『ナショナル・ギャラリー』と『ヴァチカン美術館』  映画関係

外国の美術館についてのドキュメンタリーが、
期せずして同時期に公開されているので、
2本まとめて紹介します。

〔映画紹介〕

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ナショナル・ギャラリーは、
ロンドンのトラガルファー広場に面して建てられた
絵画中心の美術館。

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所蔵作品は2千300点余りと
それほど多くはないが、

ダ・ヴィンチ、

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ミケランジェロ、

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ラファエロ、

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ルーベンス、

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レンブラント、

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ベラスケス、

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フェルメール、

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ゴッホ、

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ルノワール、

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セザンヌ

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などの
選りすぐりの傑作が多く、
13世紀から20世紀初頭の
西洋美術の流れをつかむことができ、
年間500万人が訪れる
世界有数の人気美術館だ。

この映画は記録映画の巨匠フレデリック・ワイズマン監督が、
この美術館の内部に迫るドキュメンタリー。

美術館の床を掃除する人の映像から始まり、
様々な絵画が画面を飾る。
特にルネッサンス以降、印象派の前までの
写実的な肖像画は
その人の人生が反映されたかのような
魂までも切り取られたかのような筆致が驚嘆を呼ぶ。

ナレーションは一切なく、
代わりに学芸員のギャラリートーク

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スライド上映付きの講演会の様子などで
作品に対する解説をする。
修復作業の様子や

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X線分析によって、
レンブラントやダ・ヴィンチの絵画の下から
別の絵が浮かび上がる秘密も描く。
会議室ではイベントとのタイアップの是非など
スタッフの議論する様子まで描かれる。
ラストを飾るのは、
ロンドン・オリンピックの記念に行われた
英国ロイヤル・バレエ団とのコラボで、
ティツィアーノの巨大絵画の前で、
二人のプリンシパルが幻想的な踊りを繰り広げる。

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学芸員の説明はほとんど覚えていないが、
ルーベンスの「サムソンとデリラ」

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最初に掲出された市長宅の暖炉の上に置いたところ、
その場での光の加減で
一層絵の構図が効果的になり、
画家がその場での光の入り方を考えて描いていた、
という点などうならせるものがあった。

3時間1分という長い作品だが、
それほど長いとは感じなかった。

5段階評価の「3」

予告編は、↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=kV1RDFpn4Qk

昨年ロンドンを訪れた際の
ナショナル・ギャラリーをはじめとする
美術館、博物館巡りのブログは、
↓をクリック。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20140624/archive


〔映画紹介〕

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カトリックの総本山であるローマのヴァチカンには、

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500年の間、歴代の教皇たちが収集してきた
芸術作品が収められたヴァチカン美術館がある。
英語では「THE VATICAN MUSEUMS 」と複数形で、
なぜ複数形かという説明を
「歴代の教皇が人間の芸術性をあますところなく残したいと望み、
それぞれに築き上げた美術館の複合体だからです」
と、
館長のアントニオ・パオルッチ教授がする。
この館長がしばしば現れるが、少々うざい。

そのヴァチカン美術館の数々の美術品を
4K(Ultra HD)の3Dカメラで描くのがこの作品。
題名に「4K3D」とうたってあるから、
2Dでの公開はない。
しかし、3Dメガネの宿命で画面は暗くなる
美術品の鑑賞としては少々困る。
美術館の回廊の奥行き、
彫刻の立体像は3Dの威力を発揮するが、
絵画まで加工して3D化するのはいかがなものか。
それにしても
3Dで描く「ラオコーン」は素晴らしい。

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紹介される作品は有名なものばかりで、
ダ・ヴィンチ、ジオット、カラヴァッジオら
ルネサンス期の巨匠たちに加え、
ゴッホ、シャガールら近現代の芸術家の作品も見られる。
ダリが信仰の問題で悩んでいたとは初めて知った。

後半は特にラファエロとミケランジェロという
ルネサンスが生んだ二人の巨人に時間が割かれる。
ラファエロの「アテネの学堂」

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「キリストの変容」

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も素晴らしいが、
特にシスティーナ礼拝堂
天井画と祭壇画のミケランジェロが圧巻。

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アップにされた絵が迫って来る。
この時ばかりは3Dメガネで暗いことも
立体加工のことも忘れて見入った。
やはり偉大な芸術作品は、
どんな映画的歪曲をも超越するようだ。

天井画を巡る
ミケランジェロと教皇ユリウス2世との確執は、
キャロル・リードの映画「華麗なる激情」(1965)に詳しいが、

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私もシスティーナ礼拝堂で魂を奪われた一人。
旅行でここを訪れた時、
側で見ていた人から
「好きな恋人に会っているような顔をしてたぞ」
と言われた。

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もし神様が
「世界中の芸術作品を一度塵芥に帰することにした。
ただ、一枚だけ残してやるとすれば、
何を望む」
と訊いたら、
私は迷うことなく
「『アダムの創造』だけは残して下さい」
とお願いするだろう。

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それほど天才ミケランジェロの描く
神と人との出会いの瞬間は素晴らしい。

「華麗なる激情」の中でユリウス2世はこう言う。

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「私は戦争に強い。
しかし、戦争に強い教皇などいくらでもいる。
私の名前が残るとしたら、
お前(ミケランジェロ)に
この天井画を描かせたということによるだろう」
まさに、そのとおりになった。

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映画全体を通して、
ナレーションが過剰
そして、水滴や砂塵や葉っぱなど、
不要な付け足し画像が頻繁に挿入される。

芸術作品を描くなら、
最小限の説明で、
後は作品そのものを映し出せばいい。
そういう意味で「ナショナル・ギャラリー」も
「ヴァチカン美術館」も
ちょっと足を踏み外したようだ。

「ナショナル・ギャラリー」181分に対して、
こちらは66分と極端に短いが、
短くは感じなかった。

5段階評価の「3」

予告編は、↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=Fn4aO6yFnww





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