川崎中一生殺人事件  

また、いたましい事件が起きた。
世に「川崎中一生殺人事件」と言う。
おかしな命名だ。
「上村君殺害事件」ではなぜいけないのか。
個人名を出してはいけないというルールでもあるのか。

暴力的傾向のある18歳の無職青年(少年とは、あえて呼ばない)が
多摩川河川敷で
中学1年の上村遼太君を殺害した、
というのが事件の概要のようだ。
上村君を裸にして川で泳がせた上、
イスラム国のように膝まづかせて
首をカッターで切った、
と推測され、
その残虐性、凶悪性が明らかにされつつある。
つるんでいた二人の17歳青年の関係性は、
3人の供述に食い違いがあり、
今後の解明が待たれる。

いずれにせよ、
人間は嘘をつく動物であって、
特にこのような人物の言うことは信用できない。
主犯格の18歳青年も
当初否認していた。
「現場のことは、今はまだ話せない」
というのは自供したも同然だが、
ようやく刑事の追究に口を開き始めたようだ。

青年が警察に出頭した後、
青年の父親は、
代理人の弁護士を通じて新聞に
次のようにコメントした。 

上村君の事件につきましてはあってはならないことであり、
ご遺族の気持ちはいかばかりかと察してあまりあります。
また、犯人には事件相応の罪を受けてほしいと思っております。
これを前提に、
息子は上村君の殺害とは無関係です。
ただ、上村君と息子とは面識がなかったわけではないので、
事件の真相解明に協力できることがあれば
協力したいと思っております。

このコメントは、
息子の無実を信じてのことだが、
もし息子が犯行を認めたら
どんなことを言うかと関心を持っていた。

また、青年の父親は、
逮捕前に、テレビの取材で、
亡くなった上村君が、
自宅に遊びに来た時の様子などを次ぎのように語っている。

うちにね、1回来てるね。
(妻が)「君いくつ?」って聞いて、
「中学生です」って。
「この時間だったら、あんた学校でしょ」って言ったら、
「いや、行ってないんだよね」って聞いた。
(上村君をご家族が見たことがあると聞いて、嫌だった?)
それはあるよ。
接点があれば、誰だって嫌じゃない。
ましてさ、(上村君本人を)見ていれば余計でしょ。
俺なんて見てないからまだいいだろうけど、
うちのやつは、ショックじゃない?
あの子が...っていう感じでさ。
もちろん、俺は息子と話をして、
もしあれだったら、
警察の方に行って、
全部話させるつもりではいる。

「ひとごと」みたいだ。

そして、殺害を認める供述を始めた
との報道に、
父親は代理人を通じて
次のようにコメントしている。

今回息子が殺人容疑で逮捕されたこと。
そして、そのことについて息子が認めているという報道を聞いて、
大変ショックを受けており、
今はまだ言葉が見つかりません。
自分の知っていることは全て話をして、
真摯に捜査に協力してほしいと伝えたいです。
皆さんにはご迷惑をおかけし、
本当に申し訳ありません。

これも、「ひとごと」のようだ。

つまり、家で
「お前がやったのか」と問い詰めて、
「やってない」と聞いて、信じた。
だが裏切られた、
ということだろう。
無実であれば、
「父親として息子を信じた」
ということで美談なのかもしれないが、
実際に犯行をしていたのなら、
お話にならない。
息子にだまされた間抜けな父親というだけだ。
しかし、犯行について、どれだけ、
それこそ「真摯に」問い詰めたのか。
日頃、息子の行状を知っていたはず。
その観点から見て、
「本当か、本当にやってないか」
と命懸けでの追究はしたのか。

こういう事件が起こるたびに、
周囲の大人たちは
どうして事前に察知しなかったか、
というのが問題になる。
母親もいじめられていたのを気づかなかったのか、
という当然の疑問もわく。

それについては、
通夜の際、
母親が弁護士を通じて次のようなコメントを発表した。

本日、遼太の通夜を執り行うことができました。
優しい顔で寝ている遼太の姿を見ると、
本当に遼太が死んでしまったのか分からなくなります。
今にも起き上がって
「母さん、母さん、お腹すいた」
と言うのではないだろうか。
台所にいると、
「ただいま」と元気な声が聞こえ、
帰ってくるのではないかと思ってしまいます。
寝ている遼太に声をかけても、
遼太が私を「母さん」と呼ぶことも、
話すこともできなくなってしまったことが悲しくてたまりません。
遼太は、本当に明るくて優しい子で、
友達が多く、
まわりの大人たちにもとても大事にされてきました。
中学校1年生で、
まだまだあどけなく、
甘えてくることもありましたが、
仕事が忙しかった私に代わって、
進んで下の兄弟たちの面倒を見てくれました。
私自身、仕事や家事に疲れた時、
何度も何度も遼太の姿に励まされることがありました。
学校を休みがちになってからも、
長い間休んでいると、
きっかけがないと学校に行きづらくなるから、
早く登校するように話してきました。
ただ、遼太が学校に行くよりも前に
私が出勤しなければならず、
また、遅い時間に帰宅するので、
遼太が日中、
何をしているのか十分に把握することができていませんでした。
家の中ではいたって元気であったため、
私も学校に行かない理由を十分な時間をとって
話し合うことができませんでした。
今思えば、遼太は、
私や家族に心配や迷惑をかけまいと、
必死に平静を装っていたのだと思います。
事件の日の夜、
一度は外に出かけようとするのを止めることができたのだから、
あの時、もっともっと強く止めていれば、
こんなことにはならなかったとずっと考えています。
顔や体のひどい傷を見て、
どれほど怖かっただろうか、
どれほど痛かったかと思うと涙が止まりません。
小さな遼太に、このようにむごく、
残忍なことを行える人間が存在することが信じられません。
犯人が逮捕されましたが、
遼太が帰ってくるわけではなく、
犯人に対して何も考えることはできません。

まさに、涙なしには読めない内容だが、
離婚して5人の子どもを引き取り、
生活のために仕事に追われていて、
子どものことに手が回らなかった、
ということのようだ。

すると、次の疑問がわく。
父親はどうしたのか。
離婚して5人の子どもを全部母親に押しつけるとは、
どういうことか。

まあ、それぞれ事情があるのだろうから、
疑問を持っても仕方がないが、
疑問は疑問だ。

今回の犯人が18歳ということで、
またも「少年法」に守られて、
名前も顔も出ない。
ネットの世界では
実名も顔もさらされているのに。
公表した人の意図は分からないが、
野次馬根性だけでなく、
怒りがその背景にあると思いたい。

これだけ残忍に人の命を奪いながら、
死刑にはならない。
そして、正式な裁判にもかけられず、
少年審判で秘密裡に処分される。
少年院で何年か過ぎれば、
知らない間に社会に復帰する。

あえて極論を言うが、
18歳で5歳も年下の13歳の少年を
いじめていた人間だ。
「弱い者いじめしてはいけない」
ということさえ
親から教えられていないのだ。
そして、残虐非道な手口で
人の命を奪う。
こういう人間は
どこか歯車が一本狂っているので、
「矯正」の余地はない、と考える。

死刑に出来ないのなら、
一生刑務所に閉じ込めておいてもらいたいものだ。

残された遺族の苦しみと悲しみを思えば、
犯人がどれだけ悲惨な状態におかれても償えない。
また、犯人の家族も
とことん地獄を味わってもらいたい。
しかし、あの父親のコメントを読むと、
どこか「ひとごと」の気配があってならない。
それが間違いであることを望みたい。





AutoPage最新お知らせ