『ルーズヴェルト・ゲーム』  書籍関係

見苦しいですね、
「セクハラやじ」(「セクハラおやじ」ではありません)の鈴木章浩議員の記者会見。
言い訳ばかり。
「少子化、晩婚化などの中、
結婚してほしいという気持ちの中で言葉を発した」
ですって。
大きなお世話でしょう。
名乗り出るのが遅れた理由については
「いろいろな発言がごっちゃになって扱われており、
真意を話す機会を逸してしまった」

記者の質問に
「私じゃありません」
までついていたのに。
その上、
「しっかりと反省し、初心に帰って頑張りたい」
と、議員辞職は否定。
初心に帰って一からやり直すなら、
辞職するのが筋。
むしろ、
「日頃思っていた品性下劣なことを
うっかり考えなしに言ってしまった。
東京の、日本の信用を国際的に傷つけたので、
議員を辞職しておわびします」
と本音を語ってもらいたかった。

大体、議場でのヤジを許していること自体がおかしい。
学校では「人の話をしっかり聞きましょう」と教えているし、
「挙手して、議長の指名を受けてから発言する」
が会議のルール。
知人の国会議員に
「ヤジをやめるよう提案したらどうですか」
と言ったら、
若手議員は先輩議員から
「もっと言え、もっと言え」
とはっぱをかけられるのだと言い訳していました。

「ヤジは弁論の華」などとは、
早稲田弁論会などの、
何とも古い議会の体質
昔、ヤジにかっとして水をぶっかけて問題になった国会議員がいましたが、
その時のヤジも
ここに書くこともはばかれるような下品な内容でした。
その時もヤジの内容よりも
水をかけたことの方が問題にされました。

情けない。


〔書籍紹介〕


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題名は、野球で8対7の試合のことで、
ルーズヴェルト大統領
「野球で、最も面白いスコアの試合」
と言ったことが起源だという。

その8対7の試合を最後のクライマックスに持って来た、
社会人野球とその母体の企業の物語。

中堅電子機器メーカーの青島製作所の野球部は
かつては社会人野球の名門であったが、
今は昔日の面影はなく、
廃部の話さえ持ち上がっている有様だった。
その上、最近監督がライバル企業のミツワ電器野球部に引き抜かれ、
おまけに主力選手を連れて行かれた。
新たな監督探しの結果、
高校野球の監督をしていた大道が新監督に就任する。
物語の一つの軸が
大道新監督の新たな理論によるチーム建て直し。
その軸となるのが、
契約社員の沖原。
高校野球で暴力事件を起こした沖原は
実は剛速球投手だが、
しかし、心に傷があって野球から遠ざかっていた。
その沖原の中にある闘志をどうしたら建て直すことができるか。

一方、本体企業の青島製作所は、
部品の納品先の生産調整のあおりを食らって、
企業存続の危機に遇っていた。
建て直しに銀行はリストラを迫り、
特に年間3億円を使う野球部の廃部を求めていた。
更にライバル企業であるミツワ電器との経営統合の話も出ている。
社長の細川は
この経営統合は青島製作所の良い部分だけ取られ、
事実上の吸収合併にしかならないことを看破し、反対するが、
上場によるキャピタルゲイン獲得をもくろむ少数株主から
臨時株主総会を開いて経営統合をするように迫られている。

会社とは何か、経営とは何か、
仕事とは何か、団結とは何か、
社会人野球とは何か、
様々な問いかけがなされる中、
都市対抗で
ライバルであり企業統合の相手であるミツワ電器との試合が迫っていた。
そして、会社再生のきっかけになる
新イメージセンサーの開発は間に合うのか──。

というわけで、すこぶる面白い
さすが池井戸潤。
さっそくテレビドラマ化された。
TBS日曜劇場枠で放送されたドラマ。
昨日終了したが、
最終回とその前の第8回(6月15日)は、
大変感動的だった。
野球のシーンも大観客を動員し、
空撮までする力が入ったものだった。

野球部の再生はなるのか、
大企業に統合されようという中堅企業の生き残りの道はあるのか。
様々な命題を巡り、
権謀術数の限りが尽くされる展開は
読者の気持ちを引きつけてやまない。
そして、読後の爽快感は何よりも貴重だ。
社会人野球の野球部員と社員が一つになって
盛り上がる終盤の展開は胸が熱くなる。

「みんな、野球人である前に人なんです、部長。
自分の人生がどうなるのか知らないでいることこそ、
本当に不幸です。
人間ってそういうものじゃないでしょうか」
「なんのために野球をやっているのか、
きっとみんな考えるでしょう。
でも、一旦、グラウンドに来てしまったら、
野球人がやるべきことはひとつしかありません。
野球です。
ボールを投げて、打って、そして走る。
応援団の声援をきいたら、
そのときどんな立場に置かれようとも全力を尽くす。
みんなそうしてきたんです。
そうやって生きてきたんですよ。
それが野球人です」
「とどのつまり、
我々は野球人である前に社会人なんです」
「与えられた機会に全力を尽くすしかないし、
そうすることでしか、
自分の存在価値を見出すことができません。
後は各自で解決するしかないんですよ」

ロンドン旅行の間、空港での待ち時間を埋めてくれた。
手にとって読めば、
時間を忘れて読みふける
そういう小説だ。


なお、このブログで紹介した
村上龍「55歳からのハローライフ」
NHKでドラマ化され、
1話完結で第2話まで放送されている。
土曜夜9時から
あと3話残っているので、
興味のある方は、どうぞ。

「55歳からのハローライフ」の読書評は、↓をクリック。

http://star.ap.teacup.com/applet/shokuniku/20130320/archive






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