『トロイアの人々』  オペラ関係

今日は、上京

いつもの、↓今日の歌舞伎座

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内部に明かりがついています。

目的地は東劇で、
METライブビューイング今期7作目、
ベルリオーズ「トロイアの人々」です。

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正味4時間以上かかるこの長大な作品。
長さとスケールの大きさゆえに、なかなか上演の機会がありません。
なにしろ、ベルリオーズ生存中は全幕上演されず、
初演の1863年は第2部のみの上演。
死後20年の1890年にドイツ語版の全幕上演はありました
(ただし、2日に分割)が、
オリジナルのフランス語版全幕上演は、
ベルリオーズ死後100年たった1969年のこと。
日本ではまだ全幕上演はされていません。

METの初演は1973年で、
今度のプロダクションは1983年
フランチェスカ・ザンベッロ演出のもの。

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題材はトロイ戦争で、
第1部(第1幕・第2幕)は、
「トロイアの陥落」と題されています。

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ギリシャ軍がトロイアを包囲して10年が経ち、
突然包囲を解き撤退。
残された木馬を城内に引き込んだ結果、
中に隠れていたギリシャ兵によって城門が開かれ、
トロイアが崩壊するという顛末。

その警告をする
トロイアの王女で未来透視能力のあるカサンドラを
デボラ・ボイトが演じます。

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この人、どんな役をやっても
表情が同じですね。

第2部(第3幕〜第5幕)は、
「カルタゴのトロイア人」と題され、

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難を逃れ、イタリアに向かうトロイア人の英雄アエネアスと
カルタゴの女王ディドーとの悲恋が描かれます。

カルタゴの位置は、↓こちら。

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最後は、トロイアの亡霊たちにイタリアに行くことをうながされた
アエネアスがディドーに背を向けて旅立ち、
ディドーは自害。
その時、ローマに遠征するハンニバルについての予言をします。

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(ハンニバルとは、
第二次ポエニ戦争 (紀元前218年 - 紀元前202年)
の時のカルタゴの将軍で、
イタリア半島に侵攻し
卓越した指揮能力を発揮し、
ローマ陥落の一歩手前まで陥らせた。
ちなみに、
「オペラ座の怪人」で、
冒頭演じられるのが、
架空のオペラ「ハンニバル」。)

ディドーを演ずるは、
スーザン・グラハム

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女王としての気品と女の情熱を合わせ持つ女性を演じて、
とてもいい。
メゾソプラノは深みがあっていいですね。

第1部と第2部を貫く英雄アエネアスは、
予定されていたマルチェッロ・ジョルダーニに代わり、
ブライアン・イーメルが演じます。

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聞けば、ジョルダーニは不調のため、
3ステージをしただけで、
この役を降りたそうです。
ジョルダーニは大根だから、降りて正解で、
代役のイーメルが
METデビューとは思えない素晴らしい出来
国家存亡の使命と恋の間で悩む人間像を巧みに演じます。
その苦悩を歌う「最後の別れの時が来たならば」は、
しばらくの間、拍手が鳴りやまないほどの喝采を受けていました。

「トロイアの人々」と題名にあるように、
合唱が素晴らしい
METの合唱は本当にすごい。
今回は110人体制で、
何役もこなし、
舞台裏で衣裳替えであわただしいと、
合唱指揮のD・パランボが言っていました。
この人が合唱指導になってから、
METの合唱は格段良くなりました。

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ザンベッロの演出は
視覚的変化をもたせて
長さを感じさせず、
なかなか見事なものでした。

全編国家の存亡、
失った祖国への愛惜の情、
神意と人情の間で揺れ動く人間の性が表現され、
現代にも通じる世界を現出します。
特に第3幕と第5幕がよかった

最後はほぼ全員がスタンディング・オベーション。
しかし、いつも思うことですが、
最前列の人たち
(METに多額の寄附をして、
最前列を獲得した人たち)
は、滅多なことでは立ちませんね。

第1・2幕 90分
第3・4幕 106分
第5幕   55分
で、正味4時間11分。
それに幕間インタビューと休憩を入れて
5時間17分
まさに体力勝負です。
今回は、コーヒーとサンドイッチ持参。
4週連続上映の最後を飾り、
超大作に酔った夜でした。

滅多にやられない作品を
こうして演じてくれて、
たっぷり楽しませてくれる。
やはりMETライブビューイングはやめられません。


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