アベノミクス  

自民党勝利以来、
安倍新政権確立を経ての
円安と株高の進行を
かつてレーガン大統領の時の
アメリカの景気回復=レーガノミクスになぞらえて
「アベノミクス」というのだそうだ。

その内容は、

2%のインフレ目標
円高の是正
政策金利をマイナスにする
無制限の量的緩和
大規模な公共投資(国土強靱化)
日本銀行の買いオペレーションによる建設国債の引き取り
日本銀行法改正


などで、
いずれも民主党政権では「決断」できなかったことばかりだ。
それが一人の政治家が「やる気」を見せることで
これほど市場が反応したのは、
それだけ欲求不満のエネルギーがたまっていたことの証左だろう。


安倍首相は5日、
成長戦略の一環として、
農林水産品の輸出額の目標を
現状の倍以上となる「1兆円」と定め、
輸出拡大策を強化する方針を決めた。

当然、TPPのことが視野に入っているわけで、
TPPで「日本の農産業が壊滅的打撃を受ける」
という反対論に対して、
品質が高く安全な日本の高級食材を武器に
輸出促進策を強化するもので、
農産業を「保護」するばかりが能ではない、
構造を変えることの方が重要だ、
というものだ。
これも指導者が明確な方針を出すことによって克服するものだろう。


最近、白川日銀総裁の就任時には、
為替は1ドル=103円だったことを知って驚いた。
3年半の間に、75円まで30円も円高が進んだことになる。
その間、日本の基幹産業である輸出企業が
軒並み疲弊し、
国際的競争力を失ったのに
日銀は何の手も打てなかった。
いや、小出しの介入をしただけで、
後は理屈をこねていただけだ。

以前にも書いたが、
白川総裁という人の経歴を見ると、
大学と日銀しか知らない。
それで純理論理屈に走る。
自分たちがしていることで
経済が好転しないならば、
さっさと敗北を認めて退陣すればいいのに、
それもしない。
あとは安閑と現状を肯定し、
責任逃れの理屈をひねくる。
恥ずかしくないのか。

それが安倍新総理が、
「脱デフレ、円高是正」を唱えただけで、
一円のお金を使わずに、
日銀が何十兆円単位で小出しの金融緩和をしても
無反応だった市場が反応したのだ。

このあたりは産経新聞の編集委員、田村秀男氏の論説に詳しい。
田村氏は、「日銀はマイナス金利に転換を」と延べているが、
それが上に上げたアベノミクスの一つ、
「政策金利をマイナスにする」の内容だ。

金融緩和で日銀がお金を支出しても、
そのお金が日銀に滞留している事実がある。
市中銀行が余った金を貸し出しにまわさず、
日銀の当座預金に預けている金が30兆円を越えるという。
その金に日銀は0.1%の金利を付けている。
であれば、
市中銀行は、中小企業に貸し出すよりは、
日銀に預けておくだけで金利を稼げる。
なにしろ、利回りは0.1%を下回っているのだから。

こうして、経済の「血流」であるお金が市中に流れない
日銀がどんなにお札を刷ったところで、
それが日銀の中に滞留していれば、
実態経済には何のカンフル剤にもならないのだ。

それに気づいた安倍新首相が、
日銀の政策金利を
「ゼロにするか、マイナスにするぐらいのことをして、
貸し出し圧力を強めてもらわなくてはいけない」

と講演でも延べている。

大体、市中銀行でも当座預金は無利子が普通だ。
なぜ日銀だけが金利を付けるのか。
こんなおかしなことはやめればいいのに、
白川総裁はあれこれ理屈をつけて変えようとしない。
まさに「銀行と日銀しか知らない人」、
「純粋学説の中に生きている人」なのだ。

このあたりは田村氏の言っていることに100%賛同するが、
7日の新聞で、
経済反攻の目標を
「いっそのこと、
名目GDPでの対中再逆転においてはどうか」

と延べているのに注目したい。

一昨年、GDPで中国が日本を抜いて世界第二位の経済大国になったが、
それはドル換算規模でのこと、
成長率以外の最大の要因は、
中国のインフレと日本のデフレにある。
「日本が正常なインフレ率のもとに
適度な経済成長軌道に回帰すれば、
名実ともに
中国を再び上回る日が来るに違いない。
そのとき、日本国民は
国力回復に自信を深め、
米国からは信頼を、
アジアからは畏敬の念をえるだろう」

という話が、
美しい初夢として結実することを祈る。






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