『皇帝ティートの慈悲』  オペラ関係

今日は、「上京」。
日比谷で、ここでしかやっていない映画を観て、
その後、築地に移って、東劇で
METライブビューイングの鑑賞、
という、いつものコース。

今日のMETライブビューイングは、
久しぶりモーツァルト「皇帝ティートの慈悲」

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モーツァルト最後のオペラ。
「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」
「コシ・ファン・トゥッテ」「魔笛」
と革新的オペラを作曲した後、
最後が「イドメネオ」以来のオペラ・セリア
(セリアとはシリアスのこと。
ギリシャ神話や英雄、王の活躍などを題材としたオペラ。
17世紀末から149世紀初め頃までに書かれた)
というのは意外だが、
それは、この作品が
ボヘミア王としてのレオポルト二世の戴冠式の祝典のために作曲されたから。
この頃既に健康を害していたモーツァルトは、
この他に「魔笛」と「レクイエム」という大作も抱えており、
そのため、
このオペラには速筆と疲労のあとがあるとも言われている。

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舞台は紀元1世紀のローマ帝国。
(しかし、今回の演出では18世紀のヨーロッパ風)
前皇帝の娘ヴィッテリアは、
父から王座を奪ったティートを恨み、
自分を愛しているセストにティートを暗殺させようとたくらんでいる。
セストは、ティートの親友でもあり、
暗殺計画に悩むが、
恋心に負けたセストは、
神殿に火を放ってティートの殺害を企てるが、
その後、ティートはヴィッテリアを皇妃に選ぶ。
セストは自らの罪を告白し、
ヴィッテリアもそれに続く。
裏切りを知ったティートが苦悩の末に下した決断とは…。

というわけで、
内容はかなり古くさい。
上演の回数が少ないのは、
この古くさい台本にあり、
音楽的には、
まさにモーツァルト!
随所に美しい旋律があり、
モーツァルトにしか書けない響ききにあふれている。

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演出は故ジャン=ピエール・ポネルで、
1984年以来のプロダクションなのに古びていない。

また、歌手陣がそろいもそろって良く、
特に女声がいい。
セストを演ずるメゾソプラノのエリーナ・ガランチャが抜群に良く、
ヴィッテリアのバルバラ・フリットリもこの役をよく飲み込んでいる。
これもズボン役(男の役を女性が演ずる)のエンニオの
ケイト・リンジー
セルヴィリア役のルーシー・クロウも粒揃い。
指揮のハリー・ビケットはバロックや古典もののスペシャリストで、
モーツァルトの響きを体現した。
カーテンコールで全員スタンディング・オベーションなのもうなずける。

幕間インタビューで
スーザン・グラハム
歌手のモーツァルトを歌うにあたっての心境をよく引き出していた。
「モーツァルトはマッサージ」で、
それまで他の歌を歌っていた時できた悪い癖が
矯正される、というのは、興味深い。

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なぜかMETライブビューイングでは数少ないモーツァルト。
新年早々、
モーツァルトを堪能した次第。

今週から「皇帝ティートの慈悲」
「仮面舞踏会」「アイーダ」「トロイアの人々」
4週連続でMETライブビューイングは続く。





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