『アメイジング・グレイス』  映画関係

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英国における奴隷貿易廃止に貢献した
ウィリアム・ウィルバーフォースを描く。
イギリス議会が奴隷貿易を廃止してから
およそ200年にあたる2007年に公開された。

18世紀のイギリス。
交易で富を築いた家に生まれたウィリアム・ウィルバーフォースは、
成長すると、
父と叔父が残した財産を
多くの慈善事業に使うほどの優しい青年となる。
イギリスの主たる収入源である奴隷貿易に心を痛めた彼は、
世のために祈る聖職者になるか、
世を変える政治家になるかで心が揺れる。
ジョン・ニュートンに背中を押されたウィルバーフォースは、
21歳の若さで議員に選出される。
彼は英国最年少の首相ウィリアム・ピットと共に、
奴隷貿易廃止を訴える。

ウィルバーフォースたちは
ロンドンのコーヒー店や地方のパブ、
ディナーパーティーの会場など国中を回って演説し、
世論に影響を与える。

1791年、国会に奴隷貿易廃止案を提出する。
しかし奴隷制で利益を得ている既得権益層である
奴隷制度賛成派の妨害により、
その申し立ては否決される。
フランス革命やナポレオン戦争の影響もあり、
廃止法案は議会を通過するどころか、
フランスに利する売国的であるとして
受け入れられなかったのだった。

しかし、粘り強く、あきらめずに法案を提出し続け、
機が熟し、20年間にわたって尽力してきた
ウィルバーフォースへの賛辞がなされる中、
奴隷貿易法案は283対16の大差可決される。

可決後、老議員の一人がウィルバーフォースを讃えた言葉。

「偉人で有名なのは、
ナポレオンなど武力の人です。
平和の人はまず挙がらない。
だが戦いから帰った両者を比較すると
ナポレオンの帰還は威風堂々。
この世の頂点に立った男ですが、
夜は戦争の重圧にうなされるでしょう。
しかし、ウィルバーフォースは家に戻り、
枕に頭を乗せた時、
こう思うでしょう。
『奴隷貿易は終わった』と」

その後、議員たちの拍手喝采が
ウィルバーフォースを包む。

1807年2月23日のことである。
アメリカでリンカーンが奴隷廃止の憲法改正案を議会を通すのが、
1865年1月31日のことだから、
それより58年も前
英国では奴隷禁止が行われていたのである。

監督はマイケル・アプテッド
脚本はスティーヴン・ナイト
ウィリアム・ウィルバーフォースを演ずるのは、
ヨアン・グリフィズ
層の厚い英国俳優が脇を固める中、
ジョン・ニュートン役のアルバート・フィニー
さすがの深い演技をみせる。

タイトルは、奴隷船の船長だった
ジョン・ニュートンが作詞した
賛美歌第2編167番「アメイジング・グレイス」から取られている。
作詞者ジョン・ニュートンは、
商船の指揮官であった父に付いて船乗りとなったが、
さまざまな船を渡り歩くうちに黒人奴隷を輸送する
「奴隷貿易」に手を染め巨万の富を得る。
やがて船を降りたジョンは、牧師となる。
この歌詞は、
黒人奴隷貿易に関わったことに対する深い悔恨と、
それにも関わらず
赦しを与えた神の愛に対する感謝
が込められているといわれている。

「アメイジング・グレイス」を聞きたい方は、↓をクリック。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=GU72aKC62JM

歌詞と訳詞は、↓のとおり。

Amazing grace how sweet the sound
That saved a wretch like me.
I once was lost but now am found,
Was blind but now I see.

アメージング・グレース
何と美しい響きであろうか
私のような者までも救ってくださる
道を踏み外しさまよっていた私を
神は救い上げてくださり
今まで見えなかった神の恵みを
今は見出すことができる

'Twas grace that taught my heart to fear,
And grace my fears relieved,
How precious did that grace appear,
The hour I first believed.

神の恵みこそが 私の恐れる心を諭し
その恐れから心を解き放ち給う
信じる事を始めたその時の
神の恵みのなんと尊いことか

Through many dangers, toils and snares
I have already come.
'Tis grace hath brought me safe thus far,
And grace will lead me home.

これまで数多くの危機や苦しみ、誘惑があったが
私を救い導きたもうたのは
他でもない神の恵みであった

The Lord has promised good to me,
His Word my hope secures;
He will my shield and portion be
As long as life endures.

主は私に約束された
主の御言葉は私の望みとなり
主は私の盾となり 私の一部となった
命の続く限り

Yes,when this heart and flesh shall fail,
And mortal life shall cease,
I shall possess within the vail,
A life of joy and peace.

そうだ この心と体が朽ち果て
そして限りある命が止むとき
私はベールに包まれ
喜びと安らぎの時を手に入れるのだ

The earth shall soon dissolve like snow,
The sun forbear to shine;
But God, Who called me here below,
Will be forever mine.

やがて大地が雪のように解け
太陽が輝くのをやめても
私を召された主は
永遠に私のものだ

When we've been there ten thousand years,
Bright shining as the sun,
We've no less days to sing God's praise
Than when we'd first begun.

何万年経とうとも
太陽のように光り輝き
最初に歌い始めたとき以上に
神の恵みを歌い讃え続けることだろう


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