『十日間の不思議』  書籍関係

新聞等の参議院選の結果予測では、
自民党・公明党の与党の
参議院過半数制覇は確実

と言っている。
自民党単独過半数も夢ではない、と。

この新聞の選挙結果予測、
というのはどうなんだろうか。
投票行動に影響がないとは言えまい。

予測を聞いて、
自民党に入れようと思っている人は、
用事があれば、
「まあ、いいか、
俺が行かなくても、結果は変わらないし」
と思うだろうし、
民主党に入れようと思う人は、
自民党に一矢を報いるためにも投票しようと思うのではないか。

特に、当落線上の人への影響は大きいだろう。

昔、参議院選挙で、
自民党の勝利、と予測して、
逆の結果が出たことがあった。
あの時は、
直前のテレビ番組で
橋本総理(当時)が
恒久減税について失言したのが原因だった、と言われる。

諸外国では、
投票前の一定期間は、
予測の報道が禁止されているとも聞く。

まあ、今回の選挙は、
「ねじれ解消」の選挙だと思えば、
与党に有利なのは間違いないのだが・・・

既に期日前投票を終えた身としては、
投票行動は変えようがないのだ。


〔書籍紹介〕

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エラリイ・クイーン中期の傑作。
ニューイングランドの架空の町、
ライツヴィルを舞台にしたシリーズの第3作。

ハワード・ヴァン・ホーンは
ニューヨークの簡易宿泊所で意識を取り戻す。
しばしば記憶喪失の病状が起こり、
意識を失ったままの期間が増えているハワードは、
かつてパリで知り合いになったエラリイの元に保護を求める。
次に意識を喪失した時、
自分が犯罪を犯さないよう、
エラリイに監視してほしいというのだ。
こうして、エラリイは
ハワードの故郷であるライツヴィルに行く。

エラリイはハワードの家族に紹介される。
父である実業家のディードリッチ、
ディードリッチの弟ウルファート、
ディードリッチの妻サリー。
エラリイは魅力的な若いサリーに強く惹かれる。

ハワードがディードリッチの実子ではなかったことが明かされ、
更に、ハワードとサリーが不倫関係にあることが分かり、
それが恐喝の材料にされていることをエラリイは知る。
盗難にあった宝石箱に隠されていた
ハワードからサリーに宛てた恋文を暴露されたくなければ、
金を払えというのだ。
エラリイは、ハワードの代わりに脅迫者との取引に応じ、
恐喝の材料であった恋文を奪い返すことに成功した。

ハワードの出生の秘密が明らかになった夜、
ハワードが車で出かけるのを察知したエラリイは、
墓場でハワードが
自分の真の父母の墓を傷つけるのを目撃する。

脅迫者は再度二人に金を要求して来た。
手紙の写しがあるというのだ。
前回の脅迫の際、
ハワードはディードリッチの金庫が荒らされたふりをして
現金を工面したのだが、
今回はそうはいかず、
サリーのダイヤモンドのネックレスを質入れすることになり、
エラリイはその役目を引き受けさせられてしまった。

しかし、ディードリッチ出資による
ライツヴィル美術館起工パーティが開催されることになり、
ディードリッチはサリーにダイヤのネックレスを着けて出席するように命令する。
そこで、ハワードとサリーは、
このダイヤモンドのネックレスを盗まれたことにしようと試み、
警察が呼ばれ、捜査の結果、
エラリイがこのダイヤのネックレスを質入れしたことがばれてしまう。

この期に及んでも、
ハワードがサリーとの関係を
ディードリッチに告白しようとしないことに失望したエラリイは、
ヴァン・ホーン邸を辞去することにした。
しかし、その帰途、
エラリイはとあることに気づき、
ディードリッチに鍵をかけて部屋にこもることを電話で助言する。
慌ててライツヴィルに戻ったエラリイだったが、
そこで目にしたものはサリーの死体だった。

エラリイが気づいたこととは何か。
そして、サリーを殺した犯人は誰なのか。
真相がエラリイによって明かされた時、
更に驚くべき結末が・・・。

題名は、
「この不思議は(不思議は続くというが)九日間も続いた」
というヘイウッド「ことわざ劇」の言葉と、
「それは少なくとも十日間の不思議となろう。
不思議は一日だけ長びくわけだ」
というシェイクスピア「キング・ヘンリー六世」のセリフから取ったもの。

第1部が「九日間の不思議」、
第2部が「十日目の不思議」 
という2部構成で、
第1部で解決した問題が、
第2部でくるりと世界が変わってしまう

推理小説にしては登場人物が少なく、
さながらヴァン・ホーン家の家族間の心理劇の様相。
実際心理学が事件の背景にあることが
最後になって分かる。
 
まあ、登場人物が少ない分、
真犯人の見当がついてしまうのだが、
当時としては斬新な切り口だったといえよう。

事件の真相に迫ったエラリイが、
自分が事件の片棒をかついでしまったと気づくのは
なかなか皮肉が効いている。

全く何の予備知識もなく読んだ
(そもそも何がきっかけで読むことになったのかも忘れてしまった)
が、
楽しめた。





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