『みんなのアムステルダム国立美術館へ』と『ようこそアムステルダム国立美術館へ』  映画関係

〔映画紹介〕

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オランダの文化的財産である
アムステルダム国立美術館
レンブラントの「夜警」をはじめ、

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フェルメール4点を含む100万点の絵画等を所蔵している。

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古くなったのでベアトリクス女王が改修を指示。
2006年の公開へ向けて
2004年から大規模な改修が行われた。

この映画は、2013年の再オープンに至る経緯をつづった記録。

この「みんなのアムステルダム国立美術館へ」は2014年の作品だが、
その前、2008年に「ようこそアムステルダム美術館へ」という映画があり、

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監督は同じウケ・ホーヘンダイク
「ようこそ」は2004年から2008年までを記録し、
「みんなの」は2004年から2013年までを記録。
つまり、「ようこそ」は未完で終わった作品で、
「みんなの」で初めて完成したといえよう。
2008年に再オープンは2013年と延長が決まったので、
「もはやこれまで」と一旦「ようこそ」を作り、
再開館したので2008年以降の記録を加えてできたのが
この「みんなの」なのだ。

「ようこそ」のチラシで、
ヨハネス・コルネリス・フェルスプロンクの
「青い服の娘」が
工事現場の服装をしているのは、
それを皮肉ったもの。

開館が遅れたのは、
美術館の真ん中を通過する自動車道を巡って

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設計の変更が何度も行われたため。
オランダといえば自転車大国で、
市民の足は自転車。
サイクリスト協会の活動家が
美術館の解決策に何度も難癖をつけ、
その都度設計の見直しを迫られた。
その公聴会の様子も記録されており、
「通路を救え」委員会などというものが出来て、
強硬に反対する。
「アムステルダム市民は雄弁で議論が好きだ」
などという皮肉な意見も映画に記録されている。
館長は「全てが゛自転車゛に矮小化されている。
しかしそれは小さな国の狭量を示すだけだ。
自転車道のことでもめているが、
本質が分かっていない」
などと発言する。
「もうウンザリだよ」などという美術館関係者の声も記録されている。
建築家は「この解決案でコンペに勝った。
それが今問題になるなら
最初から僕らを選ばなきゃよかった」
と言う。

結局、いやけがさしたのか館長は辞任し、
新館長になったが
開館は2013年まで延期が決定される。
そのあたりの経緯は「ようこそ」では詳しく描かれるが、
「みんなの」ではあっさり過ぎる。
「ようこそ」で描く旧館長のお別れ会は音楽会付き。
その音楽にかぶせて、
黙々と現場を整理する従業員が描かれる。
長期閉鎖が決まったことに対して、
次のような声も流れる。
「ついに我々皆のものである
国立美術館が敗者となった。
所蔵品の大半が
2013年まで収蔵蔵で眠る。
市民には公開されない。
オランダ人からも観光客からも
美術品は隔離され続ける」
そして、収蔵蔵で布をかぶせられた彫像などを描写して終わる。

「みんなの」では、
サイクリストたちとの対立、
設計変更の経緯など、
前半は「ようこそ」と同じ映像。
修復士たちの作業や

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警備員の様子、
日本の金剛力士像の買い付けなども同じだが、
ちょっとだけ詳しい。

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ある作品をオークションで30万ユーロで買い付けようとしたのに対し、
値段がつり上がり断念する様を
電話連絡する購入担当者と
ザザビーでの様子を交互に見せるのが新しい。
会議中寝てしまう人の描写も面白い。
そして、2013年の開館に至る。

美術館の改修を巡り、
様々な思惑が交錯する、
非常に人間臭い経過を追って、
興味津々だった。
横溢する無責任な官僚体制と民主主義の対価。
記録する監督にとっても意外な展開だったのだろう。

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冒頭に説明的な字幕が出るだけで、
ナレーションは一切なく
事実の積み重ねだけする手法は好感が持てた。

「ようこそ」は1時間56分、
「みんなの」は1時間30分と、
完成版の方がコンパクトにまとまった。
音楽は「みんなの」の方が良い。
美術館好きには必見の映画。

5段階評価の「4」

予告編は↓をクリック。

https://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=24HUhvg3AlQ

なお、再開館した2013年4月13日の5日後の4月18日、            
旅行中のオランダで
開館したばかりのアムステルダム国立美術館を観ることが出来た。
その時のことは、ブログの↓をクリック。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20130517/archive  


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