『マリア・ストゥアルダ』  オペラ関係

今日は、久しぶりに上京し、
まず、ビックカメラへ。
館内が明るいのでびっくり。
すっかり田舎者になったようです。
プリンターのインクを購入した後、
日比谷で映画。
最後は東劇でMETライブビューイング
ドニセッティ「マリア・ストゥアルダ」を鑑賞。

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昨シーズンの「アンナ・ボレーナ」に続く、
ドニゼッティの女王3部作の2作目。
シラーの有名な戯曲「マリア・スチュアルト」をベースにして台本が書かれた。

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16世紀末のイギリス。
スコットランド女王マリア(メアリー・スチュアート)は、
祖国を追われ、
遠縁にあたるイギリス女王エリザベッタ(エリザベス一世)に幽閉されている。
マリアを愛するレスター伯爵は彼女の助命を乞うが、
レスター伯爵を想うエリザベッタは嫉妬にかられる。

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和解のチャンスとして設定された
エリザベッタとマリアの会見は、
互いに侮辱しあう形で決裂に終わり、
エリザベッタは死刑執行書に署名し、
マリアは全てを許し、
処刑台に向かう。

1834年の初演以来、
20世紀に入ってからは
全く忘れられたオペラだったが、
1969年、フィレンツェ五月音楽祭において
現代蘇演され、一躍脚光を浴びた。
MET初演。
もちろん新演出。

どうしてこの作品が忘れ去られていたのかが不思議なほど
充実している。
「アンナ・ボレーナ」も相当ドラマチックだったから、
この王女3部作は期待できる。

スコットランド女王アンナと
イングランド女王エリザベッタとの
対立軸が明確で分かりやすい。
王位継承者としてはマリアの方に正当性があるというのも面白い。
それが2幕の終わり、
二人の女王の対決の背景にある。

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レスター伯に言い含められて、
牢獄からの解放を求めて恭順の姿勢を貫くはずが、
エリザベッタからの侮辱に
つい我を忘れ、
「卑しい私生児の娘」と口走ってしまうマリア。
痛いところをつかれて
許そうとしないエリザベッタ。
この対決シーンが前半の最大の見せ場。

第3幕に入り、
死刑判決に署名をしてしまうエリザベッタ。
エリザベッタを歌うのは、
南アフリカ出身のエルザ・ヴァン・デン・ヒーヴァー

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大柄な体を生かし、
内臓疾患をかかえているような
エリザベッタをよく造形した。
この大役でMETデビュー。

第3幕の後半は、
死刑を告げられたマリアの嘆きと浄化。
この場面が、
カルボット卿を演ずるバスのマシュー・ローズの好演もあって
抜群にいい。
こうした脇役の層の厚さがMETの強みだろう。

マリアを歌うのは、
ジョイス・ディナート

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本来メゾ・ソプラノの役のエリザベッタをソプラノが演じ、
ソプラノの役のマリアをメゾ・ソプラノが演ずるのが新鮮。
今回演ずる二人は、
互いに過去に相手の役柄も歌ったことがあるという。

死刑の場面では、
合唱が登場し、
これがまたいい。
本当にMETの合唱は質が高い。

「スコットランド女王の非業の死は、
イングランドにも
不名誉と恥辱をもたらすだろう」

という繰り返しなど、耳に残る。

しかし、死を迎える決心を固めたマリアは、
悲しみにくれる従者達を慰め、
レスター伯爵に別れを告げ、
神に感謝し、
死の間際にエリザベッタを赦し、
王位をまっとうすることを願い、
イングランドに罰が下されないことを祈って
決然と処刑場に向かう。

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涙なしには見られない
このシーンのディドナートの演技は本当に見事。

演出家のデイヴィッド・マクヴィカーは、
「アンナ・ボレーナ」も演出しており、
王女3部作の最後「ロベルト・デヴリュー」も手がけるという。
簡素なセットながら、
ドラマを際立たせる演出はなかなかよかった。






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