『政治家の胸中』  書籍関係

〔書籍紹介〕

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読売新聞の政治部記者で、
現在は読売新聞グループ本社取締役最高顧問である
老川祥一氏の書いた、
歴代首相の点描集。

佐藤栄作、田中角栄、三木武夫、
福田赳夫、大平正芳、鈴木善幸、
中曽根康弘、竹下登、宇野宗佑
海部俊樹、宮沢喜一、小渕恵三
らを身近で取材した者として、
その時折に見せた
別な顔をときほぐしてみせる。

その間、田中金脈事件があり、
ロッキード事件があり、
自民党の予備選挙で福田赳夫が大平正芳に敗れ、
40日抗争があり、
大平内閣の内閣不信任案が可決し、総選挙、
そして衆参同日選挙があり、
選挙の最中の大平さんの死があり、
中曽根長期政権があり、
竹下登の「創世会」の結成と
田中角栄の脳梗塞があり、
リクルート事件があり、
55年体制の崩壊と
細川護煕内閣による政権交代と、
村山富市「自社さ」連立内閣の成立があり・・・

その時代をリアルタイムに見た者としては
感慨無量だが、
その間に進行したのは、
政治不信と政治家の劣化
それにともなう無党派層の拡大だろう。

「椎名裁定」(田中角栄の退陣後の後継総裁が決まらず、
福田赳夫・大平正芳・三木武夫の候補三人が
椎名悦三郎に裁定を依頼したこと)の文章は、
実は指名される三木武夫本人が書いた、
などという裏話も出て来る。

鈴木善幸の辞める原因が
歳入欠陥だったという話も
目新しい。
今は歳入欠陥どころか
税収入の倍ぐらいを赤字国債で埋めるのが当たり前になったが、
当時(1982年頃)は、
歳入欠陥などあってはならない、
見込んだ税収を下回るなどということは
経済運営の大失敗と受け取られていたのだ。

竹下登内閣の時は、
経済が成長し、税収もたっぷりあった時代で、
税の自然増収が当初予算の見込みを上回ってしまい、
歳入欠陥どころか予算をオーバーする歳入に恵まれたことから、
「ふるさと創世」として
余ったお金を全国にばらまいた。
こんなことも隔世の思いがする。

老川氏は、1989年という年を転換点と見る。
無党派層が初めて4割を超えた年だというのだ。
89年と言えば、この年の12月29日の
東証株価指数が3万8915円87銭でピークを打った年だ。
以後、株価は低迷し続けている。
合計特殊出生率が1.57になり、
人口の少子化現象が始まるのもこの年。
国際的にはベルリンの壁が崩壊した年だか、
湾岸戦争、ソ連の崩壊という事件が起こる。

本の最後に
戦後の首相一覧↓が出ているが、

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安倍晋三首相以降、
毎年首相が交代していることが歴然としている。

これらの顔を思い浮かべながら、
虚しい思いがするのは
私だけだろうか。





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