『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』  映画関係

〔映画紹介〕

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ジョエル、イーサンのコーエン兄弟の監督作品。
映画館が暗くなると眠くなるという
困った「持病」を持っている私だが、
この映画は一瞬たりとも眠くならなかった
それだけ画面に力があるということだろう。

1960年代のニューヨークを舞台に、
グリニッジビレッジのライブハウスで
フォークソングを歌い続けるシンガー・ソングライター、
ルーウィン・デイヴィスの一週間を描く。

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このルーウィン、音楽以外は全くのダメ人間で、
レコードは売れず、金もなく、
宿無しで、友人宅を泊まり歩く毎日。
その友人のパートナーに手を出し、妊娠させてしまったり、
教授宅の猫を取り逃がし、
ようやく見つけたと思って連れ帰ると別な猫だったり、
その教授宅では、
歌のことで人の良い奥さんに食ってかかったりする。
元々デュオだったのが、
相棒に自殺され、
それがトラウマになっている。
地方のオーディションで
「金の匂いがしない」と言われて
歌をあきらめ、船に乗ろうとして
滞納していた組合費を請求された上、
船員免許を紛失して乗れなくなる。
ライブハウスでは野次を飛ばし、
そのあげく殴られたりする。

売れない音楽家の荒んだ日常で、
特に目立った進展もないのだが、
引きつけられるのは、
映画が「人を描くもの」で、
ルーウィンの人間がしっかりと描かれていることによるのだろう。
出づっぱりのルーウィン役の
映画初主演のオスカー・アイザックが好演。
歌もギターも自分で演じているのが素晴らしい。

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ルーウィン・デイヴィスのモデルになったのは、
1960年代グリニッジ・ヴィレッジの
フォーク・シーンの中心的人物だった
デイヴ・ヴァン・ロンクだという。
ボブ・ディランが憧れた
ヴァン・ロンクの回想録にインスパイアされ
コーエン兄弟はこの物語を作り出した。

音楽でも役者でも小説家でも画家でも
芸術は何でもそうだが、
理想と現実の狭間で揺れ動き、
夢を何度も諦めかけながらも
懸命に生きる人間の姿は感動する。
ピュアな魂ゆえに世間とは折り合えない
ルーウィンの姿が自分の姿に重なって来る。

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猫が重要なポイントで、
取り逃がした猫を
ようやく捕まえたと思えば違った猫で、
それを連れての旅先で放棄し、
車で轢きそうになり、
いつの間にか教授の家に戻っている。
そして、「夢オチ」とも思える展開で、
ループは姿を変えてルーウィンを引きずり回す。

ルーウィンをなじるキャリー・マリガンの「罵倒芸」が見もの。

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ジャスティン・ティンパーレイク

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ジョン・グッドマン

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そして、「神聖ローマ、運命の日」「グランド・ブタペスト・ホテル」と
最近目につくF・マーレイ・エイブラハム

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少ない出番ながら、脇を引き締める。

一味違った、
そしてその一味がものすごく味わい深いコーエン兄弟の作品。
ただ、観客を選ぶだろう。

5段階評価の「4」

予告編は、↓をクリック。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=TBQ3kjgzE8M


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