『おおかみこどもの雨と雪』  映画関係

〔映画紹介〕

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宿命を背負って生きる母子の歳月を描く
細田守のアニメーション映画。

女子大生の花は、
大学の教室で一人の男と出会い、恋に落ちる。
ある日、その男は自分が人間とオオカミの混ざった
「おおかみおとこ」であることを告白し、
花の目の前で変身して見せる。
花はそれを受け入れ、
やがて女の子と男の子が生まれるが、
男は死んでしまう。

生まれた子供の姉は「雪」、弟は「雨」と名付けられるが、
「おおかみこども」である二人は、
時々オオカミに変身してしまう。
都会で育てることを断念した花は、
山奥の古民家に移住する。
人目につかないように、
と移住したにもかかわらず、
やさしい住民たちに助けられて、
花は姉弟を育てていく。

やがて学齢に達した雪は小学校に通うようになり、
狼にならないように気をつけながら、
人間として生きていく。
その一方、雨は小学校に馴染めず、
山に入っては狼に変身し、
一匹の狐を「先生」として、
山で生きる術を学んでいく。

このように、人間とオオカミの両方の血を受けた
姉と弟が、
その宿命に耐えながら、
それぞれの道を選んでいく姿は
見ていて胸の底をつかまれるような思いがする。
                                        
特に、思春期に至った雪が
転校生の草平を意識し、
避けるあまり、
一瞬オオカミに変身してケガをさせてしまうあたり、
何とも切ない。

台風の夜、
学校に取り残された草平に雪が
自分がおおかみこどもであることを告白する場面など、
揺れるカーテンを上手に使った演出だ。
草平が雪の秘密を受け入れるのもほっとする。

あり得ない設定だが、
もしあったらどうなるか、
を考えさせられる。

なにもオオカミでなくても、
人間はそれぞれの「出自」を持っており、
それが「宿命」として人生を覆っていたらどうなるか、
そんなことも考えさせてくれる一篇。

画面は終始きれいで安定しており、
リアルな描写に
程よい加減で
ファンタジーが挟み込まれる。

観終えて様々なことを考えさせられる
美しい小編。

5段階評価の「4」。

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