地方都市の女子高校生の生活が生き生きと描かれていたからだ。

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つまらない男女の恋愛沙汰などは差し挟まず、
演劇にひたすら打ち込む毎日の中に
一つの青春がきらめく。
何度か涙を禁じ得ない場面があり、
着地点もいい。

沢山出ている出演者の中で
どれがももクロなのか分からない状態で、
さおりを演ずる百田夏菜子をかろうじてCMで知っているくらい。
最後になって、ああこの5人だったのか、

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と分かるが、
なかなかバランスのいい配役だと思った。
しかし、何と言っても、
吉岡先生を演ずる黒木華の存在感が大きい。
いかにもいそうな
演劇をやめて教師になり、
しかし、舞台への夢を捨てきれない先生という感じ。
最後の手紙の下りは泣けた。
そして、心から吉岡先生の将来を応援したくなった。

アイドル映画はファンだけを喜ばせようとするあまり、
映画としてはいびつなものになりがちだが、
この映画は、一部その片鱗はあるが、
全体的にはバランスよく
題材を処理できたと思う。

原作は劇作家の平田オリザ
未読だが、たぶん原作がいいのだろう。
監督は「踊る大捜査線」シリーズなどの本広克行

5段階評価の「4」

予告編は、↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=3snLiEL3Pzw


続いて、

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これも映画鑑賞サークルCCSの方から
「感動が10倍に化けます!!」
とのメールをいただいて、観た作品。

「幕が上がる」の撮影の内幕を描いたもの。
要するにメイキングで、
ブルーレイの特典映像として収録されるべきものだが、
そのドキュメントを映画館で公開して、
お金を取って観せる、という根性がすごい。

しかし、料金を取って観せるだけの内容がある。
ももいろクローバーZにとっては
初めての演技体験
その5人が撮影を前に、
原作者であり、劇作家であり演出家である
平田オリザの演劇ワークショップに参加するところから始まる。

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演技の右の左もわからないメンバーが
演じるとは何なのかを教え込まれ、
せりふや動き、感情をコントロールの仕方を学ぶ。
それでも初体験は初体験。
メンバーたちは不安を抱きつつ撮影初日を迎える。
監督の本広克行の熱血指導によって
演技に開眼する彼女たち。
「カット」の声がかかるまで演技の続行を要求され、
戸惑いながらもアドリブの演技を続ける。
高校の演劇部の中に放り込まれて、
苦悶しながらも、吸収する。
周囲の期待のプレッシャー。
そして、彼女たちはそれに応える。
みるみるうちにうまくなっていく彼女たちの姿。
何テイクも撮ったうちの
「最後のが良かった」とそのテイクの採用を求めるまでに成長するのだ。

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歌手の感性の持ち主は演技でもいける
というのが定説だが、
そうでない場合もある。
アイドル映画はスターシステムだから、
アイドルが出ているだけで
ファンは満足するという、ハードルの低さもある。
私は山口百恵のファンで、
彼女の映画はリアルタイムに全作品観ているが、
第1作の「伊豆の踊り子」以外はクソだと思っている。

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しかし、思うに、
ももいろクローバーZにとって、
最初の映画が
映画の中で別の役を演ずるという
演劇を題材にした点がラッキーだったに違いない。
その二重構造がうまく働いて、
彼女たちの努力が良い化学反応を起こしたのだ。

そういう意味で、
このメイキングは
アイドルグループが
女優として変身する成長記録として貴重だ。
そして、人間は、特に若者は成長出来るという感動を与えてくれる。
観て損はない。

5段階評価の「4」
       





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